ブロードバンドルータの設定事例集(ADSL(PPPoE)/光ファイバー接続)


(設定例2) LAN側ネットワークをプライベートIPアドレスで構成する


作成日2001/Nov/06
最終変更日2018/Nov/06
文書サイズ9.8KB


[ 項目 ]


[ LAN側ネットワークをプライベートIPアドレスで構成するとは? ]

公開サーバを含め、LAN側をすべてプライベートアドレス空間のネットワークで構成します。
インターネットとのアクセスはNAT変換やIPマスカレードを使用します。公開サーバには静的NATで固定のグローバルアドレスを 割り当てる必要があります。その他のLAN側端末とブロードバンドルータはブロードバンドルータの WAN側アドレス(グローバルアドレス)を使用し、IPマスカレード機能を使って複数同時接続を行います。

公開サーバを置くということは、外部からアクセスが可能であるということです。
インターネットは、有益な情報もありますが、危険もあります。
最低限のフィルタなどを適用して、自分のネットワークを守る必要があります。
特にサーバを公開するにあたってはしっかりとセキュリティ設定を行ってください。
(注)ここで示す設定例にはセキュリティ設定は含まれていません。お使いの 環境に合わせたセキュリティ設定を行ってください。

[ IPアドレスの割り当て方 ]

プロバイダから割り当てられたグローバルアドレスを133.176.200.1, 133.176.200.2とします。

IPアドレス用途
グローバルアドレスの割り当て
133.176.200.1IPマスカレード機能用外側アドレス
133.176.200.2公開サーバ(静的NAT)
LAN側ネットワーク(プライベートアドレス空間)
192.168.0.0network address
192.168.0.1ルータ
192.168.0.254公開サーバ
192.168.0.2

192.168.0.253
DHCP割り当て
192.168.0.255(directed) broadcast address
255.255.255.0subnet mask

割り当てられたネットワークのアドレス、ネットマスク等がどういった値になるか 「IPアドレス計算」で、 調べることができます。

[ 設定&解説 ]

[設定]
ip lan1 address 192.168.0.1/24
ip lan1 routing protocol none		(*)
ip lan1 rip listen none			(*)
ip lan2 routing protocol none		(*)
ip lan2 rip listen none			(*)
pp select 1
pppoe use lan2
pp auth accept chap pap
pp auth myname ID PASSWORD
ppp lcp mru on 1454
ip pp mtu 1454
ppp ccp type none
ip pp nat descriptor 1
pp enable 1
ip route default gateway pp 1
nat descriptor type 1 masquerade
nat descriptor address outer 1 133.176.200.1
nat descriptor address inner 1 192.168.0.1-192.168.0.254
nat descriptor static 1 1 133.176.200.2=192.168.0.254 1
dns server (プロバイダ側から指定されたIPアドレス)
dhcp service server
dhcp scope 1 192.168.0.2-192.168.0.253/24

(*) NetVolanteシリーズのみ

[解説]
#ip lan1 address 192.168.0.1/24
LAN1側IPアドレスを設定します。
またLAN側のすべてのホストは、このネットワーク内のプライベートアドレスを
持ちます。

#ip lan1 routing protocol none
LAN1側にRIPを出さないようにします。このコマンドはNetVolanteシリーズでのみ設定します。

#ip lan1 rip listen none
LAN1側でRIPを受け取らないようにします。このコマンドはNetVolanteシリーズでのみ設定します。

#ip lan2 routing protocol none
LAN2側にRIPを出さないようにします。このコマンドはNetVolanteシリーズでのみ設定します。

#ip lan2 rip listen none
LAN2側でRIPを受け取らないようにします。このコマンドはNetVolanteシリーズでのみ設定します。

#pp select 1
PP1インタフェースを設定します。

#pppoe use lan2
LAN2側(WAN側)に対してPPPoEを使用するよう設定します。この1行以外の設定は、
基本的にはダイヤルアップで端末型接続をする場合と同じです。

#pp auth accept chap pap
#pp auth myname ID PASSWORD
PPPoEサーバとの認証情報を設定します。

#ppp lcp mru on 1454
LCPのネゴシエーションでMaximum-Receive-Unitオプションを使用し、パケットの
最大長を制限します。

#ip pp mtu 1454
このコマンドは、接続相手からLCPでMRUオプションを受ける場合には必要ありません。
PP1に対するMTU(Maximum Transfer Unit)を設定します。

#ppp ccp type none
圧縮機能はPPPoEでは使用できません。noneに設定する必要があります。

#ip pp nat descriptor 1
IPマスカレード機能を定義したNATディスクリプタをPP1に適用します。

#pp enable 1
PP1を有効にします。

#ip route default gateway pp 1
宛先がLAN外である全てのパケットを送るためのデフォルトルートをPP1に設定します。

#nat descriptor type 1 masquerade
PP1にIPマスカレード機能を適用するためのNATディスクリプタを定義します。

#nat descriptor address outer 1 133.176.200.1
NATディスクリプタで使用される外側のIPアドレスを指定します。

#nat descriptor address inner 1 192.168.0.1-192.168.0.254
NATディスクリプタで使用される内側のIPアドレスを指定します。

#nat descriptor static 1 1 133.176.200.2=192.168.0.254 1
NATディスクリプタで固定割付するIPアドレスの組み合わせを指定します。

#dns server (プロバイダ側から指定されたIPアドレス)
DNSサーバを設定します。

#dhcp service server
DHCPサーバを設定します。

#dhcp scope 1 192.168.0.2-192.168.0.253/24
プライベートネットワークに対してDHCP機能で割り当てるIPアドレスの範囲を
指定します。



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