RTシリーズの使い方や役割などに関するFAQ
ルーティングって何ですか?
最終変更日 | 2018/Nov/06 |
文書サイズ | 10KB |
ルーティングって何ですか?
IPやIPXなどのプロトコルを解析し適切なネットワークへデータを
転送する処理を、ルーティング(経路制御)といいます。
ルーティング機能は、「データ転送を効率良く(無駄無く)行なう」為に
作られました。
ルーティングされたデータの流れの例 (下図において)
・ホストA→ホストDに転送したいデータ
必要な転送:LAN#1→LAN#3→LAN#4
不要な転送:LAN#2
・ホストC→ホストAのデータ
必要な転送:LAN#3→LAN#1
不要な転送:LAN#2, LAN#4
ブリッジだと「不要な転送」を伴なってしまう。
ルータは「不要な転送」を発生させず通信できる。
LAN間接続が大規模化したり、通信負荷を抑えようとしたりするほど、
必要性が高まります。
ホストA ホストB | LAN#1 | LAN#2 ========================= ========================= | | +--------+---------+ +--------+---------+ | ローカル・ルータ | | ローカル・ルータ | +--------+---------+ +--------+---------+ | | LAN#3 ==================================================== | | +--------+---------+ ホストC | ローカル・ルータ | +--------+---------+ | LAN#4 ========================= | ホストD
ルータは、適切に転送する為にどの経路(route)を通して転送すべきかを
認識している必要があります。この情報をルーティング情報といいます。
# ルーティング情報のデータベースを「経路情報(ルーティング情報)テーブル」
といいます。
ルーティング情報には、2種類あります。
長所 |
設定が容易 経路の変更に対して、動的に対応可能 |
---|---|
短所 |
ルータ間の相互通信(トラフィック)が発生する 経路情報が流動的 |
長所 |
経路情報が固定的 ルータ間の相互通信(トラフィック)が発生しない |
---|---|
短所 |
経路が増えるに従い、設定や管理が困難になる 経路の変更に対して、動的な対応はできない |
IP RIP
RIP2
スタティック
IPX RIP
スタティック
デフォルト経路は、RTシリーズのコマンドでは、「default」と表記しています。
デフォルト経路のアドレスは、「0.0.0.0」です。
経路情報(RIP)関連で「default」となっていた場合、値は「0.0.0.0」を意味します。
「default == 0.0.0.0」は、慣習です。
全てのTCP/IPネットワークの経路情報をルータが持とうとしても、
経路情報が多過ぎて処理できません。
デフォルト経路でもって、外側と内側を仕切り、
未知のネットワークへのアクセスは、デフォルト経路に流すようにしています。
デフォルト経路制御により、経路情報をコンパクトにすることができます。
一般のInternet(プロバイダ)接続の場合のデフォルト経路は、
その接点に位置するルータに設定します。
例として、以下のようなネットワークを構築したとします。
ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)… default経路 : : ISDN, 専用線, 等 : +--------+---------+ | [PP#01] | | | | リモート・ルータ | | | | [LAN] | +--------+---------+ |192.168.1.1 | 192.168.1.0/24 ==================================================== | | |192.168.1.2 |192.168.1.3 +--------+---------+ +--------+---------+ | リモート・ルータ | | ローカル・ルータ | +--------+---------+ +--------+---------+ : |192.168.3.1 : WAN (ISDN, 専用線, 等) | : | 192.168.3.0/24 +--------+---------+ ======================================= | リモート・ルータ | +--------+---------+ |192.168.2.1 | 192.168.2.0/24 ========================================
このとき、192.168.1.1が保持している経路情報は、
ネットワーク/ネットマスク 次のホップ (next hop) 192.168.1.0/24 LAN(192.168.1.1) 192.168.2.0/24 LAN(192.168.1.2) 192.168.3.0/24 LAN(192.168.1.3) default PP[01]
のようになっています。(なっている必要があります。)
※ RTシリーズのコマンドですと「show ip route」でチェックできます。
このような状況では、192.168.1.0/24,192.168.2.0/24,192.168.3.0/24以外の
IPアドレスへのアクセスは、プロバイダ側にアクセスします。
ルータ以外の経路制御情報を理解できない機器の場合、
どのルータと通信するべきか制御できないような状況があります。
そのような場合、経路情報を知っているルータのうちどれかを
デフォルトルータ(デフォルトゲートウェイ)として設定しておくことで
いろいろなネットワークと通信できるようになります。
つまり、個々の機器がデフォルトルータにアクセスする機能を持っていれば、 経路情報を持つ必要が無いのです。
例として、以下のようなネットワークを構築したとします。
ISP(インターネット・サービス・プロバイダ) : : ISDN, 専用線, 等 : +--------+---------+ | [PP#01] | | | | リモート・ルータ | | | | [LAN] | +--------+---------+ |192.168.1.1 | 192.168.1.0/24 ==================================================== | | |192.168.1.2 |192.168.1.3 +--------+---------+ +--------+---------+ | リモート・ルータ | | ローカル・ルータ | +--------+---------+ +--------+---------+ : |192.168.3.1 : WAN (ISDN, 専用線, 等) | : | 192.168.3.0/24 +--------+---------+ ======================================= | リモート・ルータ | +--------+---------+ |192.168.2.1 | 192.168.2.0/24 ========================================
このとき、各ネットワークの機器は、以下のようにデフォルトルータを設定します。
所属ネットワーク デフォルト・ルータ 192.168.1.0/24 192.168.1.1 192.168.2.0/24 192.168.2.1 192.168.3.0/24 192.168.3.1
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