WLX402 無線通信平滑機能(エアタイム イコライザー)

$Date: 2019/02/15 00:18:01 $

  1. 概要
  2. 注意事項
  3. 対応機種とファームウェアリビジョン
  4. 用語定義
  5. 詳細
  6. コマンド
  7. 設定・操作方法
  8. 設定例

1. 概要

本機能は本製品に接続している無線端末において、伝送速度の速い無線端末の通信速度が伝送速度の遅い無線端末によって遅くなることを防ぐ機能です。

伝送速度にかかわらず、各無線端末向けの通信の時間を同じにすることにより、伝送速度の速い無線端末の通信速度が遅くなることを防ぎます。


2. 注意事項


3. 対応機種とファームウェアリビジョン

以下の機種およびファームウェアで、無線通信平滑機能をサポートしています。

機種 ファームウェア
WLX402 Rev.17.00.09以降

4. 用語定義

Controller-AP
Member-APを制御するアクセスポイント。無線LANコントローラー機能を動作させるアクセスポイントがこれに当たります。
Member-AP
Controller-APによって制御されるアクセスポイント
グループ
Controller-APとController-APに制御されるMember-APを合わせてグループと呼びます。管理はグループ単位で行います。
1台のController-APが管理できるグループは16個です。Controller-APは必ず「グループ 1」に所属します。
50台以上のAPを制御したい場合は、Controller-APを複数設定してください。
ATE
本機能の英語名「エアタイム イコライザー」の略称です。

5. 詳細

5.1 基本動作

本機能は本製品に接続している無線端末において、伝送速度の速い無線端末の通信速度が伝送速度の遅い無線端末によって遅くなることを防ぐ機能です。
伝送速度に関わらず、本製品から各無線端末向けの通信の時間を同じにすることにより、伝送速度の速い無線端末の通信速度が遅くなることを防ぎます。

ただし、各無線端末向けの通信の時間に余裕があり、伝送速度の速い無線端末が十分に高速に通信できている場合は、本機能による無線端末向けの通信の制御は行われません。

5.2 動作例

本製品に伝送速度の速い無線端末と遅い無線端末が接続している環境で、本機能が有効な場合と無効な場合の本機能の動作例を以下に図で説明します。

5.3 本機能の有効・無効の設定を実際の動作に反映させるまでの動作イメージ

本機能の有効・無効の設定を変更したあとに実際の動作に反映させるには、本製品を再起動する必要があります。
本機能の有効・無効の設定を実際の動作に反映させるまでの動作のイメージを、無線LANコントローラー機能を使用する場合と無線LANコントローラー機能を使用せずに各AP毎に行う場合で以下に図で説明します。

    ○無線LANコントローラー機能での設定

    • 機器構成
    • 以下の図のような機器構成の場合を例に説明します。

    • 設定の変更が動作に反映されるまでの流れ
    • 本機能が無効な状態から有効な状態にするためには、以下の手順で設定を行います。

      1. (1) Controller-APから本機能を有効にしたコンフィグをMember-APへ送信します。


      2. (2) コンフィグの送信が完了したMember-APは再起動されます。


      3. (3) 全てのMember-APへのコンフィグの送信と再起動が完了した後、Controller-APは自身へコンフィグを送信し、その後再起動します。


      4. (4) 再起動後、本機能が実際の動作に反映されます。


      5. ※ 本機能を有効から無効にする場合も、Controller-APからコンフィグを送信し、再起動後に実際の動作に反映されます。

6. コマンド

内容 コマンド
無線通信平滑機能を使用するか否かの設定 airlink ate use

7. 設定・操作方法(GUI)

[グループ設定] - [AP情報設定]ページ


8. 設定例

Web設定画面での設定手順、コマンドでの設定手順と設定例を以下に説明します。

8.1. 機器構成

以下の図のような機器構成の場合を例に説明します。

8.2. Web設定画面での設定手順

  1. [グループ設定] - [AP情報設定]ページを開きます。
  2. 「無線通信平滑機能設定」で「有効」を選択します。
  3. 「設定」ボタンを押します。


  4. [グループ設定] - [設定送信]ページを開き、設定を送信するAPにチェックを入れます。
  5. 「送信」ボタンを押します。


  6. 設定送信を実行するか否かを確認するダイアログが表示されるので「OK」ボタンを押します。
    (「OK」ボタンを押すと、設定送信を続けます。「キャンセル」ボタンを押すと、設定送信を行いません)


  7. 「管理パスワードの確認」ダイアログが表示されるので「送信」ボタンを押します。
    (「送信」ボタンを押すと、設定送信を行いますが、「キャンセル」ボタンを押すと、設定送信を行いません)


  8. 設定送信の実行中は以下のメッセージが表示されます。


    Controller-APの再起動中は、以下のメッセージが表示されます。


  9. 再起動後、設定送信したAPで無線通信平滑機能が有効になります。

8.3. コマンドでの設定手順

8.3.1. 無線LANコントローラー機能での設定

無線LANコントローラー機能を使用して、Member-APに本機能の設定を一括で行う場合は、以下のようにコマンドを実行します。
  1. 本製品のコンソールにログインします
  2. 以下のようにコマンドを実行し、グループの無線通信平滑機能の設定を有効にします。
    # wlan-controller select 1
    wlan-controller1# airlink ate use on
    

  3. 以下のようにコマンドを実行し、Member-APへ設定送信します。
    コマンドを実行すると、設定送信を行うか否かの質問が表示されるので、「Y」を入力してください。
    設定送信が実行されます。また、Controller-APとMember-APが再起動します。
    # wlan-controller config set all
    無線通信平滑機能の設定が変更されている場合は、Member-APが再起動します。
    設定を送信しますか ? (Y/N)
    

  4. APの再起動後、本機能が有効になります。

8.3.2. AP単体での設定

無線LANコントローラー機能を使用せずに、各AP毎に本機能の設定を行う場合は、以下のようにコマンドを実行します。
  1. 本製品のコンソールにログインします。
  2. 以下のようにコマンドを実行します。
    コマンドを実行すると、設定の保存と再起動をするか否かの質問が表示されるので、「Y」を入力してください。
    設定が保存され、APが再起動します。
    # airlink ate use on
    無線通信平滑機能の変更を反映させるには設定の保存後再起動が必要です。
    設定の保存と再起動をしますか ? (Y/N)
    
    ※「設定の保存と再起動をしますか ? (Y/N)」の質問に、「N」を選択した場合は、「設定は保存されませんでした。」と表示され、本機能は有効になりません。 設定の保存や再起動も行われません。
  3. APの再起動後、本機能が有効になります。

8.4. 設定例

[無線通信平滑機能の設定]

system name WLX402_0 
vlan-port-mode lan1:1 hybrid
vlan-id 1 1
vlan-access lan1:1 1
ip vlan-id 1 address 192.168.100.241/24
airlink ate use on                # (1)
airlink enable module1
airlink enable module2
airlink select 1
 airlink ssid WLX402_ATE 
 airlink vlan-id 1 
 airlink bind module1 module2
 airlink auth wpa2-psk aes
 airlink psk-key PASSWORD
airlink enable 1
certificate generate ca "WLX402 RADIUS"
schedule at 1 startup * ntpdate ntp.nict.jp syslog
schedule at 2 startup airlink module1 airlink channel change station-none exclude=none wait-time=5
schedule at 3 startup airlink module2 airlink channel change station-none exclude=none
wlan-controller role controller-ap
wlan-controller bind vlan auto
wlan-controller select 1
 airlink ate use on                # (2)
 airlink enable module1
 airlink enable module2
 airlink select 1
  airlink ssid WLX402_ATE 
  airlink vlan-id 1 
  airlink bind module1 module2
  airlink auth wpa2-psk aes
  airlink psk-key PASSWORD
 airlink enable 1
wlan-controller select 1 1
 wlan-controller member-ap 00:a0:de:c1:cf:d8 
 wlan-controller system name WLX402_0 
wlan-controller select 1 2
 wlan-controller member-ap 00:a0:de:c1:c5:d0 
 wlan-controller system name WLX402_1 
wlan-controller select 1 3
 wlan-controller member-ap ac:44:f2:30:05:00 
 wlan-controller system name WLX402_2 
wlan-controller select 1 4
 wlan-controller member-ap 00:a0:de:c1:d0:80 
 wlan-controller system name WLX402_3 
[ 解説 ]
  1. (1) AP本体の無線通信平滑機能を設定します。
  2. (2) グループの無線通信平滑機能設定を有効にします。

[EOF]