transix IPv4接続(DS-Lite)の設定手順

UTX100/UTX200でtransix (※) 回線(DS-Lite) を利用したIPv4 over IPv6 IPoE (ネイティブ方式) のインターネット接続設定手順について説明します。

(※) 「transix」はインターネットマルチフィード株式会社の登録商標です

  1. 注意事項/制限事項
  2. 事前準備
  3. インターネット接続設定(IPv4 over IPv6) ひかり電話契約あり(RA)
  4. インターネット接続設定(IPv4 over IPv6) ひかり電話契約あり(DHCPv6-PD)
  5. インターネット接続設定(IPv4 over IPv6) ひかり電話契約なし

※ UTX100、UTX200で同じ手順になります。以下の説明では「UTX」と称します。
※ GUIの画面は、ファームウェアバージョンR80.20.40 (992002701) のキャプチャーになります。


1. 注意事項/制限事項

IPv6 IPoE方式のインターネット接続に関する注意事項/制限事項です。


2. 事前準備

以降の設定は、機器の初期設定ウィザードが完了していることを想定しています。

2-1. IPv6機能の有効化

  1. Web GUIにログインし、[デバイス] > [システム操作] を開きます
  2. 【IPv6設定】項目にある【IPv6を有効にする】をクリックします
  3. 再起動の確認がありますので【OK】をクリックし、機器を再起動します
  4. 再起動完了後、再度Web GUIにログインします

2-2. 接続タイプの確認

IPv4 over IPv6をご利用になる環境は「ひかり回線の利用の有無」及び「通信方式の違い」で複数のパターンが存在します。インターネット接続を設定する前に、利用環境のインターネット回線をご確認ください。

ご利用中のインターネット契約/レンタル機器によって、インターネットの設定項目が異なりますのでご注意ください。また、接続タイプが不明の場合は、ご契約中のインターネットサービスプロバイダーにお問い合わせください。

2-3. インターネット接続タイプ=ひかり電話契約あり

ひかり電話を契約している場合は、ご利用中のホームゲートウェイ(HGW)機器の種類によって、HGW配下に設置するUTXのインターネット設定(WAN)のIPv6アドレスの取得方法が変わります。

2-3-1. ひかり電話契約あり(RA方式)

ひかり電話を契約していて、RA方式の場合の構成図になります。

transix網からDHCPv6-PDで /56 のプレフィックスがHGWに割り当てられ、HGWからはRAで /64 のプレフィックス(取得した /56 の先頭 /64)が広告されます。
LANインターフェースにはRAプロキシでIPv6アドレスが割り当てられます。

詳細の設定手順は「3. インターネット接続設定(IPv4 over IPv6) ひかり電話契約あり(RA方式)」をご確認ください。

2-3-2. ひかり電話契約あり(DHCPv6-PD方式)

ひかり電話を契約していて、DHCPv6-PD方式の場合の構成図になります。

transix網からDHCPv6-PDで /56 のプレフィックスが割り当てられ、HGWからはUTXのWANインターフェースにDHCPv6-PDで /60 のプレフィックスが割り当てられます。
LANインターフェースにはPD(Prefix Delegation:プレフィックス委任)でIPv6アドレスが割り当てられます。

詳細の設定手順は「4. インターネット接続設定(IPv4 over IPv6) ひかり電話契約あり(DHCPv6-PD方式)」をご確認ください。

2-4. インターネット接続タイプ=ひかり電話契約なし

ひかり電話契約がない環境では、直接フレッツ光NGN網からRAでアドレスが広告されます。

2-5. 接続方式がわからないとき

ひかり電話の契約をしているが、利用しているホームゲートウェイが【RA】/【DHCPv6-PD】どちらに対応しているかが分からない時は、UTXのIPv6インターネット接続設定の接続ステータスにより判別することも可能です。

[確認手順]

[DHCPv6-PD]のIPv6インターネット接続設定を行い、下記条件に一致するかを確認します。

※ [DHCPv6-PD]の設定手順は「4. インターネット接続設定(IPv4 over IPv6) ひかり電話契約あり(DHCPv6-PD)」をご確認ください。

このとき、[ログ&モニタリング] > [システムログ] を確認すると、”[DHCP] Server returned code: No Prefix Available”と表示され、利用可能なプレフィックスがないことが分かります。このメッセージが出力されていると、利用環境は[DHCPv6-PD]方式に対応しておらず、[RA]方式である可能性があります。


3. インターネット接続設定(IPv4 over IPv6) ひかり電話契約あり(RA方式)

ひかり電話を契約していて、ご利用のホームゲートウェイ(HGW)機器が[RA]でLAN側機器にIPv6アドレスを配布している場合の構成です。

3-1. ひかり電話契約ありの構成(RA方式)

3-1-1. RAの設定手順

  1. Web GUIにログインし、[デバイス] > [インターネット] を開き、IPv6欄の「インターネット設定」を開きます
  2. 接続するインターフェースを選択し(規定はWAN)、接続タイプが【自動取得(DHCPv6/SLAAC)】であることを確認します
  3. 【詳細】タブに移動し、以下の設定をします
  4. 設定完了後に【適用】をクリックします
  5. HGWとUTXのWANを接続し、IPv6インターネットが接続状態になったことを確認します
  6. Web GUIの [デバイス] > [ローカルネットワーク] を開き、 LAN1_Switchの[ローカルIPv6アドレス]に、グローバルIPアドレスが自動的に割り当てられていることを確認します

3-1-2. DS-Liteを利用したIPv4 over IPv6インターネット接続の設定手順

  1. Web GUIの [デバイス] > [インターネット] を開き、インターネット接続欄にある【インターネット設定】を開きます
  2. 接続するインターフェースを選択し(規定はWAN) 、接続タイプに【Dual-Stack Lite(DS-Lite)】を選択します
  3. 【リンク接続】には、IPv6インターネット接続で設定した接続名を選択します

    ※ 本書では【Internet1】としています

  4. 【AFTR アドレス】には、ご利用のプロバイダが指定しているDS-Lite接続用のAFTRアドレスを入力します

    ※ 本書では【transix】サービスを利用しているため、AFTRアドレスに【gw.transix.jp】と入力します
    ※ DNSサーバ設定の入力は必要ありません

  5. 設定完了後、【適用】をクリックします
  6. IPv4インターネット接続にDS-Lite接続が接続状態になったことを確認します

以上で、【ひかり電話契約あり(RA方式)】構成でのIPv6 IPoE (IPv4 over IPv6)インターネット接続とLANインターフェースのIPv6設定は完了です。

IPv6が有効になっているクライアントPCを接続し、ネットワーク接続/ipconfigコマンド等でクライアントがIPv6アドレスを取得できていることを確認します。

3-1-3. 動作確認

実際にIPv4/IPv6接続テスト用サイトにアクセスし、IPv4/IPv6接続が正常にできているか確認してください。

テストサイト例: https://ipv6-test.com

[IPv4 Connectivity][IPv6 Connectivity]がそれぞれ「Supported」と表示されていれば、正常にIPv4/IPv6接続ができています。

※ [IPv6 Connectivity]のタイプが「Native IPv6」となっていて、IPv6によるネイティブ方式(IPoE)接続ができていることが分かります


4. インターネット接続設定(IPv4 over IPv6) ひかり電話契約あり(DHCPv6-PD方式)

ひかり電話を契約していて、ご利用のホームゲートウェイ(HGW)機器が[DHCPv6-PD]でLAN側機器にIPv6アドレスを配布している場合の構成です。

4-1. ひかり電話契約ありの構成(DHCPv6-PD方式)

4-1-1. DHCPv6-PDの設定手順

  1. Web GUIにログインし、[デバイス] > [インターネット] メニューを開き、IPv6欄の【インターネット設定】を開きます
  2. 接続するインターフェースを選択し(規定はWAN) し、接続タイプが【自動取得(DHCPv6/SLAAC)】であることを確認します
  3. 【詳細】タブに移動し、以下の設定をします
  4. 設定完了後、【適用】をクリックします
  5. HGWとUTXを接続し、IPv6インターネットが接続状態になったことを確認します

4-1-2. DS-Liteを利用したIPv4 over IPv6インターネット接続の設定手順

  1. Web GUIの [デバイス] > [インターネット]を開き、インターネット接続欄にある【インターネット設定】を開きます
  2. 接続するインターフェースを選択し(規定はWAN) し、接続タイプに【Dual-Stack Lite(DS-Lite)】を選択します
  3. 【リンク接続】には、IPv6インターネット接続で設定した接続名を選択します

    ※ 本書では【Internet1】としています

  4. 【AFTR アドレス】には、ご利用のプロバイダが指定しているDS-Lite接続用のAFTRアドレスを入力します

    ※ 本書では【transix】サービスを利用しているため、AFTRアドレスに【gw.transix.jp】と入力します
    ※ DNSサーバ設定の入力は必要ありません

  5. 設定完了後、【適用】をクリックします
  6. IPv4インターネット接続にDS-Lite接続が接続状態になったことを確認します

4-1-3. IPv6アドレスの設定手順

次に、ローカルLANインターフェースにIPv6アドレスの設定を行います。

  1. Web GUIの [デバイス] > [ローカルネットワーク] を開き、IPv6アドレスを割り当てるインターフェースを選択後、【編集】をクリックします

    ※ 本書では【LAN1_Switch】を使って説明しています

  2. 【詳細】タブを開き、[IPv6の詳細設定] > [プレフィックス委任]内にある【プレフィックス委任を有効にする】にチェックを入れ、[インターネット接続]にIPv6インターネット接続で設定した接続名を選択します

    ※ 本書では【Internet1】としています
    ※ [サブネット][サブネットプレフィックスの長さ]欄は空白で問題ありません(この欄が空白の場合、自動的に利用可能なプレフィックス内のサブネットが生成されます)

  3. 設定完了後、【適用】をクリックします

    ※ 本書では、LANのクライアントに対してはSLAACでIPV6アドレスを配布する設定となっています

  4. LAN1_Switchの[ローカルIPv6アドレス]にグローバルIPアドレスが割り当てられたことを確認します

以上で、【ひかり電話契約あり(DHCPv6-PD)】構成でのIPv6 IPoE (IPv4 over IPv6)インターネット接続とLANインターフェースのIPv6設定は完了です。

IPv6が有効になっているクライアントPCを接続し、ネットワーク接続/ipconfigコマンド等でクライアントがIPv6アドレスを取得できていることを確認します。

4-1-4. 動作確認

実際にIPv4/IPv6接続テスト用サイトにアクセスし、IPv4/IPv6接続が正常にできているか確認してください。

テストサイト例: https://ipv6-test.com

[IPv4 Connectivity][IPv6 Connectivity]がそれぞれ「Supported」と表示されていれば、正常にIPv4/IPv6接続ができています。

※ [IPv6 Connectivity]のタイプが「Native IPv6」となっていて、IPv6によるネイティブ方式(IPoE)接続ができていることが分かります


5. インターネット接続設定(IPv4 over IPv6) ひかり電話契約なし(RA方式)

ひかり電話を契約していない場合は、直接フレッツ光NGN網からRAでアドレスが広告されます。

5-1. ひかり電話契約なしの構成

5-1-1. RAの設定手順

  1. Web GUIにログインし、[デバイス] > [インターネット] を開き、IPv6欄の【インターネット設定】を開きます
  2. 接続するインターフェースを選択し(規定はWAN)、接続タイプが【自動取得(DHCPv6/SLAAC)】であることを確認します
  3. 設定完了後に【適用】をクリックします
  4. ONUとUTXのWANを接続し、IPv6インターネットが接続状態になったことを確認します
  5. Web GUIの [デバイス] > [ローカルネットワーク] を開き、LAN1_Switchの[ローカルIPv6アドレス]に、グローバルIPアドレスが自動的に割り当てられていることを確認します

5-1-2. DS-Liteを利用したIPv4 over IPv6インターネット接続の設定手順

  1. Web GUIの [デバイス] > [インターネット] を開き、インターネット接続欄にある【インターネット設定】を開きます
  2. 接続するインターフェースを選択し(規定はWAN)、接続タイプに【Dual-Stack Lite(DS-Lite)】を選択します
  3. 【リンク接続】には、IPv6インターネット接続で設定した接続名を選択します

    ※ 本書では【Internet1】としています

  4. 【AFTR アドレス】には、ご利用のプロバイダが指定しているDS-Lite接続用のAFTRアドレスを入力します

    ※ 本書では【transix】サービスを利用しているため、AFTRアドレスに【gw.transix.jp】と入力します
    ※ DNSサーバ設定の入力は必要ありません

  5. 設定完了後、【適用】をクリックします
  6. IPv4インターネット接続にDS-Lite接続が接続状態になったことを確認します

以上で、【ひかり電話契約なし(RA)】構成でのIPv6 IPoE (IPv4 over IPv6)インターネット接続とLANインターフェースのIPv6設定は完了です。

IPv6が有効になっているクライアントPCを接続し、ネットワーク接続/ipconfigコマンド等でクライアントがIPv6アドレスを取得できていることを確認します。

5-1-3. 動作確認

実際にIPv4/IPv6接続テスト用サイトにアクセスし、IPv4/IPv6接続が正常にできているか確認してください。

テストサイト例: https://ipv6-test.com

[IPv4 Connectivity][IPv6 Connectivity]がそれぞれ「Supported」と表示されていれば、正常にIPv4/IPv6接続ができています。

※ [IPv6 Connectivity]のタイプが「Native IPv6」となっていて、IPv6によるネイティブ方式(IPoE)接続ができていることが分かります


[EOF]