Smart Accel設定ガイド

Smart Accel機能を利用するための手順について説明します。

  1. Smart Accelについて
  2. Smart Accelの基本設定
  3. 注意事項
  4. 「ポリシーのバイパス」を利用する
  5. 備考

※ UTX100、UTX200で同じ手順になります。以下の説明では「UTX」と称します。
※ GUIの画面は、ファームウェアバージョンR81.10.08 (996001683) のキャプチャーになります。


1. Smart Accelについて

Smart Accelとは、事前に定義した信頼性の高い通信に対して、すべてのセキュリティー検査をバイパスさせる機能です。 本機能を有効にすることで、脅威対策スループットを最大約 30% 向上させることが可能です。

Smart Accelは、次の2つの基準で動作対象を設定できます。

  1. アプリケーション単位

    通信をアプリケーション単位で判別し、信頼性の高いものとして指定したアプリケーションの通信に対するセキュリティー検査をバイパスさせます。対象となるアプリケーションは「Smart Accel対象アプリケーション一覧」を参照してください。

    バイパス対象として指定できるのは事前定義されたアプリケーションのみで、その他のアプリケーションやURL、ドメインを指定することはできません。

  2. デバイス単位(除外指定)

    指定したMACアドレスや「アセットタイプ(※)」を基準として、指定したデバイスをSmart Accelの対象から除外します。除外対象となったデバイスからの通信は、宛先を問わずすべてファイアウォールポリシーで処理されます。

    (※) アセットタイプについて
    UTXでは、通信しているデバイスの種類を区別しています。例えば「コンピューター」「iPhone」「IPカメラ」など、様々なデバイスの種類が事前定義されています。このデバイスの種類をSmart Accelでは「アセットタイプ」と呼びます。

特記事項

Smart Accel対象アプリケーション一覧

カテゴリ Corporate Services Media Streaming Services Monitoring Services Social Media services Web Conferences
アプリケーション
Apple Amazon Prime Speed Test Facebook Google Meet
Check Point services Disney Plus TikTok Skype and Microsoft Teams
Google services Netflix WebEx
Microsoft Updates Spotify Zoom
YouTube

2. Smart Accelの基本設定

Smart Accel機能の有効/無効化する手順は以下になります。

  1. Web GUIの[アクセスポリシー]-[Smart Accel]メニューを開きます
  2. 「Smart Accelサービス」のトグルスイッチで "オン"/"オフ" を切り替えます

バイパス対象のアプリケーションを追加、または削除したい場合は、下記の手順で変更します。

  1. [Smart Accel]メニューで「サービス」をクリックします
  2. バイパス対象外にしたいアプリケーションのチェックを外します
    バイパス対象にしたいアプリケーションにはチェックを入れます

    ※ カテゴリ単位での有効/無効化も可能です

  3. 「適用」をクリックします

対象アプリケーションの一覧は「Smart Accel対象アプリケーション一覧」を参照してください。


3. 注意事項

Smart Accel機能を利用する際は、以下の点に注意してください。

Smart Accelが有効な時のセキュリティー機能制限

Smart Accelの対象となっているアプリケーションやカテゴリは、すべてのセキュリティー機能からバイパスされます。そのため、Smart Accelの対象に設定したアプリケーションやカテゴリには次のような制限が掛かります。

例えば、ZoomがSmart Accelでバイパス対象となっている時、「Zoom」や「Web Conferenceカテゴリ」を使用したファイアウォールポリシーを作成することはできません。
※ 追加しようとすると以下のようなエラーが発生します

バイパス対象のアプリケーションでファイアウォールポリシーを作成したい場合は、先にそのアプリケーション/カテゴリをSmart Accelの対象から削除してください。

既存のセキュリティー設定とSmart Accelとの競合

Smart Accelの対象アプリケーション/カテゴリ(「Smart Accel対象アプリケーション一覧」参照)を指定したファイアウォールポリシーが設定されている場合、Smart Accel機能を有効化することはできません。同様に、対象アプリケーション/カテゴリが Application Controlでブロック対象になっている場合、Smart Accel機能を有効化することはできません。

また、上記の状態のままWeb GUI上で有効化の操作を行うと、画面表示上は『オン』と表示されますが、実際には『オフ』のままとなっています。
※ 別画面に遷移し、再度Smart Accelメニューを開くと、設定値が『オフ』に戻っています

Smart Accelを有効化したい場合、次のどちらかの作業を実施してください。

いずれかの作業を実施すると、Smart Accelを有効化できるようになります。
※ ポリシーの無効化を行ってもSmart Accelは有効化できません

「R80.20.xx」からアップグレードした時のSmart Accel設定

「R80.20.xx」から「R81.10.xx」へアップグレードした場合、Smart Accelは自動的に有効になります。しかし、以下の条件に該当する時は、「R81.10.xx」へアップグレードした後、Smart Accel機能は無効になっています。

アップグレード後に有効化を手動で行う際には、条件に当てはまるポリシーをすべて削除する必要があります。詳細は、「既存のセキュリティ設定とSmart Accelとの競合」を参照してください。


4. 「ポリシーのバイパス」を利用する

「ポリシーのバイパス」設定を使うと、接続デバイスのMACアドレスやアセットごとにSmart Accelの対象から除外することができます。「ポリシーのバイパス」設定の対象となったデバイスはすべての通信がSmart Accelで処理されず、ファイアウォールポリシーで処理されます。

「ポリシーのバイパス」を有効化する手順は以下になります。

  1. Web GUIの[アクセスポリシー]-[Smart Accel]メニューを開きます
  2. 「ポリシーのバイパス」をクリックし、「ポリシーのバイパス」メニューを表示させます
  3. 「ポリシーのバイパス」のトグルスイッチをクリックし、"オン" に切り替えます

Smart Accelからのバイパス対象をMACアドレスで指定する手順は以下になります。事前に、上記手順に従い「ポリシーのバイパス」を有効化してください。

  1. [ユーザ&オブジェクト]-[ネットワークオブジェクト]メニューを開きます
  2. 「新規」をクリックします
  3. 「新しいネットワークオブジェクト」が表示されるため、各項目を設定します
    タイプデバイス
    ホストのMACアドレス(デバイスの MACアドレス)
    このMACのホストをポリシーでバイパス有効
    このMACのホストをSSLインスペクションでバイパス無効
    オブジェクト名任意 ※必須
    カスタムのハードウェア名を使用する無効
  4. 「適用」をクリックします
  5. [アクセスポリシー]-[Smart Accel]メニューを開きます
  6. 「ポリシーのバイパス」をクリックし、「ポリシーのバイパス」メニューを表示させます
  7. 「MACによるバイパス」をクリックします
  8. 「アクティブなデバイス」メニューで追加したネットワークオブジェクトのデバイスが表示されていれば設定は完了です

Smart Accelからのバイパス対象をアセット単位で指定する手順は以下になります。

  1. 「ポリシーのバイパス」をクリックし、「ポリシーのバイパス」メニューを表示させます
  2. 「アセット」をクリックします
  3. 「アセットタイプ」から、バイパス対象にしたいアセットにチェックを入れます
  4. 「適用」をクリックします

デバイスのアセットタイプは、以下の手順で確認することができます。

  1. [ログ & モニタリング]-[アクティブなデバイス]メニューを開きます
  2. 確認したいデバイスをクリックします
  3. 「詳細…」をクリックします
  4. 「デバイス タイプ」に書かれている項目が、そのデバイスのアセットタイプです

5. 備考

Smart Accelとレポートのトラフィック統計の関係について


[EOF]