DHCPサーバー


1 機能概要

DHCPサーバー機能では、DHCPクライアントに対し、IPv4アドレスの割り当て(リース)を行います。
オプションによって、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーの情報等も通知できます。


2 用語の定義

特になし


3 機能詳細

DHCPサーバー機能の動作仕様について以下に示します。

  1. 本製品のDHCPサーバー機能は、システム全体の有効、無効制御に加え、インターフェースごとに有効、無効制御が行えます。
    インターフェースでDHCPサーバー機能を動作させる場合は、システム全体の設定が有効になっている必要があります。
  2. DHCPサーバー機能の初期設定は、以下のようになっています。(初期状態では機能していません)
  3. インターフェースへのDHCPサーバー機能の設定は、VLANインターフェース に対して行います。
  4. DHCPクライアントに配布する情報は、DHCPプールで決定されます。
  5. DHCPプールには、以下の設定を行うことができます。
  6. 割り当てるIPアドレスには、DHCPプールに指定したネットワーク内のアドレスを指定します。
    DHCPプールのネットワーク部の指定は以下のように行います。
  7. 特定のクライアントに割り当てるIPアドレスは、 bind host コマンドで設定できます。
  8. DHCPサーバーの起動が完了したとき、以下のログがdebugレベルで出力されます。
  9. DHCPサーバーは Option 82 が付与されたパケットを受信したとき、remote-id、circuit-id、subscriber-id に基づいて、配布する IP アドレス等を設定できます。
  10. ユーザー定義のDHCPオプションには、以下を使用することができます。

4 関連コマンド

関連コマンドについて、以下に示します。
コマンドの詳細は、コマンドリファレンスを参照願います。


5 コマンド実行例

5.1 DHCPサーバー設定

vlan1でDHCPサーバーが動作するようにします。
DHCPクライアントは、VLANインターフェースと同じネットワークに存在しているものとします。
vlan1のIPアドレスは「192.168.100.240/24」とし、配布するアドレスの範囲は「192.168.100.2-192.168.100.191/24」とします。

  1. vlan1のIPアドレス「192.168.100.240/24」を設定します。
    Yamaha(config)# interface vlan1
    Yamaha(config-if)# ip address 192.168.100.240/24
    
  2. DHCPプール「pool_vlan1」を作成します。
    Yamaha(config)# dhcp pool pool_vlan1
    Yamaha(config-dhcp)# ... (DHCPモードへ移行)
    
  3. vlan1のネットワーク部「192.168.100.0/24」をDHCPプールに設定します。
    Yamaha(config-dhcp)# network 192.168.100.0/24
    
  4. 配布するアドレスの範囲「192.168.100.2-192.168.100.191」をDHCPプールに設定します。
    Yamaha(config-dhcp)# range 192.168.100.2 192.168.100.191
    
  5. DHCPのオプションで通知するデフォルトゲートウェイと、DNSサーバーをDHCPプールに設定します。
    Yamaha(config-dhcp)# default-router 192.168.100.240 ... (デフォルトゲートウェイのアドレスは、192.168.100.240(自分自身))
    Yamaha(config-dhcp)# dns-server 192.168.100.1       ... (DNSサーバーのアドレスは、192.168.100.1)
    
  6. vlan1にて、DHCPサーバー機能を動作させます。
    Yamaha(config-dhcp)# exit             ... (DHCPモード終了)
    Yamaha(config)# interface vlan1       ... (インターフェースモード vlan1へ移行)
    Yamaha(config-if)# dhcp-server enable ... (インターフェースのDHCPサーバー機能有効)
    
  7. システム全体のDHCPサーバー機能を動作させます。
    Yamaha(config-dhcp)# exit          ... (インターフェースモード終了)
    Yamaha(config)# dhcp-server enable ... (システム全体のDHCPサーバー機能有効)
    

5.2 DHCPサーバー Option 82 についての設定

DHCPクライアントは、VLANインターフェースと同じネットワークに存在しているものとします。
vlan1のIPアドレスは「192.168.100.240/24」とし、配布するアドレスの範囲は「192.168.100.2-192.168.100.191/24」とします。
受信したパケットの Option 82 の remote-id が、「Customer_A」の設定と一致した場合、「192.168.100.200-192.168.100.210/24」から配布するようにします。

  1. vlan1のIPアドレス「192.168.100.240/24」を設定します。
    Yamaha(config)# interface vlan1
    Yamaha(config-if)# ip address 192.168.100.240/24
    
  2. DHCPクラス「Customer_A」を作成します。
    Yamaha(config)# dhcp class Customer_A
    Yamaha(config-dhcp-class)# ... (DHCPクラスモードへ移行)
    
  3. 対象のDHCPクラスにremote-idを設定します。
    Yamaha(config-dhcp-class)#remote-id 00:06:ac:44:f2:00:00:01
    
  4. DHCPプール「pool1」を作成します。
    Yamaha(config)# dhcp pool pool1
    Yamaha(config-dhcp)# ... (DHCPモードへ移行)
    
  5. vlan1のネットワーク部「192.168.100.0/24」をDHCPプールに設定します。
    Yamaha(config-dhcp)# network 192.168.100.0/24
    
  6. 配布するアドレスの範囲「192.168.100.2-192.168.100.191」をDHCPプールに設定します。
    Yamaha(config-dhcp)# range 192.168.100.2 192.168.100.191
    
  7. DHCPプール「pool1」の中に、 dhcp class コマンドで設定したクラス「Customer_A」を適用します。
    Yamaha(config-dhcp)#dhcp pool class Customer_A
    Yamaha(config-dhcp-pool-class)# ... (DHCPプールクラスモードへ移行)
    
  8. 「Customer_A」に対して、割り当てるIPアドレスの範囲を設定します。
    Yamaha(config-dhcp-pool-class)#range 192.168.100.200 192.168.100.210
    
  9. 「Customer_A」に対して、DHCPのオプションで通知するデフォルトゲートウェイと、DNSサーバーをDHCPプールクラスに設定します。
    Yamaha(config-dhcp-pool-class)#default-router 192.168.100.220 ...(デフォルトゲートウェイのアドレスは、192.168.100.220)
    Yamaha(config-dhcp-pool-class)#dns-server 192.168.100.230     ...(DNSサーバーのアドレスは、192.168.100.230)
    
  10. vlan1にて、DHCPサーバー機能を動作させます。
    Yamaha(config-dhcp-pool-class)# exit  ... (DHCPプールクラスモード終了)
    Yamaha(config-dhcp)# exit             ... (DHCPモード終了)
    Yamaha(config)# interface vlan1       ... (インターフェースモード vlan1へ移行)
    Yamaha(config-if)# dhcp-server enable ... (インターフェースのDHCPサーバー機能有効)
    
  11. システム全体のDHCPサーバー機能を動作させます。
    Yamaha(config-dhcp)# exit          ... (インターフェースモード終了)
    Yamaha(config)# dhcp-server enable ... (システム全体のDHCPサーバー機能有効)
    


6 注意事項


7 関連文書

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