システム自己診断


1 機能概要

本製品は、システムの自己診断機能を提供します。

システム自己診断機能では次のような異常を検出できます。


2 用語の定義

RTC(Real-Time Clock)

時刻を管理するデバイス。

PoEコントローラー

PoE(Power over Ethernet)を制御するためのデバイス。

PSE(Power Sourcing Equipment)

給電機器。本ページではPoEコントローラーと同義。

パケットプロセッサー

パケットを処理するためのデバイス。


3 機能詳細

3.1 診断

システム自己診断機能は、診断を実行するタイミングによってブートアップ診断、オンデマンド診断、ヘルスモニタリング診断に分類できます。
各診断の特徴を以下に示します。

各診断では複数のテストを実行します。各診断で実行するテスト項目を以下に示します。
各テスト項目の詳細は 4. テスト詳細 を参照してください。

テスト項目 ブートアップ診断 オンデマンド診断 ヘルスモニタリング診断
Loading Test
RTC Test
Packet Processor Test
PHY Test
Thermal Test
Fan Test
Thermal Sensor Test
PoE Test
SFP Test

3.2 診断結果表示

診断結果は show system-diagnostics コマンドで確認できます。
オンデマンド診断は実行後に自動でシステムを再起動しますが、再起動後に診断結果を確認できます。

3.3 オンデマンド診断結果削除

オンデマンド診断結果を削除したい場合は clear system-diagnostics on-demand コマンドで削除できます。


4 テスト詳細

各テスト項目の詳細を以下に示します。

4.1 Loading Test

ソフトウェアモジュールのロード状態を検証します。
すべてのモジュールのロードに成功した場合はPass、一つでもロードに失敗した場合はFailとします。

show system-diagnostics コマンドではロードに失敗したモジュールの情報は表示しません。
ロードに失敗したモジュールを特定したい場合は show logging コマンドで下記のログを探してください。※ XXXX 部分にはモジュール名が入ります。

[   HAMON]:err: An unexpected error has occurred. (XXXX deamon)

4.2 RTC Test

RTCのレジスタへのアクセスを検証します。
RTCから時刻を2回取得し、時刻が変化していたらPass、同じならFailとします。
また、RTCの時刻取得(レジスタ読み込み)に失敗した場合もFailとします。

4.3 Packet Processor Test

パケットプロセッサーのレジスタへのアクセスを検証します。
パケットプロセッサーのレジスタに対して書き込んだ値と読み込んだ値が一致したらPass、不一致ならFailとします。
また、レジスタアクセスに失敗した場合もFailとします。

4.4 PHY Test

PHYのレジスタへのアクセスを検証します。
PHYのレジスタに対して書き込んだ値と読み込んだ値が一致したらPass、不一致ならFailとします。
また、レジスタアクセスに失敗した場合もFailとします。

4.5 Thermal Test

CPU、PHY、SFPモジュール、温度センサー(筐体)、PSEの温度を監視します。
温度がしきい値を超えたときに警告します。

4.6 Fan Test

ファンの回転数を監視します。
ファンの回転が停止したとき、回転速度が上がったときに警告します。

4.7 Thermal Sensor Test

温度センサーを監視します。
温度センサーの異常を検出したときに警告します。

4.8 PoE Test

PoEの給電状態を監視します。
PoE給電制御で異常が発生したときに警告します。

4.9 SFP Test

SFPモジュールの受光レベルを監視します。
受光レベルが一定範囲外になったときに警告します。


5 関連コマンド

関連コマンドについて、以下に示します。
コマンドの詳細は、コマンドリファレンスを参照願います。



6 コマンド実行例

6.1 システム自己診断結果の表示

  1. システム自己診断結果を確認します。
    Yamaha#show system-diagnostics
    Test results: (P = Pass, F = Fail, U = Untested, N = Normal, W = Warning)
    
    - Bootup
      Loading Test: Pass
    
      RTC Test: Pass
    
      Packet Processor Test: Pass
    
    - On-demand
    Last on-demand diagnostics information:
     Date     : 2021/07/07 09:00:00 +09:00
     BootROM  : Ver.1.01
     Firmware : Rev.2.02.23
    
      PHY Test:
        Port   1   2   3   4   5   6   7   8   9  10  11  12  13  14  15  16
        --------------------------------------------------------------------
               P   P   P   P   P   P   P   P   P   P   P   P   P   P   P   P
    
        Port  17  18
        ------------
               P   P
    
    - Health monitoring
      Thermal Test:
        CPU: Normal, PHY: Normal, SFP: Normal, TS: Normal, PSE: Normal
    
      Fan Test: Normal
    
      Thermal Sensor Test: Normal
    
      PoE Test:
        Port   1   2   3   4   5   6   7   8   9  10  11  12  13  14  15  16
        --------------------------------------------------------------------
               N   N   N   N   N   N   N   N   N   N   N   N   N   N   N   N
    
      SFP Test:
        Port  17  18
        ------------
               N   N
    
    

6.2 オンデマンド診断の実行

  1. オンデマンド診断を実行します。
    Yamaha#system-diagnostics on-demand execute
    The system will be rebooted after diagnostics. Continue ? (y/n) y
    on-demand diagnostics completed (pass). reboot immediately...
    

6.3 オンデマンド診断結果の削除

  1. オンデマンド診断結果を削除します。
    Yamaha#clear system-diagnostics on-demand
    



7 注意事項


8 関連文書

特になし


トップへ戻る