Dante最適設定機能


1 機能概要

Dante最適設定機能とは、デジタルオーディオネットワーク「Dante」に最適な環境を簡単に設定するための機能です。
QoSの設定、IGMPスヌーピングの設定、フロー制御の無効化設定、EEEの無効化設定などをユーザーが簡単に設定できます。

Dante最適設定機能で設定される項目は以下です。

設定対象 機能 コマンド
システム全体 フロー制御を無効 flowcontrol disable
QoSを有効 qos enable
DSCP値による送信キューの最適化 qos dscp-queue
VLANインターフェース IGMPスヌーピングを有効 ip igmp snooping enable
IGMPクエリー送信機能を有効 ip igmp snooping querier
IGMPクエリー送信間隔の設定 ip igmp snooping query-interval
IGMPパケットのTTL値検証機能を無効 ip igmp snooping check ttl disable
LAN/SFPポート QoSトラストモードをDSCPに設定 qos trust dscp
フロー制御を無効 flowcontrol disable
EEEを無効 eee disable

なお、Dante最適設定機能は、スイッチとしての基本的な設定(VLANやIPなど)をすべて行った上で使用してください。
新たに設定変更をした場合、Dante最適設定は追従しません。


2 用語の定義



3 機能詳細

本機能では、LLDPによる自動最適設定の動作を提供します。

3.1 LLDPによる自動最適設定

ヤマハの特定のDante対応機器から特別なLLDPフレームを受信することで、「Dante」を利用する上での最適な設定を自動的に反映させることができます。

LLDPによる自動最適設定は、 lldp auto-setting コマンドで設定します。
本製品の初期設定では、LLDPによる自動最適設定は 無効 です。

ヤマハの特定のDante対応機器は、以下の内容が含まれるヤマハ独自のLLDPフレームを送信します。

本機能が有効、かつ、該当するLLDPフレームを受信した場合、running-configに対して、以下の設定を自動的に反映します。


copy running-config startup-config コマンドや write コマンドで保存すると、次回以降の起動時に使用する startup-config へも反映されます。

自動最適設定後に機器が接続されたポートをリンクダウンしても自動的に追加された設定はそのまま保持されます。

本機能は物理インターフェース (LAN/SFPポート) のみで利用できます。リンクアグリゲーション論理インターフェースでは利用できません。
トランクポートは適用対象外です。

本機能を使用するためには、LLDPフレームを受信できるようにする必要があります。
そのため、事前に以下を設定してください。

本製品の初期設定では、LLDPフレームの送受信は 無効 です。


4 関連コマンド

関連コマンドについて、以下に示します。
コマンドの詳細は、コマンドリファレンスを参照願います。



5 コマンド実行例

5.1 LLDPによる自動最適設定

LLDPによる自動最適設定を有効にします。
port1.1でLLDPの送受信ができるようにします。

Yamaha#configure terminal
Yamaha(config)#interface port1.1
Yamaha(config-if)#lldp-agent ... (LLDPエージェントの作成、モード遷移)
Yamaha(lldp-agent)#set lldp enable txrx ... (LLDP送受信モードの設定)
Yamaha(lldp-agent)#exit
Yamaha(config-if)#exit
Yamaha(config)#lldp run ... (LLDP機能の有効化)
Yamaha(config)#lldp auto-setting enable ... (LLDPによる自動最適設定の有効化)




6 注意事項



7 関連文書


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