本L2スイッチのインターフェース基本機能について説明します。
特になし
本L2スイッチでは、下表の5種類のインターフェースを扱います。
インターフェースの種類 | インターフェースID | 説 明 |
---|---|---|
LANポート | ge | 本L2スイッチの物理ポート。 固定のLANポートと取り外し可能なSFPポートの2種類があります。 本インターフェースは、 ge に続けて筐体に印刷されているポート番号で表現します。 LANポート#1の指定: ge1 |
SFPポート | ||
VLANインターフェース | vlan | ユーザーが定義したVLAN。 本インターフェースは、 vlan に続けて "ブリッジID(0固定)" + "." + "VLAN ID" で表現します。 VLAN1の指定: vlan0.1 |
スタティック論理インターフェース | sa | ユーザーが定義したリンクアグリゲーション。 複数のLAN/SFPポートを束ねて1つのインターフェースとして使用することができます。 本インターフェースは、 sa または po に続けて "論理リンクID" で表現します。 論理リンクID #1のLACP論理インターフェースの指定:po1 |
LACP論理インターフェース | po |
本L2スイッチでは、インターフェースに対して下表の制御を行うことができます。
制御項目 | コマンド | 説 明 |
---|---|---|
説明文の設定 | description | インターフェースに対して説明文を設定します。 |
有効化 / 無効化 | shutdown | インターフェースを有効化 / 無効化します。 |
通信速度/通信モード | speed-duplex | インターフェースの通信速度と通信モードを設定します。(以下から選択します。) ・オートネゴシエーション ・1000Mbps / 全二重 ・100Mbps / 全二重 ・100Mbps / 半二重 ・10Mbps / 全二重 ・10Mbps / 半二重 |
MRU | mru | インターフェースで受信可能な最大フレームサイズを 64~ 10,240 Byte の範囲で設定します。 |
クロス/ストレート自動判別 (Auto MDI/MDI-X機能) |
mdix | 接続先のポートタイプ(MDI or MDI-X)を自動判別し、ケーブルの種別(クロス or ストレート)に 依存することなく相互接続できるようにする機能です。 |
速度ダウンシフト | - | 1000BASE-Tで使用できないLANケーブルが接続された時に、自動で速度を落としてリンクを試みる機能です。 本機能は、LANポートに対して常に有効となっています。(無効にすることはできません) |
EEE | power | Ethernet向け省電力技術 (EEE: Energy Efficient Ethernet) を使用するかどうかを設定します。 IEEE 802.3az として標準化されています。 |
インターフェースに対するコマンド制御は、下表のようになっています。
インターフェース名 | 説明文の設定 | 有効化 / 無効化 | 通信速度/通信モード | MRU | クロス/ストレート自動判別 | EEE |
---|---|---|---|---|---|---|
LANポート | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
SFPポート | ○ | ○ | ○(*1) | ○ | × | × |
VLANインターフェース | ○ | × | × | × | × | × |
スタティック論理インターフェース | ○ | ○ | × | × | × | × |
LACP論理インターフェース | ○ | ○ | × | × | × | × |
*1 : SFPポートに対する通信速度/通信モードの設定は、 オートネゴシエーション か 1000Mbps / 全二重 のどちらかになります。
本L2スイッチのLAN/SFPは、初期状態でL2スイッチとして機能させるために、以下のようになっています。
本L2スイッチは、任意のLAN/SFPポートのトラフィックを、指定したポートにコピーするポートミラーリング機能を提供します。
コピーされたパケットを採取することで通信状況の解析を行うことができます。
本L2スイッチでは、ミラーポートの設定を1つすることができ、ミラーポートに対してそれ以外のすべてのLAN/SFPポートをモニターポートとして、割り付けることが可能です。
また、モニターポートに対しては、監視方向(送受信・送信のみ・受信のみ)を選択することが可能です。
ポートミラーリングの設定は、mirrorコマンドで行うことができます。
初期設定では、ミラーポートの設定は無効となっています。
本L2スイッチは、LAN/SFPポートごとに送受信したフレーム数をカウントしています。(これをフレームカウンターといいます)
フレームカウンターの参照は、show frame counterコマンドで行います。
下表にフレームカウンタの表示項目とその最大値を示します。
表示項目 | 説 明 | 最大値 |
---|---|---|
Octets | 受信オクテット数 | 18,446,744,073,709,551,615 |
Packets (*1) | 受信パケット数 | 34,359,738,360 |
Broadcast packets (*2) | ブロードキャストパケット受信数 | 4,294,967,295 |
Multicast packets (*2) | マルチキャストパケット受信数 | 4,294,967,295 |
Unicast packets (*2) | ユニキャストパケット受信数 | 4,294,967,295 |
Undersize packets (*2) | アンダーサイズパケット受信数 (64オクテット未満のパケット) |
4,294,967,295 |
Oversize packets (*2) | オーバーサイズパケット受信数 (1,523オクテット以上のパケット (*3)) |
4,294,967,295 |
Fragments (*2) | フラグメントパケット受信数 (64オクテット未満でCRCが異常であるパケット) |
4,294,967,295 |
Jabbers (*2) | ジャバーパケット受信数 (1,523オクテット以上でCRCが異常であるパケット (*3)) |
4,294,967,295 |
FCS errors (*2) | FCSエラーパケット受信数 | 4,294,967,295 |
RX errors | 受信エラー数 | 4,294,967,295 |
(*1) : Packetsは (*2) のパケットを合計した値になります。
(*3) : LAN/SFPポートに設定した MRU に依存し、変動します。
表示項目 | 説 明 | 最大値 |
---|---|---|
Octets | 送信オクテット数 | 18,446,744,073,709,551,615 |
Packets (*1) | 送信パケット数 | 12,884,901,885 |
Broadcast packets (*2) | ブロードキャストパケット送信数 | 4,294,967,295 |
Multicast packets (*2) | マルチキャストパケット送信数 | 4,294,967,295 |
Unicast packets (*2) | ユニキャストパケット受信数 | 4,294,967,295 |
TX errors | 送信エラー数 | 4,294,967,295 |
Collisions | コリジョン発生回数 | 4,294,967,295 |
(*1) : Packetsは (*2) のパケットを合計した値になります。
表示項目 | 説 明 | 最大値 |
---|---|---|
64 octet packets | 64オクテット長のパケット送受信数 | 4,294,967,295 |
65 ~ 127 octet packets | 65~127オクテット長のパケット送受信数 | 4,294,967,295 |
128 ~ 255 octet packets | 128~255オクテット長のパケット送受信数 | 4,294,967,295 |
256 ~ 511 octet packets | 256~511オクテット長のパケット送受信数 | 4,294,967,295 |
512 ~ 1,023 octet packets | 512~1,023オクテット長のパケット送受信数 | 4,294,967,295 |
1,024 ~ MAX octet packets | 1,024~最大オクテット長 (*1) のパケット送受信数 | 4,294,967,295 |
(*1) : LAN/SFPポートに設定した MRU に依存し、変動します。
フレームカウンターは、clear countersコマンドで消去することもできます。
また、LAN/SFPポートの状態を表示する show interface コマンドを実行すると、送受信フレーム数の情報が表示されますが、
本情報は、フレームカウンターの情報をもとに表示しています。
以下に、show interface コマンドで表示する送受信フレーム数とフレームカウンターの対応について示します。
表示項目 | 参照するフレームカウンタ情報 | |
---|---|---|
input | packets | 受信フレームカウンター の Packets |
bytes | 受信フレームカウンター の Octets | |
multicast packets | 受信フレームカウンター の Multicast packets | |
output | packets | 送信フレームカウンター の Packets |
bytes | 送信フレームカウンター の Octets | |
multicast packets | 送信フレームカウンター の Multicast packets | |
broadcast packets | 送信フレームカウンター の Broadcast packets |
関連コマンドについて、以下に示します。
詳細は、コマンドリファレンスを参照願います。
操作項目 | 操作コマンド |
---|---|
説明文の設定 | description |
シャットダウン | shutdown |
通信速度・通信モードの設定 | speed-duplex |
MRU設定 | mru |
クロス/ストレート自動判別設定 | mdix auto |
EEE設定 | power efficient-ethernet auto |
EEE対応可否を表示する | show eee capabilities |
EEEステータス情報を表示する | show eee status |
ポートミラーリングの設定 | mirror |
ミラーリングポートの状態表示 | show mirror |
インターフェースの状態表示 | show interface |
LAN/SFP ポートのVLAN情報の表示 | show interface switchport info |
フレームカウンター表示 | show frame-counter |
フレームカウンターのクリア | clear counters |
SFPの状態表示 | show ddm status |
LANポートに対する基本的な設定例を以下に示します。
詳細な設定方法については、コマンドリファレンスを参照してください。
L2SW(config)#interface ge1 L2SW(config-if)#description Connected to rtx1200-router
L2SW(config)#interface ge1 L2SW(config-if)#shutdown
L2SW(config)#interface ge1 L2SW(config-if)#no shutdown
L2SW(config)#interface ge1 L2SW(config-if)#speed-duplex 100-full
LANポート#1 で LANポート#4 の送受信フレーム、 LANポート#5 の送信フレームを監視できるようにします。
ポートの役割としては、以下のようになります。
L2SW(config)#interface ge1 L2SW(config-if)#mirror interface ge4 direction both ... (送受信フレームの監視) L2SW(config-if)#mirror interface ge5 direction transmit ... (送信フレームの監視)
L2SW#show mirror Mirror Test Port Name: ge1 ... (ge1 - ge4 の設定) Mirror option: Enabled Mirror direction: both Monitored Port Name: ge4 Mirror Test Port Name: ge1 ... (ge1 - ge5 の設定) Mirror option: Enabled Mirror direction: transmit Monitored Port Name: ge5
L2SW#show interface ge1 Interface ge1 Link is UP Hardware is Ethernet HW addr: 00a0.deae.b89f Description: Connected to router ifIndex 1, MRU 1522 Speed-Duplex: auto(configured), 1000-full(current) Auto MDI/MDIX: on Interface counter: input packets : 320 bytes : 25875 multicast packets: 301 output packets : 628 bytes : 129895 multicast packets: 628 broadcast packets: 0
特になし