フォワーディングデータベース(以降、FDB)は、 宛先MACアドレスと送出ポートとVLANの組み合わせを管理するもので、本L2スイッチは、受信フレームの転送先ポートを決定する際に使用します。
宛先MACアドレスにより特定のLAN/SFPポートに転送することで、ユニキャストフレームによる無駄なトラフィックを抑止することができます。
本L2スイッチは、FDBに対して以下の機能を提供します。
Forwarding Data Base の略。
宛先MACアドレスと送出ポートと VLAN の組み合わせを管理するデータベースのこと。
FDBに登録するデータのこと。複数の要素で構成される。
本L2スイッチは、FDBに対して下表に示す内容を一つのエントリーとして登録します。
管理要素 | 説 明 |
---|---|
VLAN ID | デバイスの所属するVLAN ID。1~4094の値となります。 |
MACアドレス | デバイスのMACアドレス。 |
ポート番号 | デバイスが存在するインターフェース*。 (*:LAN/SFPポート or スタティック/LACP論理インターフェース) |
アクション | デバイス宛てフレームの処理方法。 処理方法には、破棄(discard)と転送(forward)があります。 |
登録種別 | エントリの登録種別。以下の種別があります。 ・dynamic ... 自動学習により登録されたエントリー ・static ... コマンドにより手動で登録したエントリー ・multicast ... IGMP/MLD Snoopingで学習したエントリー |
本L2スイッチは、自動学習/手動登録合わせて 最大16,384個のアドレス を登録できます。
すべての受信フレームをMACアドレス学習の対象とし、送信元MACアドレスを学習してFDBに登録します。
登録したMACアドレス情報は、エージングタイムアウトまで保持します。
MACアドレスの学習はVLAN単位に行い、FDB は MACアドレス と VLAN のペアで管理します。
異なるVLANであれば、同一のMACアドレス情報も学習します。
MACアドレスの自動学習とは、受信フレームの送信元MACアドレスと受信ポートの情報に基づいてFDBエントリーを動的に作成し、登録していくことを指します。
この自動学習により登録されたエントリーを ダイナミックエントリー といいます。
個々のダイナミックエントリーに対して、タイマー(エージングタイム)による監視が行われます。
一定時間フレーム受信がなかったMACアドレスに対するエントリーは、FDBから削除されます。
これにより、電源断、移動などで無効になったデバイスのエントリーが、FDBに残らないようになっています。
なお、時間内に再度受信があった場合は、監視タイマーがリセットされます。
以下に自動学習の制御仕様について示します。
本L2スイッチは、受信フレームによる自動学習のほかに、ユーザーのコマンド操作でMACアドレスを設定することができます。
コマンド操作で登録したエントリーを スタティックエントリー といいます。
以下に手動設定についての仕様を示します。
関連コマンドについて、以下に示します。
コマンドの詳細は、コマンドリファレンスを参照願います。
操作項目 | 操作コマンド |
---|---|
MACアドレス学習機能の有効・無効設定 | mac-address-table acquire |
ダイナミックエントリー エージングタイムの設定 | mac-address-table ageing-time |
ダイナミックエントリーの削除 | clear mac-address-table dynamic |
スタティックエントリーの登録 | mac-address-table static |
スタティックエントリーの削除 | no mac-address-table static |
IGMP/MDL snooping マルチキャストアドレスの削除 | clear mac-address-table multicast |
MACアドレステーブルの参照 | show mac-address-table |
L2SW#show mac-address-table VLAN port mac fwd type timeout 1 ge2 00a0.de11.2233 forward static 0 1 ge1 1803.731e.8c2b forward dynamic 300 1 ge1 782b.cbcb.218d forward dynamic 300
FDBに登録されているFDBエントリー ( MACアドレス00:a0:de:11:22:33 )を削除する
L2SW#clear mac-address-table dynamic address 00a0.de11.2233
ダイナミックエントリーのエージング時間を 600秒 に変更する。
L2SW(config)#mac-address-table ageing-time 600
VLAN #10に所属するデバイス (MACアドレス 00:a0:de:11:22:33) 宛てフレームをLANポート2 (ge2) に転送する。
L2SW(config)#mac-address-table static 00a0.de11.2233 forward ge2 vlan 10
VLAN #10に所属するデバイス (MACアドレス 00:a0:de:11:22:33) 宛てフレームを破棄する。
インターフェース名の指定(例ではge2)は、動作に影響ありません。省略不可のため、LAN/SFPポートを指定してください。
L2SW(config)#mac-address-table static 00a0.de11.2233 discard ge2 vlan 10
VLAN #10に所属するデバイス (MACアドレス 00:a0:de:11:22:33)宛ての転送設定を削除する。
L2SW(config)#no mac-address-table static 00a0.de11.2233 forward ge2 vlan 10
特になし
特になし