ユーザーアカウント管理


1 機能概要

本製品は、ユーザーアカウントを管理する仕組みとして、以下の機能を提供します。



2 用語の定義

  1. 初期管理ユーザー
    工場出荷状態で設定されている管理者権限を持つユーザー。
    ユーザー名: admin 、パスワード: admin

  2. 管理ユーザー
    管理者権限を持つユーザーです。
    usernameコマンドでprivilegeオプションがonで設定されているユーザーが管理ユーザーになります。

  3. 一般ユーザー
    管理者権限を持たないユーザーであり、特権EXECモードに遷移するときに特権パスワードの入力が必要です。
    usernameコマンドでprivilegeオプションがoffで設定されているユーザーが一般ユーザーになります。

  4. 特権パスワード
    管理者権限を付与するために使用するパスワードであり、enable passwordコマンドで設定することができます。

  5. 無名ユーザー
    ユーザー名が空のユーザー。
    Rev.1.04.02/Rev.1.05.02以前のファームウェアでは工場出荷状態で利用できるアカウントでしたが、ユーザーアカウント管理の強化に伴って廃止されました。



3 機能詳細

3.1 ユーザーアカウント機能の設定

3.1.1 ユーザー情報の設定

username コマンドを使用して以下のユーザー情報を設定します。

工場出荷状態では、初期管理ユーザーとして admin (パスワード:admin) が設定されます。

3.1.2 特権パスワードの設定

enable password コマンドを使用して特権パスワードを設定します。
特権パスワードは、以下の用途で使用します。

工場出荷状態では特権パスワードとして admin が設定されていますが、特権パスワードが初期設定の状態では前述した操作を行うことはできません。
これらの操作を行う場合、特権パスワードを前もって変更してください。

3.1.3 管理者権限

ユーザーの管理者権限の有無によって、そのユーザーでログインしたときの操作を制限できます。

具体的には、管理者権限を持っているか否かで以下の違いがあります。

CLI Web GUI
管理ユーザー(権限有り) 一般ユーザー(権限無し) 管理ユーザー(権限有り) 一般ユーザー(権限無し)
機器情報の表示
設定の閲覧 × △ (※1)
設定の変更 × ×
機器の再起動、初期化 × ×
ファームウェアの更新 × ×

※1 : パスワードなどセキュリティーに関する設定については参照できません。

一般ユーザーでログインした場合でも、 enable コマンドを実行した後、特権パスワードを入力することで特権EXECモードへ移行でき、管理ユーザーと同等の操作が行えます。
各コマンドを実行するときに必要な権限については、コマンドリファレンスを参照ください。

3.1.4 パスワードの暗号化

設定したパスワードは、 password-encryption コマンドによって暗号化することができます。
パスワードを暗号化したい場合は、 password-encryption enable を設定してください。
一度暗号化されたパスワードは、 password-encryption disable を設定しても、暗号化前の文字列に復号されません。
以下のコマンドで設定するパスワードが暗号化の対象となります。


3.2 ユーザーの認証

3.2.1 コンソールにログインする場合

コンソールに接続すると、以下のようにログインプロンプトが表示されるため、設定したユーザー名とパスワードを入力してログインします。

Username:
Password:

工場出荷状態でログインする場合、初期管理ユーザー admin ( パスワード : admin ) でログインします。
admin でログインすると、パスワードの変更を要求されるため、新しいパスワードを設定します。

Username: admin
Password:                                ... (adminを入力する)

SWX2220-26NT Rev.1.04.06 (Wed Jul 12 15:53:39 2023)
  Copyright (c) 2023 Yamaha Corporation. All Rights Reserved.

Please change the default password for admin.
New Password:                            ... (新しいパスワードを入力する)
New Password(Confirm):                   ... (同じパスワードを再度入力する)
Saving ...
Succeeded to write configuration

パスワードを3回続けて間違えた場合、1分間、同じユーザーでのログインが制限されます。

Username: User
Password:
% Incorrect username or password, or login as User is restricted.
Password:
% Incorrect username or password, or login as User is restricted.
Password:
% Incorrect username or password, or blocked upon 3 failed login attempts for User.
% Please try again later.

ログイン制限がかかったときには以下のメッセージがINFOレベルのSYSLOGに出力されます。

接続方法 出力メッセージ
シリアルコンソール Login access from serial console as {ユーザー名} was restricted
TELNET Login access from TELNET as {ユーザー名} was restricted: {IPアドレス}
SSH Login access from SSH as {ユーザー名} was restricted: {IPアドレス}
Web GUI Login access from HTTP as {ユーザー名} was restricted: {IPアドレス}

ログインが制限されているユーザーで再びパスワードを間違えると、ログイン制限が解除されるまでの時間が残り1分に更新されるため、注意してください。


3.2.2 WebGUIにログインする場合

WebGUIにアクセスすると、以下のログインフォームが表示されるため、設定したユーザー名とパスワードを入力してログインします。

工場出荷状態でログインする場合、初期管理ユーザー admin ( パスワード : admin ) でログインします。
工場出荷状態でログインすると、パスワードの変更を要求されるため、新しいパスワードを設定します。



4 関連コマンド

関連コマンドについて、以下に示します。
詳細は、コマンドリファレンスを参照してください。



5 コマンド実行例

5.1 無名ユーザーのパスワードを設定する

無名ユーザーのログインパスワードとして、 yamaha を設定する。
管理者パスワードとして、 yamaha_admin を設定する。

Yamaha>enable
Yamaha#configure terminal
Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
Yamaha(config)#password yamaha
Yamaha(config)#enable password yamaha_admin

5.2 ユーザーを追加する

ユーザー yamaha特権オプション を付与して、パスワード yamaha_pass を指定して設定する。

Yamaha#configure terminal
Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
Yamaha(config)#username yamaha privilege on password yamaha_pass
Yamaha(config)#exit
Yamaha#exit

Username: yamaha
Password:

SWX2220-26NT Rev.1.04.06 (Wed Jul 12 15:53:39 2023)
  Copyright (c) 2023 Yamaha Corporation. All Rights Reserved.

Yamaha>enable
Yamaha#



6 注意事項


7 関連文書


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