〜〜〜 世界初、普及価格帯ルータがIPv6に対応 〜〜〜
ヤマハルータ 次世代インターネット・プロトコル「IPv6」に対応 ―ラインアップ対応で積極的にIPv6の普及を促進― |
ヤマハ株式会社(本社:静岡県浜松市中沢町10−1、社長:伊藤修二)では、『RTシリーズ』リモートルータ9モデルについて、6月上旬から順次新しいファームウェアの提供を開始(ヤマハホームページからダウンロード可)し、次世代のインターネットプロトコル(通信規約)である「IPv6」(注1)に対応いたします。なかでも、普及価格帯(販売価格5万円以下の価格帯
当社調べ)ルータとしては、世界で初めての「IPv6」対応機となります。普及が進む家庭・小規模オフィス向けのルータを含むラインアップでの対応により、当社は積極的に「IPv6」を推進いたします。
<対応モデルとファームウェアの提供予定日>
品 名 | 品 番 | 提供予定日 |
ヤマハ リモートルータ | RT140シリーズ(4品番) | 6月上旬 |
RT300i | 6月上旬 | |
RT105i | 7月上旬 | |
RTA54i | 7月上旬 | |
RT52pro | 9月上旬 | |
RT60w | 9月上旬 |
<背景と概要>
インターネットの全世界的な普及により、インターネットへのアクセス機能は、パソコンにとどまらず、今後は携帯電話機や家電製品への機能の実装がすすむものと予測されています。このため、現行のインターネットプロトコルである「IPv4(Internet
Protocol Version 4)」(注1)では、インターネットに接続している各種機器の“住所”となる「IPアドレス」が不足してしまうことが明らかで、次世代の規約として開発された「IPv6(Internet
Protocol Version 6)」への早期の移行が社会的なニーズとなっています。
また、IPv6は政府の「e-Japan重点計画」における研究開発課題であり、2005年までにIPv6インターネット環境を実現することが目標となっています。当社は「IPv6普及・高度化推進協議会」のメンバーとして、IPv6の普及・推進に努めています。
なお、当社では6月6日から開催されるインターネット関連技術の総合展示会「NetWorld + Interop 2001 Tokyo」において、キー技術の実演展示である「IPv6 Showcase」に出展し、IPv6を使ったデモンストレーションをヤマハ製品展示ブースとの間で行います。
<当社のIPv6への対応>
「IPv6」への対応は、家庭・小規模オフィス向けのルータとしては世界初となります。これにより、さまざまなネットワーク環境で「IPv6」を利用できるようになります。また、従来の「IPv4」に関する機能を継承しているため、従来のネットワークに影響を与えずに「IPv6」を利用できます。これらの機能は完全にファームウェアで実現されているためハードウェアを変更する必要はありません。
「IPv6」は、「IPv4」との互換性がないため、それぞれのネットワークが混在するときには、双方を併用するために移行技術(Transition
Mechanism)と総称される仕組みが必要になります。
『RTシリーズ』では、移行技術として、IPv4ネットワークを経由してIPv6ネットワークを接続するための「IPv6 over
IPv4トンネリング」(注2)、IPv6ネットワークを経由してIPv4ネットワークを接続するための「IPv4 over IPv6トンネリング」(注2)をサポートします。また、「IPv4」と「IPv6」の機器を相互に通信可能とするための「トランスレータ機能」(注3)も提供する予定です。これらの機能を活用することで、既存のIPv4ネットワークの機能を保存しつつ、安全に「IPv6」へ移行することができます。一般的には、IPv4からIPv6への移行は複数の段階を踏むため、各段階に応じた移行技術が必要になりますが、当社はルータを置き換えることなく運用が可能となるようにファームウェアを提供します。
「IPv6」の標準的なセキュリティプロトコルである「IPsec」(ESP、AH、IKE:注4)もサポートします。これによって、IPv6ネットワーク上でも「IPv4」と同様にVPN(注5)を構築することができます。「IPv4」と「IPv6」の「IPsec」を同時に使用することもできます。(IPv6でのIPsecサポートは、IPv4でIPsecをサポートしているモデルに限ります)
また、「パケットフィルタ機能」も搭載し、「IPv4」と同様に、IPv6アドレス、プロトコル、TCP/UDPのポート番号によってパケットのアクセスを制御することができます。「ファイアウォール機能」(注6)についても、「IPv6」に対応する予定です。「ファイアウォール機能」は、従来のパケットフィルタよりも多くの情報を監視して、いっそうきめ細かいアクセス制御を可能にします。例えば通信の始まりと終わりを検出して、その間だけアクセスを許可したり、不正なIPパケットを破棄することが可能になります。RTシリーズではこれらの機能の活用により、IPv6ネットワークの安全性を飛躍的に高めています。いずれの機能も、IPv4で培われた技術を継承しつつ「IPv6」に対応しているため、「IPv4」と同様に設定、運用することが可能なほか、「IPv4」の使いやすさや安定性も継承しています。
<IPv6機能・仕様概要>
基本機能 |
・IPv6ヘッダの処理 ・近隣探索 (Neighbor Discovery、注7) ・IPV6CP ・RIPng(注8) ・DNS |
移行技術 | ・IPv6 over IPv4トンネリング ・IPv4 over IPv6トンネリング ・トランスレータ (予定) |
セキュリティ | ・パケットフィルタ ・IPsec (ESP、AH、IKE) ・ファイアウォール機能 (予定) |
管理機能 | ・IPv6に対応したTFTPによるリビジョンアップと設定が可能 ・IPv6に対応したtelnetによる設定が可能 ・syslog |
<注>
IPv6は現在のインターネットにおけるアドレスの不足や経路制御の複雑さを解決する新しい通信方式でInternet Protocol
Version 6の略。IPv6を用いると、すべての機器を固有のアドレスによって識別できるようになるため、双方向の通信が可能になります。なお、従来の通信方式はIPv4(Internet
Protocol version 4)とよばれます。IPv4とIPv6の間には互換性はありません。
IPv6 over IPv4トンネリングは、IPv4ネットワークを経由してIPv6ネットワークを接続するためのプロトコルです。IPv6への移行の初期においては、IPv4ネットワークの中にIPv6ネットワークが点在する環境となるため、IPv6
over IPv4トンネリングが重要になると考えられています。
一方IPv4 over IPv6トンネリングは、IPv6ネットワークを経由してIPv4ネットワークを接続するためのプロトコルです。IPv6ネットワークで隔てられたIPv4ネットワークを接続するために使うことができます。
IPv4とIPv6の通信を相互に変換する機能です。この機能を用いると、仮想的に、IPv4の端末とIPv6の端末が直接に通信することができます。
IP Security Architectureの略で、暗号化や認証によってIPパケットの盗聴や偽造を防止するための規格です。通信回線やアプリケーションの種類に依存しないため、運用が簡便であり、VPNを構築するために広く利用されています。
Virtual Private Networkの略。公衆網を含んだインターネット接続で、離れた場所の企業施設でも、ひとつの企業ネットワークを構築することを言います。データを暗号化することにより、データの「盗聴」を防ぎ、セキュリティの高いネットワークを構築できます。
本来の意味は「防火壁」で、企業やインターネットプロバイダーなどの内部ネットワークを、外部からの不正侵入から保護するシステムです。
IPv4のARPに相当する機能を持ち、IPv6アドレスとEthernetアドレスの対応を知るために使われます。また、機器の接続状況を確認したり、IPv6アドレスの衝突を検出するためにも使われます。
IPv4で広く用いられているRIPをIPv6に対応させた経路制御プロトコルです。 RIPngは、IPv6における基本的な経路制御プロトコルとして扱われます。
<IPv6ネットワーク>
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