28.7 OSPF で受け取った経路をどう扱うかのフィルタの設定

[書式]

[設定値及び初期値]

[説明]


OSPF により他の OSPF ルーターから受け取った経路を経路テーブルに導入する際に適用するフィルタを定義する。このコマンドで定義したフィルタは、ospf export from ospf コマンドの filter 項で指定されてはじめて効果を持つ。
ip_address/mask では、ネットワークアドレスを設定する。これは、複数設定でき、経路の検査時にはそれぞれのネットワークアドレスに対して検査を行う。


nr が省略されている場合には、一つでも該当するフィルタがある場合には経路が導入される。
not 指定時には、すべての検査でフィルタに該当しなかった場合に経路が導入される。reject 指定時には、一つでも該当するフィルタがある場合には経路が導入されない

kind では、経路の検査方法を設定する。
include ネットワークアドレスと一致する経路および、ネットワークアドレスに含まれる経路が該当となる
refines ネットワークアドレスに含まれる経路が該当となるが、ネットワークアドレスと一致する経路が含まれない
equal ネットワークアドレスに一致する経路だけが該当となる

[ノート]

not 指定のフィルタをospf export from ospf コマンドで複数設定する場合には注意が必要である。not 指定のフィルタに合致するネットワークアドレスは、そのフィルタでは導入するかどうかが決定しないため、次のフィルタで検査されることになる。そのため、例えば、以下のような設定ではすべての経路が導入されることになり、フィルタの意味が無い。

ospf export from ospf filter 1 2
ospf export filter 1 not equal 192.168.1.0/24
ospf export filter 2 not equal 192.168.2.0/24

1 番のフィルタでは、192.168.1.0/24 以外の経路を導入し、2 番のフィルタで 192.168.2.0/24 以外の経路を導入している。つまり、経路 192.168.1.0/24 は 2 番のフィルタにより、経路 192.168.2.0/24 は 1 番のフィルタにより導入されるため、導入されない経路は存在しない。

経路 192.168.1.0/24 と経路 192.168.2.0/24 を導入したくない場合には以下のような設定を行う必要がある。

ospf export from ospf filter 1
ospf export filter 1 not equal 192.168.1.0/24 192.168.2.0/24

あるいは

ospf export from ospf filter 1 2 3
ospf export filter 1 reject equal 192.168.1.0/24
ospf export filter 2 reject equal 192.168.2.0/24
ospf export filter 3 include 0.0.0.0/0

[適用モデル]

RTX5000, RTX3510, RTX3500, RTX1300, RTX1220, RTX1210, RTX830