[設定値] :
設定値 | 説明 |
---|---|
backbone | バックボーンエリア |
1 以上の数値 | 非バックボーンエリア |
IP アドレス表記 (0.0.0.0 は不可 ) | 非バックボーンエリア |
指定したインタフェースの属する OSPF エリアを設定する。
NAME パラメータの type はインタフェースのネットワークがどのようなタイプであるかを設定する。
parameters では、リンクパラメータを設定する。パラメータは NAME=VALUE の形で指定され、以下の種類がある。
NAME | VALUE | 説明 |
---|---|---|
type | broadcast | ブロードキャスト |
point-to-point | ポイント・ポイント | |
point-to-multipoint | ポイント・マルチポイント | |
non-broadcast | NBMA | |
passive | インタフェースに対して、OSPF パケットを送信しない。該当インタフェースに他の OSPF ルーターがいない場合に設定する。 | |
cost | コスト |
インタフェースのコストを設定する。初期値は、インタフェースの種類と回線速度によって決定される。LAN インタフェースの場合は 1、PP インタフェースの場合は、バインドされている回線の回線速度を S[kbit/s]とすると、以下の計算式で決定される。例えば、64kbit/s の場合は 1562、1.536Mbit/s の場合には 65 となる。(0..65535)
|
priority | 優先度 | 指定ルーターの選択の際の優先度を設定する。PRIORITY 値が大きいルーターが指定ルーターに選ばれる。0 を設定すると、指定ルーターに選ばれなくなる。(0..255) |
retransmit-interval | 秒数 | LSA を連続して送る場合の再送間隔を秒単位で設定する。 (1..) |
transmit-delay | 秒数 | リンクの状態が変わってから LSA を送信するまでの時間を秒単位で設定する。 (1..) |
hello-interval | 秒数 | HELLO パケットの送信間隔を秒単位で設定する。 (1..) |
dead-interval | 秒数 | 近隣ルーターから HELLO を受け取れない場合に、近隣ルーターがダウンしたと判断するまでの時間を秒単位で設定する。 (1..) |
poll-interval | 秒数 | 非ブロードキャストリンクでのみ有効なパラメータで、近隣ルーターがダウンしている場合の HELLO パケットの送信間隔を秒単位で設定する。 (1..) |
authkey | 文字列 | プレーンテキスト認証の認証鍵を表す文字列を設定する。(8 文字以内) |
md5key | "(ID),(KEY)" | MD5 認証の認証鍵を表す ID と鍵文字列 KEY を設定する。ID は十進数で 0~255、KEY は文字列で 16 文字以内。MD5 認証鍵は 2 つまで設定できる。複数の MD5 認証鍵が設定されている場合には、送信パケットは同じ内容のパケットを複数個、それぞれの鍵による認証データを付加して送信する。受信時には鍵 ID が一致する鍵が比較対象となる。 |
md5-sequence-mode | "second" | 送信時刻の秒数 |
"increment" | 単調増加 |
NAME | VALUE | 広告される経路の種類 | OSPF 的なインタフェースの扱い | |
---|---|---|---|---|
タイプ | 状態 | |||
type | loopback | LOOPBACK インタフェースの IP アドレスのみのホスト経路 | point-to-point | Loopback |
loopback-network | LOOPBACK インタフェースの implicit なネットワーク経路 | NBMA | DROther |
・NAME パラメータの type について
NAME パラメータの type として、LAN インタフェースは broadcast のみが許される。PP インタフェースは、PPP を利用する場合は point-to-point、フレームリレーを利用する場合は point-to-multipoint と non-broadcast のいずれかが設定できる。
フレームリレーで non-broadcast(NBMA) を利用する場合には、フレームリレーの各拠点間のすべての間で PVC が設定されており、FR に接続された各ルーターは他のルーターと直接通信できるような状態、すなわちフルメッシュになっていなくてはならない。また、non-broadcast では近隣ルーターを自動的に認識することができないため、すべての近隣ルーターをip pp ospf neighbor コマンドで設定する必要がある。
point-to-multipoint を利用する場合には、フレームリレーの PVC はフルメッシュである必要はなく、一部が欠けたパーシャルメッシュでも利用できる。近隣ルーターは InArp を利用して自動的に認識するため、InArp が必須となる。RT では InArp を使うかどうかは fr inarp コマンドで制御できるが、デフォルトでは InArp を使用する設定になっているので、ip pp address コマンドでインタフェースに適切な IP アドレスを与えるだけでよい。
point-to-multipoint と設定されたインタフェースでは、ip pp ospf neighbor コマンドの設定は無視される。
point-to-multipoint の方が non-broadcast よりもネットワークの制約が少なく、また設定も簡単だが、その代わりに回線を流れるトラフィックは大きくなる。non-broadcast では、broadcast と同じように指定ルーターが選定され、HELLO などの OSPF トラフィックは各ルーターと指定ルーターの間だけに限定されるが、point-tomultipoint ではすべての通信可能なルーターペアの間に point-to-point リンクがあるという考え方なので、OSPF トラフィックもすべての通信可能なルーターペアの間でやりとりされる。
・passive について
passive は、インタフェースが接続しているネットワークに他の OSPF ルーターが存在しない場合に指定する。
passive を指定しておくと、インタフェースから OSPF パケットを送信しなくなるので、無駄なトラフィックを抑制したり、受信側で誤動作の原因になるのを防ぐことができる。
LAN インタフェース (type=broadcast であるインタフェース ) の場合には、インタフェースが接続しているネットワークへの経路は、ip interface ospf area コマンドを設定していないと他の OSPF ルーターに広告されない。そのため、OSPF を利用しないネットワークに接続する LAN インタフェースに対しては、passive を付けたip interface ospf area コマンドを設定しておくことでそのネットワークでは OSPF を利用しないまま、そこへの経路を他の OSPF ルーターに広告することができる。
PP インタフェースに対してip interface ospf area コマンドを設定していない場合は、インタフェースが接続するネットワークへの経路は外部経路として扱われる。外部経路なので、他の OSPF ルーターに広告するにはospf import コマンドの設定が必要である。
・hello-interval/dead-interval について
hello-interval/dead-interval の値は、そのインタフェースから直接通信できるすべての近隣ルーターとの間で同じ値でなくてはいけない。これらのパラメータの値が設定値とは異なっている OSPF HELLO パケットを受信した場合には、それは無視される。
・MD5 認証鍵について
MD5 認証鍵を複数設定できる機能は、MD5 認証鍵を円滑に変更するためである。
通常の運用では、MD5 認証鍵は 1 つだけ設定しておく。MD5 認証鍵を変更する場合は、まず 1 つのルーターで新旧の MD5 認証鍵を 2 つ設定し、その後、近隣ルーターで MD5 認証鍵を新しいものに変更していく。そして、最後に 2 つの鍵を設定したルーターで古い鍵を削除すれば良い。