DHCP の設定


本機は DHCP(*1) 機能として、DHCP サーバー機能、DHCP リレーエージェント機能、DHCP クライアント機能を実装しています。
DHCP 機能の利用により、基本的なネットワーク環境の自動設定を実現します。

DHCP クライアント機能は Windows 等の OS に実装されており、これらと本機の DHCP サーバー機能、DHCP リレーエージェント機能を組み合わせることにより DHCP クライアントの基本的なネットワーク環境の自動設定を実現します。

ルーターが DHCP サーバーとして機能するか DHCP リレーエージェントとして機能するか、どちらとしても機能させないかはdhcp service コマンドにより設定します。現在の設定は、show status dhcp コマンドにより知ることができます。

DHCP サーバー機能は、DHCP クライアントからのコンフィギュレーション要求を受けて IP アドレスの割り当て ( リース ) や、ネットマスク、DNS サーバーの情報等を提供します。


割り当てる IP アドレスの範囲とリース期間はdhcp scope コマンドにより設定されたものが使用されます。
IP アドレスの範囲は複数の設定が可能であり、それぞれの範囲を DHCP スコープ番号で管理します。DHCP クライアントからの設定要求があると DHCP サーバーは DHCP スコープの中で未割り当ての IP アドレスを自動的に通知します。なお、特定の DHCP クライアントに特定の IP アドレスを固定的にリースする場合には、dhcp scope コマンドで定義したスコープ番号を用いてdhcp scope bind コマンドで予約します。予約の解除はno dhcp scope bind コマンドで行います。IP アドレスのリース期間には時間指定と無期限の両方が可能であり、これはdhcp scope コマンドの expire および maxexpire キーワードのパラメータで指定します。
リース状況はshow status dhcp コマンドにより知ることができます。DHCP クライアントに通知する DNS サーバーの IP アドレス情報は、dns server コマンドで設定されたものを使用します。

DHCP リレーエージェント機能は、ローカルセグメントの DHCP クライアントからの要求を、予め設定されたリモートのネットワークセグメントにある DHCP サーバーへ転送します。リモートセグメントの DHCP サーバーはdhcp relay server コマンドで設定します。DHCP サーバーが複数ある場合には、dhcp relay select コマンドにより選択方式を指定することができます。

また DHCP クライアント機能により、インタフェースの IP アドレスやデフォルト経路情報などを外部の DHCP サーバーから受けることができます。ルーターを DHCP クライアントとして機能させるかどうかは、ip interface addressip interface secondary addressip pp remote addressip pp remote address pool の各コマンドの設定値により決定されます。設定されている内容は、show status dhcpc コマンドにより知ることができます。