RTX5000、RTX3500、RTX3000、RT250i は、オプションの PRI 拡張モジュールを装着することにより一次群速度インタフェース(PRI:Primary Rate Interface) に対応します。多重化非対応の PRI 拡張モジュール ( 製品番号 :YBA-1PRI-N) は、192kbit/s ~ 1.5Mbit/s のスーパーリレーFR や DA1500 などの高速ディジタル専用線に最適です。多重化対応の PRI 拡張モジュール ( 製品番号 :YBA-1PRI-M/YBA-1PRI-MB/YBA-1PRI-MC/YBC-1PRI-M) を利用すると、それに加えて最大 24 対地までの HSD の多重アクセスサービスや INS ネット 1500 を利用することができます。
機種 | 192kbit/s~1.5Mbit/s 専用線 (A) | 192kbit/s~1.5Mbit/s 専用線多重 (B) | 回線交換 (C) |
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専用線を利用するためには、PRI ネットワーク提供者との契約で指定されたタイムスロットに関する値を pri leased channel コマンドで設定します。PRI を経由してパケットをやり取りするためには、pp bind コマンドで相手先情報番号 (pp) と PRI インタフェース名、情報チャネル番号 (pri1/1) を関連づけます。専用線に関する設定は次のようになります。
pri leased channel 1/1 1 24 pp select 1 pp bind pri1/1 pp enable
また、回線交換を利用するためには、通信回線種別をline type コマンドで isdn に設定します。PRI を経由してパケットをやり取りするためには、pp bind コマンドで相手先情報番号 (pp) と PRI インタフェース名 (pri1) を関連づけます。選択されている相手の発着信用の ISDN 番号を isdn remote address コマンドで設定します。回線交換に関する設定は次のようになります。
line type pri1 isdn pp select 1 pp bind pri1 isdn remote address call ISDN 番号 pp enable 1
これにルーティングに関する設定を追加すると PRI を経由してパケットをやり取りすることができます。
実際に、別途用意していただいた DSU とルーター間を付属のコネクタケーブルで繋いで、 show status pri1 コマンドで表示されるレイヤ 1 情報、回線交換ではレイヤ 2 まで、物理的配線が適切であるか確認することができます。
専用線に対しては、接続環境が適切であるかどうか確認するためのループバック試験を行うことができます。ループバック試験は、 指定したデータを指定したループバックポイントまたは対向ルーターで折り返して、送信データと折り返しデータを比較して正常性の 検証を行います。ループバックには、検証を行う Active 側と単に受け取ったデータを折り返す Passive 側があり、ルーターはどち らか一方で動作します。Active 側にはハードウェアの正常性を確認するためのループバック A と回線上にデータを流して、対向ルー ターからの折り返しデータを比較検証するタイムスロットループバックがあります。Passive 側のループバックポイントは機種によ り若干異なります。ハードウェアの制限により、タイムスロットポイントで折り返したデータも受けることは出来ませんので注意が必 要です。
ループバックは、コンソールコマンドから実行します。結果は Active 側のコンソールにだけ表示します。ループバック試験を行う 前に、通常の通信を pp disable コマンドで停止させてから行ってください。Active 側のタイムスロットループバックでは、相手側のルーターは pri loopback passive コマンドで待ち受け状態にしておく必要があります。ループバック A はコネクタケーブルを抜 いた状態でないと実行できません。