ヤマハスイッチでポート VLAN /タグ VLAN の設定を行う場合、コマンドでは VLAN ID を直接入力せず、VLAN 登録番号を指定します。VLAN 登録番号と VLAN ID の紐付けはvlan-idで行います。例えば以下のような設定を行った場合、ポート 2 の VLAN ID は 4 になります。
switch control function set vlan-id 10 4 switch control function set vlan-access 2 10
スイッチで受信したパケットは、VLAN タグの有無に関わらずいずれかの VLAN ID に分類され、その情報に基づいて転送処理が行われます。ポートの VLAN 動作モードはvlan-port-modeで設定します。
vlan-port-mode | 受信時の動作 | 送信時の動作 |
---|---|---|
access | VLAN タグ無しのパケットのみ受信します。VLAN ID の分類は vlan-access の設定に基づいて行われます。 | 受信時に、送信するポートの VLAN ID (vlan-access) に分類されたパケットを VLAN タグ無しで送信します。 |
trunk | VLAN タグ付きのパケットのみ受信します。ただし、VLAN タグ中の VLAN ID にポートが参加している必要があります。ポートが参加する VLAN ID は vlan-trunk で設定します。VLAN ID の分類は VLAN タグの情報に基づいて行われます。 | 受信時に、送信するポートが参加する VLAN ID (vlan-trunk) に分類されたパケットを VLAN タグ付きで送信します。 |
hybrid | VLAN タグ付き、VLAN タグ無し、両方のパケットを受信します。VLAN タグ無しのパケットを受信した場合は、アクセスポートと同様の動作をします。VLAN タグ付きのパケットを受信した場合は、トランクポートと同様の動作をします。 | 受信時に、送信するポートの VLAN ID (vlan-access) に分類されたパケットを VLAN タグ無しで送信します。また、受信時に、送信するポートが参加する VLAN ID (vlan-trunk) に分類されたパケットを VLAN タグ付きで送信します。どちらにも該当する場合は、VLAN タグ無しで送信します。 |
マルチプル VLAN は、1 つのスイッチにおいてポートをグループに分けて、グループ間の通信を禁止する機能です。
vlan-multiple-use で機能を有効にした後、vlan-multiple でポートが所属するグループ番号を指定します。1 つのポートを複数のグループに所属させることができます。あるポートで受信したパケットは、当該ポートと同じグループ番号に所属する他のポートから送信されます。
例として、以下のような設定を行った場合を考えます。
switch control function set vlan-multiple-use on switch control function set vlan-multiple 1 1 join switch control function set vlan-multiple 2 2 join switch control function set vlan-multiple 3 1 join switch control function set vlan-multiple 3 2 join
マルチプル VLAN はネットワークを分割するものではないので、異なるグループ間でも同一のネットワークアドレスが割り振られます。
ポート VLAN /タグ VLAN とマルチプル VLAN を併用する場合、マルチプル VLAN において同一のグループに所属するポート間であっても、ポート VLAN /タグ VLAN において同一の VLAN に所属していない場合は通信することができません。