39.3.4 VLAN

ヤマハスイッチでポートVLAN/タグVLANの設定を行う場合、コマンドではVLAN IDを直接入力せず、VLAN登録番号を指定します。VLAN登録番号とVLAN IDの紐付けはvlan-idで行います。例えば以下のような設定を行った場合、ポート2のVLAN IDは4になります。

switch control function set vlan-id 10 4
switch control function set vlan-access 2 10

スイッチで受信したパケットは、VLANタグの有無に関わらずいずれかのVLAN IDに分類され、その情報に基づいて転送処理が行われます。ポートのVLAN動作モードはvlan-port-modeで設定します。

vlan-port-mode 受信時の動作 送信時の動作
access VLANタグ無しのパケットのみ受信します。VLAN IDの分類はvlan-accessの設定に基づいて行われます。 受信時に、送信するポートのVLAN ID (vlan-access) に分類されたパケットをVLANタグ無しで送信します。
trunk VLANタグ付きのパケットのみ受信します。ただし、VLANタグ中のVLAN IDにポートが参加している必要があります。ポートが参加するVLAN IDはvlan-trunkで設定します。VLAN IDの分類はVLANタグの情報に基づいて行われます。 受信時に、送信するポートが参加するVLAN ID (vlan-trunk) に分類されたパケットをVLANタグ付きで送信します。
hybrid VLANタグ付き、VLANタグ無し、両方のパケットを受信します。VLANタグ無しのパケットを受信した場合は、アクセスポートと同様の動作をします。VLANタグ付きのパケットを受信した場合は、トランクポートと同様の動作をします。 受信時に、送信するポートのVLAN ID (vlan-access) に分類されたパケットをVLANタグ無しで送信します。また、受信時に、送信するポートが参加するVLAN ID (vlan-trunk) に分類されたパケットをVLANタグ付きで送信します。どちらにも該当する場合は、VLANタグ無しで送信します。

マルチプルVLANは、1つのスイッチにおいてポートをグループに分けて、グループ間の通信を禁止する機能です。

vlan-multiple-useで機能を有効にした後、vlan-multipleでポートが所属するグループ番号を指定します。1つのポートを複数のグループに所属させることができます。あるポートで受信したパケットは、当該ポートと同じグループ番号に所属する他のポートから送信されます。

例として、以下のような設定を行った場合を考えます。



switch control function set vlan-multiple-use on
switch control function set vlan-multiple 1 1 join
switch control function set vlan-multiple 2 2 join
switch control function set vlan-multiple 3 1 join
switch control function set vlan-multiple 3 2 join

マルチプルVLANはネットワークを分割するものではないので、異なるグループ間でも同一のネットワークアドレスが割り振られます。

ポートVLAN/タグVLANとマルチプルVLANを併用する場合、マルチプルVLANにおいて同一のグループに所属するポート間であっても、ポートVLAN/タグVLANにおいて同一のVLANに所属していない場合は通信することができません。