25.7 OSPF で受け取った経路をどう扱うかのフィルターの設定

[書式]


[設定値及び初期値]


[説明]


OSPF により他の OSPF ルーターから受け取った経路を経路テーブルに導入する際に適用するフィルターを定義する。このコマンドで定義したフィルターは、ospf export from コマンドの filter 項で指定されてはじめて効果を持つ。
ip_address/mask では、ネットワークアドレスを設定する。これは、複数設定でき、経路の検査時にはそれぞれのネットワークアドレスに対して検査を行う。


nr が省略されている場合には、一つでも該当するフィルターがある場合には経路が導入される。
not 指定時には、すべての検査でフィルターに該当しなかった場合に経路が導入される。reject 指定時には、一つでも該当するフィルターがある場合には経路が導入されない

kind では、経路の検査方法を設定する。
include ネットワークアドレスと一致する経路および、ネットワークアドレスに含まれる経路が該当となる
refines ネットワークアドレスに含まれる経路が該当となるが、ネットワークアドレスと一致する経路が含まれない
equal ネットワークアドレスに一致する経路だけが該当となる

[ノート]

not 指定のフィルターをospf export from コマンドで複数設定する場合には注意が必要である。not 指定のフィルターに合致するネットワークアドレスは、そのフィルターでは導入するかどうかが決定しないため、次のフィルターで検査されることになる。そのため、例えば、以下のような設定ではすべての経路が導入されることになり、フィルターの意味が無い。

ospf export from ospf filter 1 2
ospf export filter 1 not equal 192.168.1.0/24
ospf export filter 2 not equal 192.168.2.0/24

1 番のフィルターでは、192.168.1.0/24 以外の経路を導入し、2 番のフィルターで 192.168.2.0/24 以外の経路を導入している。つまり、経路 192.168.1.0/24 は 2 番のフィルターにより、経路 192.168.2.0/24 は 1 番のフィルターにより導入されるため、導入されない経路は存在しない。

経路 192.168.1.0/24 と経路 192.168.2.0/24 を導入したくない場合には以下のような設定を行う必要がある。

ospf export from ospf filter 1
ospf export filter 1 not equal 192.168.1.0/24 192.168.2.0/24

あるいは

ospf export from ospf filter 1 2 3
ospf export filter 1 reject equal 192.168.1.0/24
ospf export filter 2 reject equal 192.168.2.0/24
ospf export filter 3 include 0.0.0.0/0