Revision : 08.00.39 Release : Feb 2004, ヤマハ株式会社 RTV700 Rev.8.00.39 リリースノート ====================================================================== ○ Rev.8.00.31 からの変更点 ====================================================================== ■機能追加 [1] VoIP機能において、自分自身またはカスケード子機が送信元または送信先で あるRTPパケットのうち、LANインタフェース経由で送受信されるRTPパケッ ト、PPPoEインタフェース経由で送受信されるRTPパケット、および、IPsec トンネル経由で送受信されるRTPパケット、をファストパス処理する機能を 実装した。なお、上記の条件に合致する場合であっても、ノーマルパス処理 を経由して受信したRTPパケットは、それ以降もノーマルパス処理される。 [2] isdn useコマンドのインタフェース名にBRIインタフェースを追加した。 [入力形式] isdn use INTERFACE USE [パラメータ] ・INTERFACE ... BRIインタフェース名 PBXインタフェース名 ・USE off ........... 発着信禁止 on ........... 発着信可 call-only ..... 発信専用(着信規制) arrive-only ... 着信専用(発信規制) [説明] 指定したインターフェースの公衆回線に対する発着信を制限する。 [ノート] SIPに対する発着信については、isdn sip call permitコマンドと isdn sip arrive permit コマンドで別途設定する。 PBXポート非搭載機では、INTERFACEパラメータにPBXインタフェース名 は指定できない。 [初期値] on [3] DNSリカーシブサーバ機能で、自分が送信するDNS問い合わせパケットの始点 ポート番号を設定するコマンドを新設した。 ○DNS問い合わせパケットの始点ポート番号を設定する [入力形式] dns srcport PORT no dns srcport [PORT] [パラメータ] PORT ... 1-65535 [説明] DNSリカーシブサーバ機能で、自分が送信するDNS問い合わせパケットの 始点ポート番号を設定する。 [デフォルト値] 53 [4] HTTPリビジョンアップ実行の許可/不許可を設定するコマンドを新設した。 ○HTTPリビジョンアップ実行の許可/不許可を設定する [入力形式] http revision-up permit SWITCH no http revision-up permit [SWITCH] [パラメータ] SWITCH ... on リビジョンアップを許可する off リビジョンアップを許可しない [説明] HTTPリビジョンアップを許可するか否かを設定する。 [ノート] このコマンドの設定は、コマンドによる直接のHTTPリビジョンアップ、 かんたん設定によるリビジョンアップ、電話機からのリビジョンアップ に影響する。 [初期値] on [5] REGISTERリクエストの更新間隔を設定出来るコマンドを新設した。 ○SIPサーバに送信するREGISTERリクエストの更新間隔を通常時と異常時にお いて何分毎に送信するかを設定する [入力形式] sip server register timer server=NUM OK_T NG_T [パラメータ] ・NUM SIPサーバ番号 ・OK_T 通常時更新間隔(分) ・NG_T 異常時更新間隔(分) [説明] SIPサーバにREGISTERリクエストを送信する間隔を設定する。 正常に更新されている場合には通常時更新間隔毎に更新する。 サーバからエラーが返されたり、サーバから応答が無い場合には、 異常時更新間隔毎に更新する。また、この時のExpiresヘッダは 通常時更新間隔を2倍して秒に直した値で送信する。しかし、サーバか らExpiresの指定があった場合はその値に従って、指定された値の半分 の時間で通常時の更新を行う。 [初期値] OK_T = 30 NG_T = 5 [6] アナログ機能で、TELポートのフック状態やTELポートに対する情報通知内容 ・情報通知に対するTELポートのフック状態をデバッグレベルで表示するよ うにした。 表示の内容は以下の通り。なお、表示内容はTEL1ポートの場合を示しており、 TEL2ポートの場合は TEL[01] が TEL[02] となる。 オフフック検出 / 通信前情報通知後のオンフック未検出 TEL[01] DETECT OFFHOOK オンフック検出 TEL[01] DETECT ONHOOK フッキング検出 TEL[01] DETECT HOOKING (*1) 通信前情報通知のリンガに対してオフフック検出 TEL[01] DETECT PREINFO_ACK 通信前情報通知後にオンフック検出 TEL[01] DETECT PREINFO_COMP PBダイヤルインリンガにオフフック未検出 TEL[01] DETECT PREINFO_FAIL モデム情報(V23)送出のリンガにオフフック未検出 TEL[01] DETECT PREINFO_NO_RESP PBダイヤルインの送出内容 (通信前情報通知のリンガ送出時) TEL[01] PREPARE INFO PB DIALIN:[1234] モデム情報(V23)の送出内容 (通信前情報通知のリンガ送出時) TEL[01] PREPARE INFO MODEM NUMDISP:[111] NAMEDISP:[%$%s%?!<%M%C%HEEOC] DIALIN:[1234] (*2) 通信前情報通知リンガへのオフフックを受けて情報送出 TEL[01] SEND INFO (*1) フッキング操作を連続して行った場合、2回目以降のログが操作時 に記録されず、異なった内容のログが表示される際に same message repeated N times という形式で表示されることがある。 (*2) NUMDISP:[ナンバー・ディスプレイの内容] NAMEDISP:[ネーム・ディスプレイの内容] (KI/KOなしのJIS文字列) DIALIN:[ダイヤルインの内容] のうち、情報の設定されたものを表示する。 ■仕様変更 [1] カスケード接続の構成で使用できるようにした。 [2] カスケード接続の構成で親機として使用するときに、VoIP機能による音声通 信が同時に12通話できるようにした。 なお、カスケード子機としては RTV700、RT57i、RT56v を使用することが出 来る。 [3] VoIP機能による音声通信と同時に30拠点までの相手とIPsec通信を行うこと ができるようにした。 [4] show status lanコマンドでの表示で、「資源不足による受信失敗」と「メ モリ不足による受信失敗」を「受信オーバーフロー」に合算して、「受信オ ーバーフロー」だけを表示するようにした。 [5] SYSLOGで、自分が送信しようとしたSYSLOGパケットがフィルタなどによって 廃棄された場合には、そのフィルタログはルータ内部のログとしては記録す るが、SYSLOGとしてルータの外に送信しないように変更した。 従来はそのフィルタログをSYSLOGとして送信しようとしていたため高負荷な 状態に陥っていたのを回避できる。 [6] LANインタフェース向きの静的経路は、従来はLANインタフェースの状態に関 わらず常に有効であり、動的経路プロトコルでも広告されていたが、hide指 定した場合に限り、LANインタフェースがダウンするとその経路も無効にな るように変更した。 [7] SIP発信時、相手先からまず183(SDPなし)を受信しその後183(SDP付き)を受 信したときのリングバックトーン再生処理を修正した。 [8] MP接続におけるBAP/BACPに関して以下の変更を行った。 ・相手からMPのリンク切断を要求された(Link-Drop-Query-Requestを受信し た)時に、ppp mp minlinkの設定値によってはリンク切断を拒否する( Response-CodeにRequest-Full-Nakを設定してLink-Drop-Query-Response を返す)ようにした。 ・相手から要求されたCall-RequestまたはCallbackRequestで、Link Typeと してISDNと共にその他の回線も指定された場合にISDNを指定するようにし た。 [9] sip server qvalueコマンドで設定出来る値を小数点以下1桁から小数点以下 3桁に変更した。 [10] あるIPsecトンネル経由で受信したパケットを、他のIPsecトンネル経由で 送信すべきときに、可能であれば、受信および送信ともにファストパスで処 理するようにした。 [11] 再起動時のレジスタ/スタックダンプの表示を、従来はINFOレベルで記録し ていたのをDEBUGレベルに変更した。起動理由は従来通りINFOレベルで記録 される。 また、show status bootコマンドを新設し、起動理由とレジスタ/スタック ダンプを表示できるようにした。 [12] DHCPクライアント機能において、同じIPアドレスを使い続けることができ る可能性を改善した。 [13] ip simple-serviceコマンドのデフォルト値をoffからonに変更した。 ■バグ修正 [1] アナログ機能において、VoIP/ISDNの着信を繰り返すことでメモリの使用量 が増加していき、リブートしたりリビジョンアップができなくなることがあ るバグを修正した。 [2] アナログ機能で、PBXからの発信時にすぐに発信を放棄すると、その後その ときの発信先への経路(ISDN回線/SIP)に対してPBX/TELポート共に発信がで きなくなってしまうことがあるバグを修正した。 [3] アナログ機能で、PBXポートからISDNへの発信時あるいは擬似着信転送によ るISDNへの転送時において、ISDN回線への発信が失敗した場合に次の不具合 が発生することがあるバグを修正した。 ・その後ISDN回線からの着信ができなくなる ・その後PBXポートをすべて使った同時4通話ができなくなる [4] PBXポートからISDN回線に外線発信するとき、特定のナビダイヤル(0570で始 まる番号)に対して通話できないことがあるバグを修正した。 [5] PBXポートに接続された機器に着信してすぐに切断され、ほぼ同時に発信側 でも切断すると、そのPBXポートが使用中のままになってその後使用できな くなるバグを修正した。 [6] PBXポートに接続された機器にISDN回線またはSIPから着信して応答した後す ぐに切断すると、以下の症状となるバグを修正した。 ・発信側が無音になる。 ・そのときPBXポートで行っていた通話が全て切断され、その後そのPBXポー トを使用した発着信ができなくなる。 [7] PBXポートやISDN回線で通話の切断直後に発呼すると発着信できなくなるこ とがあるバグを修正した。 [8] VoIP機能で、RTCP パケットの送出間隔を 5秒±2.5秒とした。 [9] sip serverコマンドのユーザ名、パスワードに64文字以上入力してもエラー にならないバグを修正した。 [10] 通話中のリスタートまたはリスタート直後の着信を繰り返すと発着信でき なくなる可能性があったのを修正した。 [11] 擬似付加サービスの保留音が送出された状態でISDN回線が抜けると、それ 以降、再起動するまで通話相手に必ず保留音が流れてしまうバグを修正した。 [12] TELで通話中にフッキングをして2通話目の発信操作を行い、もう一度フッ キングで(もしくはオンフックで呼び返しを取って)元の通話に戻る操作をす るとPBXのSIP通話ができなくなることがあったバグを修正した。 [13] アナログ機能において、SIPまたはISDNからの着信を受けている状態で、内 部に異常状態が発生して、通話中の音声接続が強制的に全て切断された場合 に、呼び出し側がビジーにならず、また、ISDN回線に対する2つ目の着信中 の場合は、その後ISDNの2つ目の発着信ができなくなることがあるバグを修 正した。 [14] アナログ機能で、主にカスケード接続で通話数が多い場合などの高負荷時 において、以下の条件でリブートすることがあるバグを修正した。 ・one-by-oneの着信設定をしている場合の、VoIPまたはISDN回線からの着信 時 ・即時の着信転送が設定されている場合の、ISDN回線からの着信時 [15] ISDN回線やPBXポートで着信に応答直後、着信呼が解放されてしまうと、こ れ以降、発着信できなくなることがあるバグを修正した。 [16] アナログ機能で、擬似付加サービスの切り替え通話中にISDNのコネクタ抜 けが起こると、回復後のISDN 2通話目の発着信における音声接続時点(着信 側ではオフフック時、発信側ではリングバックトーンが聞こえるタイミング) で接続が切れ、ビジートーンとなってしまうバグを修正した。 [17] 電話機から「アナログポート設定の全消去」(機能番号99)を設定したとき に、以下のコマンドについては、再起動するまでは削除する前の設定内容の まま動作していたバグを修正した。 - analog end-of-dialing-code - analog re-ringing-timer - analog local address - analog arrive restrict list - analog arrive ringer-type list - analog arrive incoming-signal [18] 電話機から「着信転送先番号登録」(機能番号55)を設定する場合に、'#'を 含めた番号が登録できてしまうバグを修正した。 [19] アナログ機能において、VoIP着信によってTELポートが鳴動する前に発信側 から切断するという操作を繰り返すことにより、TELポートにおいてVoIPの 着信ができなくなることがあるバグを修正した。 [20] BOD機能が"ON"に設定されているMP接続でTELポートの電話機をオフフック すると、MP接続で使用していたBチャネルの1つが解放され空きチャネルがで きるにもかかわらず、アザーダイヤルトーンが受話器から聞こえてISDN回線 への発信ができないことがあるバグを修正した。 [21] LAN1とLAN2のクロスストレート自動判別機能を無効にできないバグを修正 した。 [22] login passwordコマンドで、最大桁数の32文字を越えて設定しようとした ときに、「エラー: パスワードは64文字以内で入力してください」と表示さ れるバグを修正した。 [23] IPsecのUDPカプセル化とIPマスカレードを同時に使用すると、RTから送信 されるUDPパケットのNAT変換が行なわれないバグを修正した。 ip routing process normalと設定するとこの現象は回避できる。 [24] ルータの起動後にipsec sa policyコマンドを設定すると、その後の動作が 不安定になることがあるバグを修正した。複数のトンネルモードやトランス ポートモードを設定していて、それらが共通のゲートウェイ番号を参照して いるときにのみ発生し、トンネルモードやトランスポートモードの設定が多 いほど発生しやすい。設定後に再起動すれば、この問題を回避できる。 (例) 次の設定例では、2つのトンネルモードがともに4番のゲートウェイ番 号を参照しているので、この条件に該当する。 tunnel select 1 ipsec tunnel 101 ipsec sa policy 101 4 esp des-cbc tunnel enable 1 tunnel select 2 ipsec tunnel 102 ipsec sa policy 102 4 esp aes-cbc tunnel enable 2 [25] UDPチェックサムの計算で、0をつけてしまうことがあるバグを修正した。 [26] ファストパスのIPsecでシーケンス番号のanti replay checkで弾かれるケ ースが発生した場合に、その後の動作が不安定となるバグを修正した。 [27] PPPoE接続時の負荷(load)が誤って表示されるバグを修正した。 LANの速度が10Mbit/sという前提で計算されていた。 [28] SNMPで、sysNameやsysContact、sysLocation変数にSNMP経由で設定できる 文字列の最大長が255文字ではなく254文字になっているバグを修正した。 [29] PP Anonymousで名前によるルーティングを複数登録している時、ある相手 との通信が終って別の相手と通信しようとしても、しばらくの間新しい相手 と通信できない時間が発生するバグを修正した。 [30] BRIインタフェースが、ISDN回線交換で1Bのみしか使わない設定、すなわち、 'line type briN isdn-ntt 1b'という設定になっている場合に、 'isdn fast disconnect time'コマンドで設定するタイマが機能しないバグ を修正した。 [31] RIPで、hideがついていて本来広告してはいけない経路を電源投入時や再起 動時に広告してしまうバグを修正した。 [32] RIPで受信している経路について、経路のメトリック(ホップ数)だけが変化 した時に、show ip routeコマンドでのメトリック値の表示が変化しないバ グを修正した。 表示の問題だけであり、RIPの動作としては正しいメトリックでやりとりが 行なわれている。 [33] LANインタフェースのリンクの状態は1秒毎に監視しているため、実際にリ ンクがアップするタイミングとそれを認識するタイミングにずれが生じるこ とがある。 そのため、ルータがリンクアップを認識する前にパケットを受信することが あるが、そのようなパケットは処理せず破棄するようにした。 リンクアップを認識していない時にはそのLANインタフェースのimplicit経 路が無効になっているため、代理ARP機能などで問題が発生する可能性があ る。 [34] PPTP接続の設定でユーザID、パスワードに「"」、「#」、「\」を含んだ文 字列を設定した場合に、pp auth myname/usernameコマンドが正しく設定さ れないバグを修正した。 [35] show ip connectionなどの一部のコマンドで、表示の中に不要な改行が混 入するバグを修正した。 [36] show logコマンドやshow configコマンドで、console columnsコマンドの 設定値を越える長さの行を表示する時に適切な場所で改行していないバグを 修正した。 [37] HTTPリビジョンアップ中にメモリが足りなくなり、リビジョンアップに失 敗してリブートすることがあるバグを修正した。 [38] ホスト経路が奇数個存在する状況で、数千程度の経路が新しく追加される とルータがリブートしたりハングアップしたりすることがあるバグを修正し た。 [39] かんたん設定ページの[専用線によるネットワーク型常時接続] 設定で、DNS サーバアドレスを「接続時に自動取得する」から「IPアドレスを指定する」 に変更するとdns server ppコマンドが残ってしまうバグを修正した。 [40] [ISDN回線によるネットワーク型LAN間接続]の接続型で切断タイマの設定を 「自動切断しない」に設定しても、「タイマで通信の有無を監視して自動切 断をする」設定にチェックが入って表示されるバグを修正した。 [41] ブロードバンド回線自動判別で、判別終了後にPPPoEプロバイダの設定をし ても、再起動をしないと接続できないことがあるバグを修正した。 イーアクセス様のADSL回線(モデム:Aterm DR202C)でのみ確認された現象。 [42] 複数プロバイダの設定をした状態でPPPインタフェースを使用したプロバイ ダのDNSサーバアドレスの設定を「固定アドレス→自動取得」に変更すると、 dns server pp N のコマンドが設定されてしまうバグを修正した。 [43] ネットボランチ電話番号に対する発信時のプレフィックスを設定していな い場合、特定のブラウザ(※)からプレフィックスを変更できないことがある バグを修正した。 ※ Apple社Safariで確認された現象 [44] かんたん設定の以下のページで、コマンドのプロンプトが表示されない、 または2つ表示されることがあったバグを修正した。 ・[詳細設定と情報]-[システム情報のレポート作成] ・[詳細設定と情報]-[コマンドの実行]でコマンド設定後に表示される ページの「コマンド入力結果」 以上