Revision : 04.01.11 Release : Nov 2000, ヤマハ株式会社 RTA52i Rev.4.01.11 リリースノート ========================================================================== ○ 追記 (2000年11月16日) ========================================================================== 仕様変更[3]を追加した。 ========================================================================== ○ Rev.4.01.09からの変更点 ========================================================================== ■機能追加 [1] LAN-TA機能で、PCから接続先番号を指定されなかった場合には、あらかじめ 設定した接続先番号へ発信する機能を追加した。 これにより、接続先電話番号を通知しないWindowsMeのVPN Adapterなどでも あらかじめ接続先電話番号をルータに設定しておくことで、LAN-TA機能が使 用可能になる。 ○コマンド使用 ・PPTP の接続先アドレスの設定(primary IP address 用) [入力形式] pptp lan remote address ISDN_NUMBER/SUB_ADDRESS pptp lan remote address clear [パラメータ] ISDN_NUMBER/SUB_ADDRESS ... "ip lan address"で設定されたIPアドレスを宛先として ホストからPPTPによりアクセスされた場合に使用する 接続先アドレス [説明] LANのprimary IP addressへのPPTPアクセス用の相手のISDN番号を設定します Sets ISDN remote address for PPTP access to the LAN primary IP address. [デフォルト値] pptp lan remote address clear [ノート] ホストから相手ISDN番号を指定された場合には、ホストにより指定 された相手ISDN番号を使用する。(本コマンドによる設定は使用されない) ・PPTP の接続先アドレスの設定(secondary IP address 用) [入力形式] pptp lan secondary remote address ISDN_NUMBER/SUB_ADDRESS pptp lan secondary remote address clear [パラメータ] ISDN_NUMBER/SUB_ADDRESS ... "ip lan secondary address"で設定されたIPアドレスを 宛先としてホストからPPTPによりアクセスされた場合に 使用する接続先アドレス [説明] LANのsecondary IP addressへのPPTPアクセス用の相手のISDN番号を設定します Sets ISDN remote address for PPTP access to the LAN secondary IP address. [デフォルト値] pptp lan secondary remote address clear [ノート] ホストから相手ISDN番号を指定された場合には、ホストにより指定 された相手ISDN番号を使用する。(本コマンドによる設定は使用されない) [2] オンフック時に保留中の通話が存在していることを知らせるための呼出時間を 設定する機能を追加した。 ○コマンド仕様 ・アナログポートの再呼出時間設定 [コマンド書式] analog re-ringing-timer PORT TIME [パラメータ] PORT ...アナログポート番号(1〜3) TIME ...再呼出時間の秒数(10..180) [説明] 指定したアナログポートの再呼出時間を設定します [デフォルト値] 30 ○アナログポートからの設定 [機能番号] 85 [設定動作] 「オフフック」 「*」「#」「8」「5」 「ポート番号(1/2/3/*)」 「再呼出時間(10〜180)秒」 「#」 「オンフック」 [3] TELポートに接続された電話機の'#'ボタンをダイヤル完了ボタンとして 使用するか否かを選択する機能を追加した。 ○コマンド仕様 ・ダイヤル完了ボタンの設定 [コマンド書式] analog end-of-dialing-code PORT SW [パラメータ] PORT ...アナログポート番号(1〜3) SW - off ... '#'ボタンをダイヤル完了ボタンとして使用しない - on ... '#'ボタンをダイヤル完了ボタンとして使用する [説明] '#'ボタンをダイヤル完了ボタンとして使用するか否かを選択します。 offを指定すると'#'ボタンは回線番号として網に通知される。 [デフォルト値] on ○アナログポートからの設定 [機能番号] 84 [設定動作] 「オフフック」 「*」「#」「8」「4」 「ポート番号(1/2/3/*)」 「off: 0 / on: 1 」 「#」 「オンフック」 [4] DHCPサーバ機能をRFC2131に対応させた。従来の動作と切替えることがで きる。 ○コマンド仕様 ・RFC2131対応動作設定 [コマンド書式] dhcp server rfc2131 compliant on dhcp server rfc2131 compliant off dhcp server rfc2131 compliant [except] FUNCTION [FUNCTION ...] [パラメータ] on ... RFC2131準拠 off ... RFC1541準拠 FUNCTION ... broadcast-nak / none-domain-null / remain-silent / reply-ack / use-clientid [説明] DHCPサーバの動作を指定する。onの場合にはRFC2131準拠となる。off の場合には、RFC1541準拠の動作となる。 またRFC1541をベースとしてRFC2131記述の個別機能のみを対応させる 場合には以下のパラメータで指定する。これらのパラメータは複数列 挙できる。exceptを指示すると、指定したパラメータ以外の機能が RFC2131対応となる。 none-domain-null ... ドメイン名の最後にNULL文字を付加しない 本来であれば、ドメイン名の最後にNULL文字を付加すべきで はないが、Windows NT/2000のDHCPサーバはNULL文字を付加 している。そのため、Windows系のOSでのDHCPクライアント はNULL文字があることを期待している節があり、NULL文字が ない場合にはwinipcfg.exeでの表示が乱れるなどの問題が起 きる可能性がある。 broadcast-nak ... DHCPNAKをブロードキャストで送る 同じサブネット上のクライアントに対してはDHCPNAKはブロー ドキャストで送る。DHCPREQUESTをクライアントが INIT-REBOOT stateで送って来たものに対しては、giaddr宛 であればBbitを立てる。 remain-silent ... リース情報を持たないクライアントからのDHCPREQUESTを 無視する クライアントからDHCPREQUESTを受信した時に、そのクライ アントのリース情報を持っていない場合にはDHCPNAKを送ら ないようにする。 reply-ack ... DHCPNAKの代わりに許容値を格納したDHCPACKを返す クライアントから、リース期間などで許容できないオプショ ン値(リクエストIPアドレスは除く)を要求された場合でも DHCPNAKを返さずに許容値を格納したDHCPACKを返す。 use-clientid ... クライアントの識別にClinet-Identiferオプショ ンを優先する クライアントの識別にchaddrフィールドより Client-Identifierオプションを優先して使用する。 [デフォルト値] off [ノート] use-clientidの使い方についてはdhcp scope bindコマンドの[ノート] 参照のこと。 ・リース予約 [コマンド書式] dhcp scope bind SCOPE_NUM IP_ADDRESS MAC_ADDRESS dhcp scope bind SCOPE_NUM IP_ADDRESS [TYPE] IDENTIFIER [パラメータ] SCOPE_NUM ... スコープ番号(1-65535) IP_ADDRESS ... 予約するIPアドレス MAC_ADDRESS ... XX:XX:XX:XX:XX:XX (XXは2桁の16進数) クライアントのMACアドレス TYPE ... Client-Identifierオプションのtypeフィールドを決定する 'text' ... 0x00がtypeフィールドに入る 'ethernet' ... 0x01がtypeフィールドに入る IDENTIFIER ... クライアント識別子 TYPEが'ethernet'の場合 ... MACアドレス TYPEが'text'の場合 ... 文字列 TYPEが省略された場合 ... 2桁16進数の列で先頭はtypeフィールド [説明] IPアドレスをリースするDHCPクライアントを固定的に設定する。バイ ンドされたIPアドレスは、たとえDHCPスコープ中に他に割り当て可能 なIPアドレスがなくなった場合でも、その対応するクライアント以外 には割り当てられない。 [ノート] IPアドレスはSCOPE_NUMパラメータで指定されたDHCPスコープ内にあ るものでなければならない。ひとつのIPアドレスに複数のクライアン トを予約することはできない。 他のクライアントにリース中のIPアドレスを予約設定した場合、リー ス終了後からそのIPアドレスの割り当ては可能となる。 dhcp scopeコマンドを実行した場合、関連する予約はすべて消去され る。 第1の書式によるMACアドレスでの予約は、クライアントの識別にDHCP パケットのchaddrフィールドを用いる。この形の予約機能は、RTの設 定がdhcp server rfc2131 compliant offあるいはuse-cliantid機能 を使用しない設定になっているか、もしくはDHCPクライアントがDHCP パケット中にClient-Identifierオプションを付けてこない場合でな いと動作しない。 第2の書式を使う場合は、あらかじめdhcp server rfc2131 compliant onあるいはuse-clientid機能を使用するよう設定されていなければな らない。またdhcp server rfc2131 compliant offあるいは use-clientid機能が使用されないよう設定された時点で、第1の書式 によるもの以外の予約は消去される。 第2の書式でのクライアント識別子は、クライアントがオプションで 送ってくる値を設定する。TYPEパラメータを省略した場合には、type フィールドの値も含めて入力する。TYPEパラメータにキーワードを指 定する場合にはtypeフィールド値は一意に決定されるので Client-Identifierフィールドの値のみを入力する。 クライアントがClient-Identifierオプションを使う場合、第1の書式 での予約は、dhcp server compliant onあるいはuse-cliantidパラメー タが指定された場合には無効になるため、新たにClient-Identiferオ プションで送られる値で予約し直す必要がある。 dhcp scope bind での指定方法 第1の書式 1. dhcp scope bind SCOPE_NUM IP_ADDRESS 00:a0:de:01:23:45 第2の書式 2. dhcp scope bind SCOPE_NUM IP_ADDRESS ethernet 00:a0:de:01:23:45 3. dhcp scope bind SCOPE_NUM IP_ADDRESS text client01 4. dhcp scope bind SCOPE_NUM IP_ADDRESS 01 00 a0 de 01 23 45 01 01 01 dhcp server rfc2131 complient offあるいはuse-clientid機能なしの場合 +------------------------------+------+ | dhcp scope bind での指定方法 | 1. |(※1) +------------------------------+------+ |クライアントの識別に用いる情報|chaddr|(※2) +------------------------------+------+ ※1 他の方法での指定は出来ない ※2 Client-Identifierオプションは無視される dhcp server rfc2131 complient onあるいはuse-clientid機能ありの場合 +------------------------------+-----------+--------------------------+ | dhcp scope bind での指定方法 | 1. | 2. 3. 4. | +------------------------------+-----------+--------------------------+ |クライアントの識別に用いる情報|chaddr(※3)|Client-Identiferオプション| +------------------------------+-----------+--------------------------+ ※3 Client-Identifierオプションが存在しない場合に限られ、 Client-Identifierオプションが存在する場合にはこの設定は無 視される dhcp server rfc2131 compliant onあるいはuse-cliantid機能ありで アドレスをリースする場合、DHCPサーバはchaddrに優先して Client-Identifierオプションを使用する。そのため、この場合の show status dhcp実行でクライアントの識別子を確認することで、ク ライアントがClient-Identifierオプションを使っているか否かを判 別することも可能である。 すなわち、リースしているクライアントとしてMACアドレスが表示さ れていればClient-Identifierオプションは使用されておらず、16進 文字列あるいは文字列でクライアントが表示されていれば、 Client-Identifierオプションが使われている。この場合、 Client-Identifierオプションを使うクライアントへの予約は、ここ で表示される16進文字列あるいは文字列を使用する。 なお、クライアントとの相互動作に関して下記の留意点がある。 - 個々の機能を単独で用いるとクライアント側の思わぬ動作を招く可 能性があるため、dhcp server rfc2131 compliant onあるいはdhcp server rfc2131 compliant offで使用することを推奨する。 - RTの再起動、スコープの再設定などでリース情報が消去されている 場合、アドレス延長要求時、あるいはリース期間内のクライアント の再起動時、クライアントの使用するIPアドレスが変わることがあ る。 これを防ぐために rfc2131 compliant on(あるいは remain-silent 機能)が有効である場合がある。この設定では、RTがリース情報を 持たないクライアントからのDHCPREQUESTにDHCPNAKを返さず無視す る。  この結果、リース期限満了時にクライアントが出すDHCPDISCOVERに Requested IP Address オプションが含まれていれば、そのクライ アントには引き続き同じIPアドレスをリースできる。 ・重複チェック動作 [コマンド書式] dhcp server duplicate check CHECK1 CHECK2 [パラメータ] CHECK1 ... on LAN内を対象とするチェックを行なう off LAN内を対象とするチェックを行なわない CHECK2 ... on LAN外(DHCPリレーエージェント経由)を対象とするチェッ クを行なう off LAN外(DHCPリレーエージェント経由)を対象とするチェッ クを行なわない [説明] DHCPサーバとして機能する場合、クライアントにアドレスをリースする直 前に、そのリース予定のアドレスを使っているホストが他にいないことを チェックするか否かを設定する。 [デフォルト値] dhcp server duplicate check on on [ノート] LAN内の scope に対しては arp を、DHCPリレーエージェント経由の scope に対しては ping を使ってチェックする。 ■仕様変更 [1] DHCPサーバ機能でアドレスの予約時にエラーを返す条件を緩めた。 [2] DHCPサーバ機能において、IPアドレスのリース期限が切れてリース情報が 消失した場合に、できるだけ以前使っていたIPアドレスをクライアントが 再取得できるようにした。 [3] PPTP セッションの開始時および終了時に、アクセス元のホストのIPアド レスをDEBUGレベルのSYSLOGで出力するようにした。 ■バグ修正 [1] remote setupで相手にログインしている状態、および、相手から remote setup でログインされている状態で、PP[01]が正常に動作しない たバグを修正した。 [2] 双方向でCHAP認証をおこなう場合に、一方のCHAP Challengeパケットが 何らかの理由で消失すると認証に失敗するバグを修正した。 [3] show analog configコマンドで受話PAD値として送話PADの値を誤って表示 していたバグを修正した。 [4] show config等の表示で不要な空行が追加されることがあるバグを修正した。 [5] TA版RVS-COMでG4モードの発信が失敗したときに、G3モードでのフォール バック発信)が行なわれないバグを修正した。 Rev.4.01.06でエンバグしている。 [6] TAモードで、V.110の9600bit/sあるいは19200bit/sで接続したときに、 データの送受信がおこなわれないことがあるバグを修正した。 [7] かんたん設定に関して、以下のバグを修正した。 ・メール通知機能を手動で実行したときに、正常に実行が完了した場合でも エラーが発生したと表示していた。 ・切断コード表において以下の2つの切断コードの値が誤っていた。 "Data transaction timer (FAST) expired" "Forced disconnect timer expired" ・通信履歴でPP[10]の表示がPP010となっていた。 ・DOCTYPEの記述が誤っていた。 ・一部のページで画像の代替文字が誤っていた。 ・ネットワーク型プロバイダ接続のヘルプ画面において、NATの"nat", "nat-masquerade"の外側アドレスの指定で1個だけ設定する方法の説明の 記述が間違っていた。 以上