ftp://ftp.rtpro.yamaha.co.jp/pub/rt/relnote/Rev.04.00/relnote_04_00_07.txt Revision : 04.00.07 Release : Apr 1999, ヤマハ株式会社 RT200i/RT140[iefp]/RT103i Rev.4.00.07 リリースノート ========================================================================== ○ Rev.4.00.05からの変更点 ========================================================================== ■機能追加 [1] PPPのIPCP MS拡張機能によって、相手から通知されたDNSサーバを自分の上位 サーバとして使う機能を実装した。これによって、プロバイダがDNSサーバの アドレスを公開していない場合でも、プロバイダのDNSサーバを利用すること ができるようになる。 ○DNSサーバを通知してもらう相手先の設定 [コマンド形式] dns server pp PP番号 dns server pp none [パラメータ] PP番号 ... DNSサーバを通知してもらう相手先情報番号 [説明] DNSサーバを通知してもらう相手先情報番号を設定する。このコマンドで 相手先が設定されていると、DNSでの名前解決を行うときに、まずこの相 手先に発呼して、そこでPPPのIPCP MS拡張機能で通知されたDNSサーバに 対して問い合わせを行う。 相手先に接続できなかったり、接続できてもDNSサーバの通知がなかった 場合には名前解決は行われない。 dns serverコマンドでDNSサーバが明示的に指定されている場合には、そ ちらの設定が優先される。dns serverコマンドに指定したサーバから返 事がない場合には、相手先への接続とDNSサーバの通知取得が行われる。 [デフォルト] none [ノート] この機能を使用する場合には、dns server ppコマンドで指定された相手 先情報に、ppp ipcp msext onの設定が必要である。 [2] FR輻輳制御機能を実装した。 BECNおよびCLLMによる明示的輻輳通知を契機とする輻輳制御機能およびスロ ースタート機構を実装した。暗黙的輻輳検出およびFECNによる明示的輻輳通 知は扱わない。 ○輻輳制御をするか否かの設定 [コマンド書式] fr congestion control SW [パラメータ] SW on ... 輻輳制御を行う off ... 輻輳制御を行わない [説明] FRの輻輳制御を行うかどうかを設定する。CIRが設定されていないDLCIに 対しては、回線速度の半分のCIRが設定されているものとして動作する。 [デフォルト値] off ○DLCI毎のパラメータの設定 [コマンド書式] fr cir dlci=DLCI_NUM clear fr cir dlci=DLCI_NUM CIR [NAME=VALUE...] [パラメータ] DLCI_NUM ... DLCI番号 CIR ... CIR値(bit/s) NAME=VALUE ... オプション項目。以下のオプションがある slowstart-idle ... スロースタート状態に戻るまでのアイドル時間(秒) 0を設定すると、スロースタート動作を行わなくなる bc ... 認定バーストサイズ(ビット) be ... 超過バーストサイズ(ビット) s ... ステップカウント [説明] DLCI毎のパラメータを設定する。PP毎に設定し、そのPPに所属するDLCIに 対して設定が有効となる。 [デフォルト値] slowstart-idle = 20 bc = be = 7000 s = cir/bc/beから計算される値 [3] IPパケットを中継するときに、フィルタにマッチしたIPパケットのTOSフィー ルドを書き換える機能を実装した。 [コマンド書式] ip tos supersede N clear ip tos supersede N TOS [precedence=PRECEDENCE] F1 [F2...] [パラメータ] N ... 識別番号、1-65535 TOS ... 書き換えるTOS値、0-15 以下のニーモニックが利用できる normal ... 0 min-monetary-cost ... 1 max-reliability ... 2 max-throughput ... 4 min-delay ... 8 PRECEDENCE ... PRECEDENCE値(0-7) 省略した場合はPRECEDENCE値は変更しない Fn ... IPフィルタの番号 [説明] IPパケットを中継するときにTOSフィールドを指定した値に書き換える。 識別番号順にリストをチェックし、リストのフィルタを順次適用してい く。そして、最初にマッチしたフィルタが'pass'か'restrict'ならば、 TOSフィールドが書き換えられる。'reject'である場合は書き換えずに 処理を終わる。 [デフォルト値] clear ■仕様変更 [1] RADIUS機能で、以下の2条件を満たすときに、MSコールバックを行うようにし た。 ・PP Anonymousの設定でMSコールバックが許可されている ・アトリビュート'Service-Type'に'Callback-Framed'が設定されている アトリビュート'Callback-Number'(RADIUSサーバによっては'Login-Callback- Number')に値が設定されているときは、それをコールバック用ISDNアドレス として扱う。ISDN番号とサブアドレスの区切りは'/'である。 アトリビュート'Callback-Number'の値が設定されていないときは、発信者ア ドレスへコールバックする。 [2] 同じFR回線に複数のPPインタフェースをバインドできるようにした。 例えば、RT140[iefp]/RT200iでは、次のような設定が可能となる。 bri line 1 l128 pp select 1 pp bind bri 1 pp encapsulation fr fr dlci 16 pp enable 1 pp select 2 pp bind bri 1 pp encapsulation fr fr dlci 17 pp enable 2 同様に、RT103iでは、以下のように設定することができる。 pp line l128 pp select 1 pp encapsulation fr fr dlci 16 pp enable 1 pp select leased pp encapsulation fr fr dlci 17 pp enable leased 同じFR回線にバインドされたインタフェースのうち1つを代表と呼ぶ。1BRIモ デルでは、LEASEDインタフェースを代表とし、それ以外のモデルでは、最若番 のインタフェースを代表とする。 pp encapsulation frの設定は、関係する全てのインタフェースに対して設定 する必要がある。一方、fr lmi、fr inarp、fr congestion control、そして、 fr pp dequeue typeの各コマンドは、代表のインタフェースにのみ設定する。 なぜならば、代表のインタフェースに対する設定は、回線を代表する設定と して扱われるからである。 データリンクは、次の規則に従ってインタフェースに収容される。 データリンクのDLCIが、fr dlciコマンドで明示的に設定されているとき には、その設定のあるインタフェースに、データリンクが収容される。 そのDLCIが複数のインタフェースで設定されているときには、まず代表 のインタフェースが優先される。その後の優先順位は、番号の若い順と なる。 データリンクのDLCIが、fr dlciコマンドで明示的に設定されていないと きには、fr dlci autoが設定されているインタフェースに、データリン クが収容される。fr dlci autoの設定されたインタフェースがないとき には、どのインタフェースにも収容されない。fr dlci autoの設定され たインタフェースが複数あるときは、まず代表のインタフェースが優先 される。その後の優先順位は、番号の若い順となる。 ○回線に対する送信順序の設定 [コマンド書式] fr pp dequeue type TYPE [パラメータ] TYPE serial round-robin [説明] 同じFR回線に複数のインタフェースがバインドされるときには、複数の インタフェースへ向けられたパケットを順序付けてFR回線に送信する必 要が生じる。そこで、このコマンドで、送信順序の方式を設定する。 TYPEとしてserialを設定した場合には、同じFR回線にバインドされたイ ンタフェースに対して順位を与え、順位の高いインタフェースから優先 してパケットを送信する。 TYPEとしてround-robinを設定した場合には、優先順位を設定せず、全 てのインタフェースから均等にパケットを送信する。 順位については、相手先情報番号の若いインタフェースがより高い順位 を持つものと定義する。1BRIモデルでは、これに加えて、LEASEDが最も 高い順位を持つものと定義する。 [デフォルト値] round-robin [3] FRデータ圧縮機能に関して、fr compression useコマンドに以下の書式を追 加した。 fr compression use dlci=* on このコマンドが指定されたPPインタフェースでは、インタフェースが収容す る全てのデータリンクを圧縮の対象とする。以下のような併記も可能である。 この場合には、fr compression use dlci=* onが優先的に働く。 fr compression use dlci=* on fr compression use dlci=16 on fr compression use dlci=18 on また、圧縮を適用できる最大のデータリンクの数を以下のように増やした。 RT103i 最大16対地まで RT140[iefp]/RT200i 最大50対地まで 最大数を超えるような設定も可能である。その場合、最大数を超えるデータ リンクについては、圧縮が適用されない。 [4] 64バイト以下のパケットは、ppp mp divideコマンドの設定に関わらず、分割 せずにMP送信するようにした。 [5] CCPの制御パケットは、MPバンドルの下で送信するようにした。 [6] CCPの圧縮方式に'3stac'を追加した。一部の機器に対して有効な場合がある。 [7] MSCBCPで、発呼側がコールバックを要求したのに受信側でそれを拒否したと き、従来はMSCBCPのタイムアウトで切断されていたが、すぐに切断するよう にした。 [8] NATディスクリプタ機能に対して、以下の仕様変更を行った。 ○適用できるNATディスクリプタの最大数を4から16に増やした。 ○TUNNELインタフェースにNATディスクリプタを適用できるようにした。 [コマンド書式] ip tunnel nat descriptor NATディスクリプタ番号リスト [パラメータ] NATディスクリプタ番号リスト ... ・空白で区切られたNATディスクリプタ番号の並び(16個以内) ・clear : NATディスクリプタを適用しない。 [説明] 適用されたTUNNELインタフェースを通過するパケットに対して、リスト に定義された順番でNATディスクリプタによって定義されたNAT変換を順 番に処理する。 [デフォルト値] clear ○clear nat descriptor dynamicコマンドに'all'引数を追加した。 [コマンド書式] clear nat descriptor dynamic NATディスクリプタ番号 [パラメータ] NATディスクリプタ番号 ... NATディスクリプタの識別番号    ・all : 有効なNATディスクリプタのすべて    ・1から21474836までの整数 [説明] 指定されたNATディスクリプタのNATアドレステーブルをクリアする。 [ノート] 通信中にアドレス管理テーブルをクリアした場合、通信が一時的に不安 定になる可能性がある。 [デフォルト値] all ○show nat descriptor addressコマンドに'all'引数を追加した。 [コマンド書式] show nat descriptor address [NATディスクリプタ番号] [パラメータ] NATディスクリプタ番号 ... NATディスクリプタの識別番号    ・all : 有効なNATディスクリプタのすべて    ・1から21474836までの整数 [説明] NATディスクリプタのアドレスマップを表示する。 [デフォルト値] all ○各インタフェース毎にNATのアドレスマップを表示できるようにした。 [コマンド書式] show nat descriptor interface address pp show nat descriptor interface address tunnel show nat descriptor interface address lan show nat descriptor interface address lan1 show nat descriptor interface address lan2 [パラメータ] PP番号 ...    o 相手先情報番号    o anonymous    o leased TUNNEL番号 ...    o トンネルインタフェース番号 [説明] 各インタフェースに適用されているNATディスクリプタのアドレスマップ を表示する。 ○各インタフェース毎にNATのアドレスマップを消去できるようにした。 [コマンド書式] clear nat descriptor interface dynamic pp clear nat descriptor interface dynamic tunnel clear nat descriptor interface dynamic lan clear nat descriptor interface dynamic lan1 clear nat descriptor interface dynamic lan2 [パラメータ] PP番号 ...    o 相手先情報番号    o anonymous    o leased TUNNEL番号 ...    o トンネルインタフェース番号 [説明] 各インタフェースに適用されているNATディスクリプタのアドレステーブ ルをクリアする。 [9] show status priコマンドで、引数が与えられない場合にはすべてのPRIポー トについて表示を行うようにした。 [10] IPフィルタのログと発呼の原因となったパケットのログで、対象がDNS問い 合わせパケットであれば、問い合わせているFQDNを一緒に表示するようにし た。また、自分がリカーシブ動作をして生成した問い合わせパケットであれ ば、元のDNS問い合わせパケットを送信したホストのIPアドレスも表示する ようにした。 ■バグ修正 [1] 専用線をキープアライブで監視しているときに、双方でL1が落ちていないが 網で通信不能となった場合、網が復活しても通信が再開できないバグを修正 した。 [2] 2本の専用線でMPを組んでいるときに、一方の専用線がキープアライブによっ て切断状態となった後でその専用線のレイヤ1が落ちると、残った専用線によ る通信ができなくなるバグを修正した。 [3] 2本の専用線でMPを組んでいるときに、一方の専用線がキープアライブによっ て切断状態となった後で、もう一方の専用線のレイヤ1がDown/Upした時、一 回目のDown/Upでは通信が再開されるが、2回目以降は通信が復活しないバグ を修正した。 [4] 小さなパケットを大量に処理するときに、ルータ内にパケットが留まり、メ モリ不足になるのを修正した。 [5] 通信終了時にリブートすることがあるのを修正した。 [6] anonymousの着信時に、pp auth usernameで名前が設定されているにも関わら ず、着信を拒否することがあるのを修正した。 [7] 30000バイトより大きなパケットを処理するときに、正常に処理されないこと があるのを修正した。 [8] fr dlciコマンドで、手動設定のDLCIが最大32個までしかFlashROMに保存でき なかったのを最大96個に増やした。 [9] IPマスカレード使用時に、TCP/UDPチェックサムが壊れているパケットに正し いチェックサムをつけ直してしまうバグを修正した。 [10] RT140pで、専用線としてPRIをPPにバインドしたときに、show isdn remote コマンドの表示が正しくないのを修正した。 [11] SNMPトラップのうち、LinkUp/LinkDownが専用線に対して正しく上がってい なかったのを修正した。 [12] BACPでリンクを落とすときに、タイミングによっては余分なリンクを落とす ことがあるのを修正した。 [13] RT140pで、PRI専用線のコネクタを抜いても、show status ppコマンドで回 線が接続されているように表示されるバグを修正した。 [14] PP Anonymousから名前によるルーティングでの発呼を行うときに、接続でき るチャネルをすべて使い切った場合には発呼が失敗するが、その時に名前と Anonymous番号の結び付きが解放されないため、その後の発呼が本来自動で 選択されるべきAnonymous番号がすべて固定のものになってしまうバグを修 正した。 [15] FRが回線ごとダウンした場合に、バックアップが正しく動作しないバグを修 正した。Rev.4.00.02でエンバグした。 [16] IPsecで受信用のSAがないトンネルに対してパケットを送信するとリブート することがあるのを修正した。 [17] ARPテーブルがあふれたり、ARPに返事が得られないときにその後の動作が不 安定になるのを修正した。 [18] RT140[efp]で、トラヒックが激しいときにsaveなどを実行するとリブートす るのを修正した。 [19] 帯域制御機能の設定をするとリブートすることがあるのを修正した。 [20] RT140[iefp]で、LANインタフェースにIPアドレスを与えて、かつケーブルを 差していないと、一定時間後にLANの動作ができなくなるバグを修正した。 [21] RT103iで、LANからの受信が非常に多いときに、全体的な動作が不調に陥る のを修正した。 [22] NATディスクリプタの設定を変更したときにリブートすることがあるのを修 正した。 [23] MSコールバックに応答して発信したとき、show status ppコマンドで着信側 (incoming side)と表示されるバグを修正した。また、この修正により、MS コールバックでMP接続ができない現象も改善された。 [24] anonymousで着信した相手に対してコールバックをする設定で、MPを使って 2B目の発信をするとリブートするバグを修正した。