ftp://ftp.rtpro.yamaha.co.jp/pub/rt/rta50i/relnote/relnote_03_03_28.txt Revision : 03.03.28 Release : Mar 1999, ヤマハ株式会社 RTA50i Rev.3.03.28 リリースノート ========================================================================== ○ 追記 (1999年10月21日) ========================================================================== 本リリースノートの機能追加[2]は、β版としてリリースされているが、その後、 Rev.3.03.34において正式版としてリリースされた。 ========================================================================== ○ 重要なお知らせ ========================================================================== RTA50iにパソコンを接続して使用する場合、以下の点にご注意ください。 パソコンのソフトウェアやドライバの中には、ユーザの操作とは関係なく、自 動的に通信を始めようとするものがあります。 RTA50iは、このような通信の始まりを常に監視しており、通信先が遠隔地であ れば、その通信先に向けて自動的に発信し、通信を確立しようとします。 このような仕組みは、ダイアルアップルータが提供すべき重要な機能ですが、 その反面、ユーザの意図しない発信が起こり、予期しない電話料金が発生する 可能性もあります。 そこで本リビジョンでは、ダイヤルアップルータとしての基本的な動作に影響 を与えない範囲で、発信を抑える仕組みを追加しています。具体的内容は、下 記の仕様変更[1]および[6]をご参照ください。 プロバイダへの接続に対してこの仕組みを反映させるには、リビジョンアップ 後、プロバイダ情報を一度削除して登録し直す必要があります。 また、課金単位時間方式の自動切断をお使いの場合、WWWブラウザのかんたん 設定画面で設定しておいた課金単位時間の設定値が、リビジョンアップによっ て正しく継承されないことがありますので、ご注意ください。 ========================================================================== ○ Rev.3.03.25からの変更点 ========================================================================== ■機能追加 [1] PPPのIPCP MS拡張機能によって、相手から通知されたDNSサーバを自分の上位 サーバとして使う機能を実装した。これによって、プロバイダがDNSサーバの アドレスを公開していない場合でも、ルータには明示的にアドレスを設定す る必要がなくなる。 ○DNSサーバを通知してもらう相手先の設定 [コマンド形式] dns server pp PP番号 dns server pp none [パラメータ] PP番号 ... DNSサーバを通知してもらう相手先番号 [説明] DNSサーバを通知してもらう相手先番号を設定する。このコマンドで相手 先が設定されていると、DNSでの名前解決を行うときに、まずこの相手先 に発呼して、そこでPPPのIPCP MS拡張機能で通知されたDNSサーバに対し て問い合わせを行う。 相手先に接続できなかったり、接続できてもDNSサーバの通知がなかった 場合には名前解決は行われない。 dns serverコマンドでDNSサーバが明示的に指定されている場合には、そ ちらの設定が優先される。dns serverコマンドに指定したサーバから返 事がない場合には、相手先への接続とDNSサーバの通知取得が行われる。 [デフォルト] none [ノート] この機能を使用する場合には、dns server ppコマンドで指定された相手 先情報に、ppp ipcp msext onの設定が必要である。 [2] PIAFSの64kbit/s通信モードに対応した。本機能はβ版としてリリースされる。 利用するときは、PIAFSに関係するコマンドを入力する必要がある。以下に、 64kbit/s通信モードで発信するときの設定例を示す。 (設定例) pp select N isdn piafs call 64k pp enable N ※ Nは相手先情報番号 着信については、isdn piafs arriveコマンドで着信を許可するか否かを設 定する。このコマンドは、デフォルトでは着信を許可するように設定されて いる。PHSからルータに着信させるときには、PHSが発番号通知をするように PHSを設定しておく。 なお、この機能はTAモードでは利用できないことに注意する必要がある。 ○isdn piafs call SWの仕様変更 [コマンド書式] isdn piafs call {off|32k|64k} [パラメータ] SW off ... 発信を同期 PPPとする 32k ... 発信をPIAFS 32kとする 64k ... 発信をPIAFS 64kとする [説明] PIAFSモードの発信を可能にするか否かを設定する。また、PIAFSモード の速度を選択する。offに設定されているときには、発信は同期PPPにな り、32kに設定されているときには、発信はPIAFS 32kになる。また、64k に設定されているときには、発信はPIAFS 64kになる。 [デフォルト] off [ノート] PIAFS 64kでは特別なサブアドレスが用いられ、ユーザが設定したサブア ドレスは無視される。 ■仕様変更 [1] IPフィルタのプロトコル項目として、tcpfin、tcprstの2つを追加した。それ ぞれ、TCPのFINフラグ、RSTフラグの立っているパケットに合致する。 (設定例) ip filter 3 restrict * * tcpfin * www,ftp,nntp ip filter 4 restrict * * tcprst * www,ftp,nntp ip filter 100 pass * * * * * pp select N ip pp secure filter out 3 4 100 [2] 64バイト以下のパケットは、ppp mp divideコマンドの設定に関わらず、分割 せずにMP送信するようにした。 [3] CCPの制御パケットは、MPバンドルの下で送信するようにした。 [4] ip filterコマンドのプロトコルフィールドに記述できるものとして、 'icmp-error'と'icmp-info'を追加した。それぞれ、ICMPの以下のTYPEコード に合致する。 ・icmp-error 3 Destination Unreachable 4 Source Quench 5 Redirect 11 Time Exceeded 12 Parameter Problem 31 Datagram Conversion Error 32 Mobile Host Redirect ・icmp-info 0 Echo Reply 8 Echo 9 Router Advertisement 10 Router Selection 13 Timestamp 14 Timestamp Reply 15 Information Request 16 Information Reply 17 Address Mask Request 18 Address Mask Reply 30 Traceroute 33 IPv6 Where-Are-You 34 IPv6 I-Am-Here 35 Mobile Registration Request 36 Mobile Registration Reply [5] RVS-COM機能で、RVS-COMでしか受けられない着信があるとき、DTEタイマの値 によらず、ずぐにRVS-COMに着信させるようにした。 [6] かんたん設定について以下の仕様変更を行った。 1.ブラウザ終了時の発呼を防ぐフィルタを、プロバイダ新規登録時 に自動で設定するようにした。 2.プロバイダ登録のオプション設定に以下の項目を追加した。 プロバイダ新規登録時に自動で設定される。 ・強制切断タイマと再発信抑制タイマの設定 初期値:強制切断 540分、再発信抑制 15秒 対応コマンド:isdn forced disconnect time 32400 isdn call block time 15 ・課金制限の設定 初期値:1万円 対応するコマンド:pp account threshold 10000 ・自動切断における切断方式の選択。またそれぞれの方式の通信 監視時間の設定。 初期値:課金単位時間方式、課金単位 180秒、監視時間 6秒 対応コマンド:isdn disconnect policy 2 isdn disconnect interval time 180 6 2 ※この設定に関しては従来と初期値の変更はない。 3.IPフィルタの設定ができるようにした。 設定画面は、[システム管理]→[フィルタ設定] 4.コマンド入力を可能とした。 設定画面は、[システム管理]→[内部情報]→[コマンド入力] [7] PAP/CHAPの最大再送回数のデフォルト値を2回から10回に増やした。 [8] rdate、ntpdateコマンドの出力として、修正した秒数を表示するようにした。 [9] SYSLOGプロトコルによるログの通知では、前回と同じメッセージをまとめな いようにした。show logコマンドで表示されるログは、従来通り前回と同じ メッセージはまとめられて、回数だけが記録される。 [10] PPPの交渉で失敗して切断する場合に、PPPのエラーを記録して、ログの切断 理由としてエラーを表示できるようにした。記録されるエラーを以下に示す。 ・PPP: LCP Timeout LCPタイムアウト ・PPP: IPCP Timeout IPCPタイムアウト ・PPP: IPXCP Timeout IPXCPタイムアウト ・PPP: BCP Timeout BCPタイムアウト ・PPP: Peer refused authentication 相手が認証を拒否 ・PPP: I refused authentication 自分が認証を拒否 ・PPP: Authentication failed 認証失敗 また、これらのエラーが記録されたときには再発呼制限タイマ(isdn call prohibit time)の対象となるようにした。 [11] saveコマンドの仕様を変更し、新しくsave allというコマンドを追加した。 ・save ... ルータ、アナログのパラメータを保存する。 ・save all ... ルータ、アナログ、TA全てのパラメータを保存する。 なお、serial defaultとserial speedの両コマンドは、saveコマンドでは保 存されず、save allコマンドで保存する必要がある。 [12] CCPの圧縮方式に'3stac'を追加した。Stac-LZS圧縮を有効にしてプロバイダ に接続している場合に、プロバイダ側のルータの機種によっては途中で転送 が止まるなどのトラブルが発生していたが、圧縮タイプを'3stac'にすると 改善されることがある。 [13] MSCBCPで、発呼側がコールバックを要求したのに受信側でそれを拒否したと き、従来はMSCBCPのタイムアウトで切断されていたが、すぐに切断するよう にした。 [14] アナログポートの自己アドレスと着番号を比較するときに、番号種別/番号 計画識別子をチェックしないようにした。 [15] IPフィルタのログと発呼の原因となったパケットのログで、対象がDNS問い 合わせパケットであれば、問い合わせているFQDNを一緒に表示するようにし た。また、自分がリカーシブ動作をして生成した問い合わせパケットであれ ば、元のDNS問い合わせパケットを送信したホストのIPアドレスも表示する ようにした。 [16] NBTのブロードキャストパケットを、LANと擬似LANの間で中継するようにし た。これにより、擬似LANによってWindows PCを接続した場合に、LAN上の他 のWindows PCとの間でファイル共有などがスムーズに行える。 (注意) LAN側にはNetBIOSに対するフィルタが適用されているので、これを外す必要 がある。フィルタを外した場合、Window95やWindowsNTなどでは、NetBIOSの 名前解決により無駄な発呼をしてしまうことがあるので、以下の参考資料4. に従って、コンピュータの設定を変更する必要がある。 (参考資料) 1. http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/FAQ/Windows/NetBIOS-Filter.html 2. http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/FAQ/Windows/FileShare.html 3. http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/FAQ/Config/unknown-connect-filt er.html (Windowsファイル共有の失敗事例のNetBIOSフィルタの説明) 4. http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/FAQ/Windows/NetBIOS-DNS.html 5. http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/FAQ/TA/Pseudo-LAN.html ■バグ修正 [1] PP Anonymousで多地点を相手にNATで接続するときに、設定をしても再起動す るまで設定が有効にならないのを修正した。 [2] isdn auto connect offが設定されているときに、手動接続でMPの2B目を発信 できないバグを修正した。 [3] 専用線をキープアライブで監視しているときに、双方でL1が落ちていないが 網で通信不能となった場合、網が復活しても通信が再開できないバグを修正 した。 [4] 小さなパケットを大量に処理するときに、ルータ内にパケットが留まり、メ モリ不足になるのを修正した。 [5] RVS-COMに着信を振り分けるタイマが、正常に停止しないことがあるのを修正 した。 [6] PP Anonymousから名前によるルーティングで発呼を行うときに、接続できる チャネルがなければ発呼が失敗するが、そのときに名前とAnonymous番号の結 び付きが解放されないため、その後の発呼に使われるAnonymous番号がすべて 固定となるバグを修正した。 [7] かんたん設定において、課金情報をクリアするスケジュールが設定されてい る状態で、何も変更せずに設定ボタンを押すと、課金情報をクリアするスケ ジュールが消えることがあるバグを修正した。 [8] IPマスカレード使用時に、TCP/UDPチェックサムが壊れているパケットに対し て正しいチェックサムをつけ直してしまうバグを修正した。Rev.3.02.21でエ ンバグした。 [9] BACPでリンクを落とすときに、タイミングによっては余分なリンクを落とす ことがあるのを修正した。 [10] 以下の条件が揃うと擬似着信転送機能が起動しないバグを修正した。 ・着信転送失敗時の動作設定が「相手にビジーを返す」である。 ・擬似着信転送を起動するアナログポート以外のアナログポートで着信を拒 否する設定がされている。 (設定例) analog supplementary-service call-deflection address 1 転送先番号 analog supplementary-service call-deflection reject 1 busy analog supplementary-service pseudo call-deflection 1 analog use 2 off analog use 3 off [11] 擬似フレックスホン機能で、実際は2B接続中にも関わらず、保留用のチャネ ルの通信を示すLEDが点灯しないバグを修正した。 [12] LCPやIPCPなどで相手と交渉がうまくいかず、ConfReqの再送が回数オーバー となったときに、すぐにISDNを切断するようにした。 [13] アナログポートで2Bを使用しているとき、もしくは同一バス上の他端末が2B を使用しているときに、データ呼の通信中着信通知があると、この呼が解放 されないバグを修正した。 [14] 同一バス上の他端末が2Bを使用しているときに、データ呼の通信中着信通知 があると「チャネルなし」のALERT(TAの場合)やCONNECT(ルータの場合)を返 すバグを修正し、理由コード34「利用可回線/チャネルなしを含む」の REL COMPを返すようにした。 [15] 通信中着信通知に対して網着信転送を要求したとき、網に要求が拒否される と「チャネル指定なし」のALERTを網に送出するバグを修正した。 [16] アナログポートの使用制限設定が「未使用」であるときに、擬似着信転送中 の通話及び擬似通信中転送中の通話を強制切断することができるバグを修正 した。 [17] おおよそ30000バイトを超える大きなパケットを処理するときに、正常に処 理されないことがあるのを修正した。 [18] 擬似着信転送の起動と電話機のオフフックが重なると、オフフックした電話 機が無音状態になるのを修正し、擬似着信転送の起動を止めて着信に応答す るようにした。 [19] 全てのアナログポートの指定呼出回数を別々の回数に設定し、あるアナログ ポートで擬似着信転送を起動すると、他のアナログポートでは指定回数の呼 出後に擬似着信転送が起動しないバグを修正した。 [20] ARPテーブルがあふれたり、ARPに返事が得られない時にその後の動作が不安 定になるバグを修正した。 [21] かんたん設定のプロバイダの登録-オプション設定のページで、静的IPマス カレードを2つ以上登録したあとに、それらを正しく削除できないバグを修 正した。 [22] syslog debug onとsyslog hostを設定した状態で、アナログポートに接続さ れている機器を何度も使用すると、動作が不安定になるバグを修正した。 [23] 電話機による設定で、機能番号91もしくは99によってアナログポートの設定 を初期化したとき、擬似切断信号の設定が初期化されないバグを修正した。 以上