ftp://ftp.rtpro.yamaha.co.jp/pub/rt100i/relnote/relnote.01.05.05 Revision : 01.05.05 Release : Feb 1996, ヤマハ株式会社 RT100i Rev.1.05.05 リリースノート ========================================================================== ○ Rev.1.04.09 からの変更点 ========================================================================== ■機能追加 [1] MP(PPP Multilink Protocol; RFC1717) を実装した。 ・MP を使用するか否か [Command Format] ppp mp use SWITCH [Parameters] ・SWITCH - on .... MP を使用する - off ... MP を使用しない [Description] 選択された相手に対して MP を使用するか否かを選択する。 [Default] off [Note] この設定を on にしても、LCP の段階で相手とのネゴシエーションが成立し なければ MP を使わずに通信する。 ・MP の制御方法 [Command Format] ppp mp control SWITCH [Parameters] ・SWITCH - arrive ... 自分が 1B 目の着信側の時に MP を制御する - both ..... 自分が 1B 目の発信着信いずれの場合でも MP を制御する - call ..... 自分が 1B 目の発信側の時に MP を制御する [Description] MP を制御して 2B 目の発信／切断を行う場合を設定する。通常は default のように自分が 1B 目の発信側の時だけ制御するようにしておく。 [Default] call ・MP の最大リンク数 [Command Format] ppp mp maxlink NUMBER [Parameters] ・NUMBER ... 1-2 [Description] MP の最大リンク数を設定する。最大 2B チャネルの RT100i ではほとんど 意味のないコマンドである。 [Default] 2 ・MP のための負荷計測間隔の設定 [Command Format] ppp mp timer TIME [Parameters] ・TIME ... 秒数(5-100) [Description] MP のための負荷計測間隔を設定する。単位は秒。負荷計測だけでなく、す べての MP の動作はこのコマンドで設定した間隔で行われる。 [Default] 10 ・MP のための負荷閾値の設定 [Command Format] ppp mp load threshold CALL_LOAD CALL_COUNT DISC_LOAD DISC_COUNT [Parameters] ・CALL_LOAD ... 0-100(%) ・CALL_COUNT ... 回数(1-100) ・DISC_LOAD ... 0-50(%) ・DISC_COUNT ... 回数(1-100) [Description] 2B 目を発信したり切断したりする時のデータ転送負荷の閾値を設定する。 負荷は回線速度に対する % で評価し、送受信で大きい方の値を採用する。 CALL_LOAD を超える負荷が CALL_COUNT 回繰り返されたら 2B 目の発信を行 なう。逆に DISC_LOAD を下回る負荷が DISC_COUNT 回繰り返されたら 2B 目を切断する。 [Default] CALL_LOAD ... 70 CALL_COUNT ... 1 DISC_LOAD ... 30 DISC_COUNT ... 2 ・MP の設定の表示 [Command Format] show ppp mp PEER [Parameters] ・PEER ... 1-30 or 'anonymous' or 'leased [Description] MP に関する設定を表示する。 [2] 送信キューの長さをPPごとに設定するコマンドを新設。 ・キューの長さの設定 [Command Format] pp queue length LENGTH [Parameters] ・LENGTH ... キューの長さ(1-10000) [Description] 送信キューの長さを設定する。 [Default] 100 ・キューの長さの表示 [Command Format] show pp queue [PEER] [Parameters] ・PEER ... 1〜30 or 'anonymous' or 'leased' [Description] 選択されているか指定した相手先に対する送信キューの長さの設定を表示す る。 [3] ICMP パケットに関する動作を設定するコマンドを新設。 ICMP 関連のパケットを受信した時には DEBUGタイプのSYSLOG にメッセージが 表示される。 ・ICMP Destination Unreachable の送信 [Command Format] ip icmp unreachable send SWITCH [Parameters] ・SWITCH - on .... ICMP Destination Unreachable を出す - off ... ICMP Destination Unreachable を出さない [Description] ICMP Destination Unreachable を出すか否かを選択する。 [Default] on ・ICMP Redirect の送信 [Command Format] ip icmp redirect send SWITCH [Parameters] ・SWITCH - on .... ICMP Redirect を出す - off ... ICMP Redirect を出さない [Description] ICMP Redirect を出すか否かを選択する。 [Default] on ・ICMP Redirect の受信 [Command Format] ip icmp redirect receive SWITCH [Parameters] ・SWITCH - on .... ICMP Redirect を受けたら処理する - off ... ICMP Redirect を受けても無視する [Description] ICMP Redirect を受けた場合に処理するか無視するかを設定する。 [Note] Rev.1.04.09 以前のリビジョンでは、今回のリビジョンのデフォルト動作と 異なる。 [Default] off ・ICMP Time Exceeded の送信 [Command Format] ip icmp time-exceeded send SWITCH [Parameters] ・SWITCH - on .... ICMP Time Exceeded を出す - off ... ICMP Time Exceeded を出さない [Description] ICMP Time Exceeded を出すか否かを選択する。 [Default] on ・ICMP Parameter Problem の送信 [Command Format] ip icmp parameter-problem send SWITCH [Parameters] ・SWITCH - on .... ICMP Parameter Problem を出す - off ... ICMP Parameter Problem を出さない [Description] ICMP Parameter Problem を出すか否かを選択する。 [Default] on ・ICMP Echo Reply の送信 [Command Format] ip icmp echo-reply send SWITCH [Parameters] ・SWITCH - on .... ICMP Echo Reply を出す - off ... ICMP Echo Reply を出さない [Description] ICMP Echo Reply を出すか否かを選択する。 [Default] on ・ICMP Timestamp Reply の送信 [Command Format] ip icmp timestamp-reply send SWITCH [Parameters] ・SWITCH - on .... ICMP Timestamp Reply を出す - off ... ICMP Timestamp Reply を出さない [Description] ICMP Timestamp Reply を出すか否かを選択する。 [Default] on ・ICMP Mask Reply の送信 [Command Format] ip icmp mask-reply send SWITCH [Parameters] ・SWITCH - on .... ICMP Mask Reply を出す - off ... ICMP Mask Reply を出さない [Description] ICMP Mask Reply を出すか否かを選択する。 [Default] on ・ICMP関連の設定の表示 [Command Format] show ip icmp [Parameters] なし [Description] ICMP 関連の設定を表示する。 [4] schedule at コマンドで時刻のパラメータに指定できる 'startup' というキ ーワードを新設した。 'startup' を指定したスケジュールはルータ起動時に実行される。電源を入れ たらすぐ発信したい時などに便利。 ■仕様変更 [1] Welcome メッセージを Password: 入力が成功してから表示するように変更。 [2] 起動中に本体 LED の B1 と B2 を交互に点滅させるよう変更。 [3] ISDN の LED をデータ転送に伴って点滅させるようにした。 [4] anonymous でない相手からコールバック要求を受け付けてコールバックする時 には、網から通知された発番号ではなく isdn remote address コマンドで設 定された番号に発信するように変更。 [5] show ip route コマンドの表示を修正。 今までは単に static と表示していたが、下記のように詳細に表示するように 変更。 - IP アドレスとネットマスクの設定により暗黙のうちにできる経路 ... implicit - IPCP のネゴシエーションにより設定され、回線が切れるとなくなる経路 ... temporary - ip lan route add または ip pp route add コマンドにより設定される経路 ... static [6] IP ルーティングを 'off' にしてブリッジ接続している場合でも PP 側から自 分宛に投げられた IP パケットを処理するように変更。 [7] IP フィルタの仕様を若干変更。 これはフィルタの設定をより自然に解釈するもの。既に設定したフィルタが以 下に該当する場合には設定の変更が必要。 ・"ip filter pass * * icmp,tcp telnet" などのように、TCP/UDP 以外のプ ロトコルとポート番号の両方が指定されている場合 旧：ポート番号が指定されていると TCP/UDP 以外のパケットは全てフィル タに該当しないとされていた。つまり、上記の "icmp" の表記は意味が なかった。 新：TCP/UDP 以外のパケットに関しては、ポート番号の指定をチェックしな いようにした。つまり、上記の設定で "icmp" は pass と判断される。 ・"ip filter pass * * * telnet" などのように、TCP/UDP と明記せずにポー ト番号を指定していた場合 旧：TCP/UDP 以外（ICMP 等）はフィルタに該当しなかった。 新：TCP/UDP 以外もフィルタに該当するようになった。 ■バグ修正 [1] 接続した専用線にノイズがバーストで発生するとリブートやハングアップする 可能性があった点に対処。 [2] IPCP でネゴシエーションして決定された相手の IP アドレスが、ip pp route add コマンドで設定した経路情報の中の一つと一致した場合、回線切断後にこ の経路情報が消えてしまう点を修正。