Revision : 05.03.15 Release : Feb 2002, ヤマハ株式会社 RTW65b/RTW65i Rev.5.03.15 リリースノート ========================================================================== ○ Rev.5.03.11からの変更点 ========================================================================== ※RTW65i特有のISDN、アナログ電話などに関する項目については[RTW65i] と記してある。 ■機能追加 [1] NATでNetMeetingに対応する処理を追加した。動作を確認している条件は 以下のとおりである。 - NetMeeting Version 3.0 - ビデオ、音声、チャット、ホワイトボードの動作を確認済み - ディレクトリサービスに対応しない - 複数の端末がNATの外側へ同時に接続することはできない - NATの外側から内側の端末へ接続するためには、下記のような静的 IPマスカレードの設定が必要 (例) NATの内側の端末のIPアドレスが192.168.0.2の場合 nat descriptor masquerade static 1 1 192.168.0.2 tcp 1720 nat descriptor masquerade static 1 2 192.168.0.2 tcp 1503 (注意) Windowsの種類によっては動かないことがあります。 [2] DMZホスト機能を追加した。IPマスカレードで、外側から受信したパケッ トに該当する変換テーブルが存在しないときに、そのパケットを特定のホ ストに転送できるようにした。このほかにも、破棄や通過などの動作を選 択することができる。 かんたん設定ページからは、各プロバイダ毎に設定が可能で、プロバイダ を登録後、[登録の修正]-[NAT]の設定画面で行うことができる。 ○IPマスカレードで外側から受信したパケットに該当する変換テーブルが存 在しないときの動作の設定 [入力形式] nat descriptor masquerade incoming DESC_ID ACTION [IP_ADDRESS] [パラメータ] - DESC_ID ...... NATディスクリプタ番号 - ACTION ....... 動作 - through ... 変換せずに通す - reject .... 破棄して、TCPの場合はRSTを返す - discard ... 破棄して、何も返さない - forward ... 指定されたホストに転送する - IP_ADDRESS ... 転送先のIPアドレス [説明] IPマスカレードで外側から受信したパケットに該当する変換テーブル が存在しないときの動作を設定する。ACTIONがforwardのときには IP_ADDRESSを設定する必要がある。 [デフォルト値] reject [3] プロバイダ情報としてLAN側のDNSサーバアドレスを設定するコマンドを追 加した。 ○ LAN側DNSサーバアドレスの設定コマンド [入力形式] provider LAN dns server IP_ADDRESS [IP_ADDRESS] [パラメータ] LAN ... lan/lan1/lan2 IP_ADDRESS ... IPアドレス または 'clear' [説明] プロバイダ情報としてLAN側のDNSサーバアドレスを設定する。 DNSサーバは2つまで設定できる。 ISDNとCATVを複数プロバイダ設定するとき、手動設定したCATVのdns server情報を別途保存するために設定する。 イーサネット接続を含んだ複数プロバイダの設定をするときに、かん たん設定ページが使用する。 [デフォルト値] clear [4] 無線LANに関する以下の2つのパラメータ設定コマンドを追加した。 ○基本転送レートの設定 [入力形式] airlink basic-rate RATE [RATE] [パラメータ] RATE ... 転送レート 11 ... 11Mbit/s 5.5 ... 5.5Mbit/s 2 ... 2Mbit/s 1 ... 1Mbit/s [説明] 管理フレーム、制御フレームを送信する時の基本転送レートを設定す る。 使用するレートが複数ある場合は、それらを列挙する。 [デフォルト値] 2 1 [備考] 通常は、デフォルト値のままお使いください。 ○DTIM間ビーコン送出周期の設定 [入力形式] airlink dtim-period PERIOD [パラメータ] PERIOD ... 周期、1〜65535 [説明] DTIM間を1周期とした時のビーコン送出周期を設定する。 [デフォルト値] 1 [備考] 通常は、デフォルト値のままお使いください。 [5] IPマスカレードを動作させている時に、PPTPによるMSVPNを変換できるよ うにした。ルータ、Windows PC、Windowsサーバのすべてで特別な設定は 必要なく、IPマスカレードの内側(プライベートアドレス側)にあるPPTPク ライアントであるWindows PCから外側(グローバルアドレス側)にあるPPTP サーバであるWindowsサーバとの間にPPTPによるVPNトンネルを通常の動作 で設定できる。 同時に扱えるPPTPセッションの数に特に制限は設けていない。RTがIPマス カレードで扱える同時セッション数(最大4096)に制限を受ける。PPTPでは 制御用と通信用で最低でも2つのセッションを必要とすることに注意。 [6] IPマスカレードで利用するポートの範囲を設定できるようにした。 ○IPマスカレードで利用するポート番号の範囲を設定 [入力形式] nat descriptor masquerade port range DESC START [NUM] [パラメータ] DESC ... ディスクリプタ番号 START ... 開始ポート番号、1024〜65534 NUM ... ポート数、1〜4096、省略時は4096 [説明] IPマスカレードで利用するポート番号の範囲を設定する。STARTとNUM の和が65535以下(START + NUM ≦ 65535)でなくてはいけない。 [デフォルト] 60000 4096 [7] IPv6インタフェースのリンクMTUを設定できるようにした。 ○リンクMTUの設定 [入力形式] ipv6 INTERFACE(lan/lan1/lan2/pp) mtu MTU [パラメータ] MTU ... インタフェースのリンクMTU、1280〜1500 [説明] IPv6インタフェースのリンクMTUを設定する。 [デフォルト値] 1500 [8] ルーティングを制御するコマンドとして、ipv6 routingコマンドを追加し た。 書式や動作はip routingコマンドに準ずる。 [9] NAT/IPマスカレードで、FTPとして認識するポート番号を設定できるよう にした。 ○FTPとして認識するポート番号の設定 [入力形式] nat descriptor ftp port DESC PORT [PORT...] [パラメータ] DESC ... ディスクリプタ番号、1〜 PORT ... ポート番号、1〜65535 [説明] TCPで、このコマンドにより設定されたポート番号をFTPの制御チャネ ルの通信だとみなして処理をする。 [デフォルト] 21 [10] 通信履歴を表示するコマンドを追加した。 ○通信履歴の表示 [入力形式] show history [説明] 通信履歴を表示する。 [11] RFC2461に基づくIPv6のリダイレクト(redirect)の機能を追加した。 ○リダイレクトの送信を制御するコマンド [入力形式] ipv6 icmp redirect send SW [パラメータ] SW on ... 送信する off ... 送信しない [説明] IPv6のRedirectパケットを送信するか否かを選択する。 [デフォルト値] on ○リダイレクトの受信を制御するコマンド [入力形式] ipv6 icmp redirect receive SW [パラメータ] SW on ... 受信して処理する off ... 受信しても処理しない [説明] IPv6のRedirectパケットを受信したときにそれを処理するか否かを選 択する。 [デフォルト値] off [12] PP anonymousでの呼の衝突時に発信を禁止する機能を追加した。[RTW65i] ○呼の衝突時に発信を禁止するかどうかの設定 [入力形式] isdn call collision prohibit SW [パラメータ] SW on ... 呼の衝突時に発信を禁止する off ... 呼の衝突時に発信を禁止しない [説明] 選択されている相手について呼の衝突時に発信を許可するか否かを選 択する。 [ノート] PP毎のコマンドである。 PPとしてanonymousが選択されたときにのみ有効である。 [デフォルト値] off ■仕様変更 [1] 64bit WEP時は5文字もしくは16進数10桁、128bit WEP時は13文字もしくは 16進数26桁桁の固定長のWEPキーしか設定できないようにした。 [2] LAN/WANインタフェースのパケット送信に関するタイミング調整を行った。 具体的には、送信タイムアウト値を100-200msecから30-40msecに変更した。 これにより送信停止状態からのリカバリが早くなり、スループットの向上 が見込まれる。 [3] LAN/WANインタフェースでNATしているときに、外側IPアドレスとして LAN/WANインタフェースのIPアドレスを使用する場合には、そのIPアドレ スを自分のIPアドレスとして利用しないようにした。 ただし、他に利用できるIPアドレスが全く無いときにはそのIPアドレスを 利用する。 [4] DHCPクライアントとして得る経路のimplicitの扱いをtemporaryに変更し た。 ■バグ修正 [1] Windows XPを搭載したPCとの無線接続において、ネットワークが不意に 切断されることがある不具合を修正した。 [2] かんたん設定ページで複数同時接続の設定をした後でプロバイダを削除す ると、残ったプロバイダ設定から手動接続できなくなるバグを修正した。 また、以下の点を変更した。 - 複数同時接続の設定をした後にプロバイダを削除しても、残ったプロバ イダ設定から自動接続できるようにした。 - ISDN/CATV併用設定時に、プロバイダ接続方式の手動接続方式を「切替 える」に設定できないようにした。(ISDNとCATVの併用設定時は、フィ ルタ型ルーティングをしなければならないため) - プロバイダ接続方式の設定で[ひとつのプロバイダに接続する]が選択さ れているとき、[自動接続先]と[手動接続方式]に変更がない場合は「変 更なし」として登録作業を行なわないようにした。 [3] ip lan1 addressのヘルプにデフォルト値が表示されないバグを修正した。 [4] PPPoEのネットワーク型のとき、接続中にかんたん設定ページで「IPアド レスは付与されませんでした。」と表示されるバグを修正した。 [5] かんたん設定ページでプロバイダを10個登録して[新規登録]画面を表示さ せたとき、プロバイダ設定は10個までしか登録できないにも関わらず[そ のほか]の選択肢が表示されていたのを、表示しないようにして代わりに 注意文を表示させるように修正した。 [6] かんたん設定ページで複数のプロバイダを登録すると、[料金と通信の記 録]、[システム管理]-[料金設定]ページで、全てのプロバイダが「選択 中」と表示されていたのを、[プロバイダ接続管理]ページで「選択中」と なっているもののみを「選択中」と表示するようにした。 同様に、ヘルプファイルを修正した。 [7] かんたん設定ページの切断コード表にエラーコード1305に関する記述を追 加した。 [8] 不要なRejected directed broadcastのsyslogが出力されるバグを修正し た。 [9] 欠番 [10] IPマスカレードで使用可能なポートがほぼ全て使用されている場合に、 ハングアップのような状態になることがあるのを修正した。 また、同時に、show nat descriptor addressコマンドで使用ポート数を 表示できるようにした。 [11] 時刻や日付の設定時に1秒進んで設定されるのを修正した。 [12] ブロードバンドTA接続にて、ルータ接続のほうのPPPoEセッションを強制 切断したときに間違ったsyslogが出力されるバグを修正した。 (例) 誤: PPPOE[Broad-TA] Closing PPPOE[Broad-TA] session 正: PPPOE[Broad-TA] Closing PPPOE[nn] session [13] かんたん設定ページの通信履歴で、以下のバグを修正した。 - ブロードバンドTA接続が「PPn」と表示されていたのを、 「Broadband-TA」と表示させるようにした。 - broadband-ta forced disconnect offに設定されている場合、ブロー ドバンドTA接続が「ISDN」と表示され、切断しても「通信中」と表示 されたままになっていたのを、エラーコード 34を表示させるようにし た。 [14] LAN/WANインタフェースでのデータ受信の負荷が非常に高いときに、デー タ送信がおこなわれなくなることがあるバグを修正した。 [15] LAN側のネットワークの一部をWAN側に代理ARPで配置する設定のときに、 WAN側の機器が正しく認識されないバグを修正した。 [16] 自分宛てのIPv6パケットのNext Headerフィールドが認識できないときに 送信するICMP Parameter Problem MessageのPointerフィールドの値が正 しくないバグを修正した。 [17] M FlagとOffsetがともに0であるようなIPv6のフラグメントパケットを処 理せずに破棄してしまうバグを修正した。 [18] ipv6 INTERFACE addressコマンドでプレフィックス長として128を設定す ると、show ipv6 addressコマンドで、該当するアドレスがanycastとし て表示されるバグを修正した。 [19] ipv6 INTERFACE secure filterコマンドで登録されていないフィルタ番 号を設定すると、通信中にリブートすることがあるのを修正した。 [20] 再起動するまでIPv6のルータ広告の設定が有効にならないバグを修正し た。 [21] IPv6の近隣探索で、TLLA optionのない近隣広告(NA)を受信したときに、 近隣キャッシュ(neighbor cache)に間違ったMACアドレスを登録してしま うバグを修正した。 [22] pppoe access concentrator コマンドで空白を含む文字列を名前として 設定できないバグを修正した。 また、入力エラー発生時の文字列が誤っているバグも修正した。 [23] リモートセットアップの接続情報が PP[01]の接続情報として表示される バグを修正した。 [24] RIPngで受信したdefault経路をルーティングテーブルに登録できないこ とがあるのを修正した。 [25] RIPngで削除プロセス(*)に入っている経路と、それと同じ宛先に対する nexthopの異なる経路の両方が存在しているときに、削除プロセスに入っ ている経路と同じ経路を受信すると、ルーティングテーブルが正しく更 新されないバグを修正した。 (*) 削除を通知するためにmetric 16で広告される経路のこと。 [26] http://(IPアドレス)/air.htmlの「無線LANの電波に関する注意」へのリ ンクが「MACアドレスフィルタ」へのリンクになっているのを修正した。 [27] IPv6 over IPv4トンネル機能で、tunnel endpoint addressコマンドや tunnel enable/disableコマンドを設定してもそれがすぐには有効になら ず、設定を保存し再起動しないと正しく動作しないバグを修正した。 [28] データ部のないICMPv6 Echoを受信したときにリブートするバグを修正し た。 [29] NATでFTPのコマンドを変換するときに動作が不安定になるバグを修正し た。 なお、この問題はIPマスカレードによる変換では発生しない。 [30] serial pseudo-lan offと設定して擬似LAN接続の使用を停止した状態で Windows PCからNetBIOSのパケットを受信するとリブートすることがある バグを修正した。 [31] PPPoE接続中にbri disableコマンドを実行すると、通信が切断されてし まうバグを修正した。[RTW65i] [32] フレックスホンのミキシング通話状態(三者通話)で通話相手の二者が同 時に通話を切断すると、その後の発信で相手を呼出しているにも関わら ず受話器からはビジートーンが流れたり正常な動作が行われなくなるバ グを修正した。[RTW65i] [33] 以下の全ての条件が揃っているときに着信があると、これ以降電話の発 着信ができなくなるバグを修正した。[RTW65i] - 擬似着信転送の設定がされている - 着信転送の指定呼出回数が1以上に設定されている - 話中着信しないに設定されている - 通話中(外線/内線通話どちらでも同様) 「発着信できなくなる」とは、以下の様な状態をいう。 発信:ビジートーンが受話器から流れる。発呼しない。 着信:「お客様と通信のできる機器が〜」とアナウンスが発信側に流れる [34] かんたん設定ページから以下のアナログ関係の設定を行なっても正しく 動作しないバグを修正した。[RTW65i] - ダイヤルイン番号によるTELポートの鳴り分けができない。 - モデム/PBダイヤル、無鳴動着信機能が設定通りに動作しない。 [35] 周囲の音などにより、ダイヤル中にDTMF信号'A'-'D'の誤検出があると、 そのアナログポートが使用不能となってしまう事があるのを修正した。 [RTW65i] 以上