Revision : 04.01.06 Release : Aug 2000, ヤマハ株式会社 RTA52i Rev.4.01.06 リリースノート ========================================================================== ○ 追記 (2000年10月24日) ========================================================================== 既知の問題点[1]の説明が不十分であったため、発生する現象についての説明を 追記した。 ========================================================================== ○ 追記 (2000年9月13日) ========================================================================== 機能追加[7]により、かんたん設定ページへのアクセス制限に関する動作が変更 されたことについての説明を追記した。 ========================================================================== ○ 追記 (2000年9月6日) ========================================================================== 既知の問題点を追記した。 ========================================================================== ○ Rev.3.06.xx から Rev.4.01.xx への移行に関する注意事項 ========================================================================== 本ファームウェアではいくつかの機能に関する設定用のコマンド仕様が変更され ています。 本ファームウェアにリビジョンアップした後に再びこれまでのファームウェアに リビジョンダウンした場合には、それらの設定が消えてしまいます。 そのような場合でも設定を元の状態に戻すことができるようにしておくために、 本ファームウェアにリビジョンアップする前の状態の設定をtftpクライアント等 を使用してファイルに保存しておくことをお薦めします。 ========================================================================== ○ Rev.3.06.25からの変更点 ========================================================================== ■機能追加 [1] LAN上の端末からTAのようにダイヤルアップ接続することを可能とする機能 (LAN-TA機能)を実装した。 なお、本機能はPPTPプロトコルにより実現されている。 ○概要 本機能を使用するためには、Microsoft社のWindows95やWindows98などの 「Microsoft(R) VPN Adapter/マイクロソフト(R)仮想プライベートネット ワーク」が必要となる。 本機能を使用してPCからダイヤルアップ接続をすると、PCのPPP Adapter には接続先からグローバルIPアドレスが割り当てられることになるため、 TAを使用して接続したときと同様に使用することが可能となる。 なお、本機能は着信、コールバック接続、および、PIAFSでの接続には対応 していない。 LAN-TA機能に関する情報の参照先: http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/FAQ/LAN-TA/index.html ○かんたん設定での操作 [付加機能]の[LAN-TA機能]において設定と実行をおこなう。 操作方法は、LAN-TAのヘルプ画面を参照。 ○コマンド仕様 ・PPTPでの自己アドレスの設定 [コマンド書式] pptp local address ISDN_NUMBER/SUB_ADDRESS pptp local address clear [パラメータ] ISDN_NUMBER ... 自己ISDN番号 SUB_ADDRESS ... 自己ISDNサブアドレス clear ... 自己ISDNアドレスなし [説明] PPTPの自分のISDN番号を設定する。 [デフォルト値] clear ・PPTPによりアクセスできるホストのIPアドレスの設定 [コマンド書式] pptp host none pptp host any pptp host lan pptp host IP_RANGE [IP_RANGE...] [パラメータ] none ... すべてのホストからPPTPによりアクセスできない any ... すべてのホストからPPTPによりアクセスできる lan ... 同一ネットワーク内のホストからのPPTPによりアクセスできる IP_RANGE ... PPTPによりアクセスできるホストのIPアドレスまたは IPアドレス範囲 (IPアドレス範囲は"IPアドレス-IPアドレス"により指定) [説明] PPTPによりアクセスできるホストを設定する。 [デフォルト値] none ・PPTPの切断タイマの設定 [コマンド書式] pptp disconnect time TIME pptp disconnect time off [パラメータ] TIME ... 切断タイマの秒数(1..21474836) off ... 切断タイマなし [説明] PPTPの接続相手に対して、タイムアウトにより回線を切断する時間を 設定する。 [デフォルト値] 60 ・PPTPの課金情報の表示 [コマンド書式] show pptp account [パラメータ] なし [説明] PPTPの課金情報を表示する。 ・PPTPの課金情報のクリア [コマンド書式] clear pptp account [パラメータ] なし [説明] PPTPの課金情報をクリアする。 ・PPTP の接続に関する情報の表示 [コマンド書式] show status pptp [パラメータ] なし [説明] PPTPの接続に関する情報を表示する。 ・PPTPインタフェースパケットのダンプをSYSLOGへ出力するか否かの設定 [コマンド書式] packetdump pptp SESSION_ID [COUNT] [パラメータ] SESSION_ID ... PPTPのセッションID(1-2) COUNT パケット数(1-21474836) off ... 出力しない infinity ... offにするまで出力する [説明] PPTPインタフェースを入出力するパケットのダンプ情報をDEBUGタイプ のSYSLOGで出力するか否かを設定する。 [デフォルト値] 100 [2] かんたん設定にフレッツ・ISDN(IP接続サービス)に対応した常時接続の設定 項目を追加した。 プロバイダ接続設定(端末型とネットワーク型)の画面で設定する。 なお、フレッツ・ISDN用に設定した場合には、通常のプロバイダ接続用の 設定とは以下の点で異なる設定となることに注意が必要である。 ・タイマによる自動切断がおこなわれない。 ・連続通信時間制限による強制切断がおこなわれない。 ・課金による発信制限がおこなわれない。 ・MP接続が不可能となる。 また、フレッツ・ISDNの設定では以下が可能となる。 ・セキュリティ用のフィルタ設定の選択 ・メール着信確認機能における任意のチェック周期の設定 [3] NATディスクリプタ機能を実装した。 NATディスクリプタ機能は、従来のNAT機能の拡張であり、より汎用的、 体系的にNAT機能を利用するための枠組みを提供する。 主な特徴は、より細かなアドレス変換規則を記述できることと、LANインタ フェースに対してアドレス変換規則を適用できることである。 NATディスクリプタに関する情報の参照先: http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/nat-descriptor/index.html ○概要 本機能では、アドレス変換規則を表す記述をNATディスクリプタと呼ぶ。 それぞれのNATディスクリプタには、アドレス変換の対象とすべきアドレス 空間が定義される。アドレス空間の記述には、以下の2つのコマンドを用い る。 ・nat descriptor address inner ・nat descriptor address outer 前者はNAT処理の内側のアドレス空間を、後者はNAT処理の外側のアドレス空 間を定義するコマンドである。原則的に、これら2つのコマンドを対で設定 することにより、変換前のアドレスと変換後のアドレスとの対応づけが定義 される。 NATディスクリプタは、LANインタフェースとPPインタフェースに適用する ことができる。LANインタフェースに適用するときには、 ip lan nat descriptorコマンドを用いる。また、PPインタフェースに適用 するときには、ip pp nat descriptorコマンドを用いる。 NATディスクリプタは、動作タイプという属性を持つ。IPマスカレードや アドレスの静的割当てなどの機能を利用するときには、該当する動作タイプ を選択する必要がある。 ○Rev.4系NATディスクリプタとの違い ・適用可能数 Rev.4.00系: 各インタフェースにつき 16個 まで Rev.4.01系: 各インタフェースにつき 2個 まで ○コマンド仕様 ・NATでのアドレス割当の記録 [コマンド書式] nat descriptor log SW SW ... スイッチ - on ... 記録をとる - off ... 記録をとらない [説明] NAT/IP Masquerade機能で、動的なアドレスの割当をログに記録する 機能を追加した。デフォルトでは記録はされないが、 nat descriptor logコマンドの設定をonにすると、アドレスの割当と 解放のタイミングでinfoレベルのsyslogが出力される。 [デフォルト値] off ・LAN側インタフェースにNATディスクリプタを適用する設定 [コマンド書式] ip lan nat descriptor NATディスクリプタ番号リスト [パラメータ] NATディスクリプタ番号リスト ... ・空白で区切られたNATディスクリプタ番号(1〜21474836)の並び (2個以内) ・clear: NATディスクリプタを適用しない。 [説明] 適用されたLANインタフェースを通過するパケットに対して、 リストに定義された順番でNATディスクリプタによって定義された NAT変換を順番に処理する。 [ノート] LAN側に設定されたNATディスクリプタのOUTERアドレスに関しては、 同一LANのARP要求に対してARP応答する。 [デフォルト値] NATディスクリプタ番号 ... clear ・PP側インタフェースにNATディスクリプタを適用する設定 [コマンド書式] ip pp nat descriptor NATディスクリプタ番号リスト [パラメータ] NATディスクリプタ番号リスト ... ・空白で区切られたNATディスクリプタ番号(1〜21474836)の並び (2個以内) ・clear: NATディスクリプタを適用しない。 [説明] 適用されたPPインタフェースを通過するパケットに対して、リストに 定義された順番でNATディスクリプタによって定義されたNAT変換を 順番に処理する。 [デフォルト値] NATディスクリプタ番号 ... clear ・NATディスクリプタの動作タイプを指定する [コマンド書式] nat descriptor type NATディスクリプタ番号 NATディスクリプタの動作タイプ [パラメータ] NATディスクリプタ番号 ... NATディスクリプタの識別番号 ・1から21474836までの整数 NATディスクリプタの動作タイプ ... ・none: NAT変換機能を利用しない。 →nat use off, nat masquerade off相当 ・nat: 動的NAT変換と静的NAT変換が利用できる。 →nat use on, nat masquerade off相当 ・masquerade: 静的NAT変換とIPマスカレード変換 →nat use on, nat masquerade on相当 ・nat-masquerade: 動的NAT変換と静的NAT変換とIPマスカレード変換 →新タイプ [説明] NAT変換の動作タイプを指定する。 [デフォルト値] none ・NAT処理の外側IPアドレスの設定 [コマンド書式] nat descriptor address outer NATディスクリプタ番号 OUTER_IP_REGIONのリスト [パラメータ] NATディスクリプタ番号 ... NATディスクリプタの識別番号 ・1から21474836までの整数 OUTER_IP_REGION ... NAT対象の外側IPアドレス範囲のリスト、 あるいは、ニーモニック ・IP: 1個のIPアドレス ・IP-IP:IPアドレス範囲 ・ipcp: ・primary: ・secondary: ※アドレスの場合、空白で区切ってリストできる。 ※ニーモニックの場合、リストは駄目。1個だけ適用。  適用されるインタフェースにより意味が異なる。 [説明] nat address globalコマンド相当。 動的NAT処理の対象である外側のIPアドレスの範囲を指定する。 IPマスカレードでは、先頭の1個の外側のIPアドレスが使用される。 [ノート] +-------------+-----------------+ | | 適用Interface | | | | | | LAN | PP | +-------------+--------+--------+ | ipcp | × | ipcp | +-------------+--------+--------+ | primary | ○ | × | +-------------+--------+--------+ | secondary | ○ | × | +-------------+--------+--------+ | IP | ○ | ○ | +-------------+--------+--------+ | IP-IP(範囲) | ○ | ○ | +-------------+--------+--------+ [デフォルト値] ipcp ・NAT処理の内側IPアドレスの設定 [コマンド書式] nat descriptor address inner NATディスクリプタ番号 INNER_IP_REGIONのリスト [パラメータ] NATディスクリプタ番号 ... NATディスクリプタの識別番号 ・1から21474836までの整数 INNER_IP_REGION ... NAT対象の内側IPアドレス範囲 ・IP: 1個のIPアドレス ・IP-IP:IPアドレス範囲 ・auto: すべて。 ※アドレスの場合、空白で区切ってリストできる。 ※ニーモニックの場合、リストできない。 [説明] nat address privateコマンド相当。 NAT/IPマスカレード処理の対象である内側のIPアドレスの範囲を指定する。 [ノート] +-------------+-----------------+ | | 適用Interface | | | | | | LAN | PP | +-------------+--------+--------+ | auto | all | all | +-------------+--------+--------+ | IP | ○ | ○ | +-------------+--------+--------+ | IP-IP(範囲) | ○ | ○ | +-------------+--------+--------+ [デフォルト値] auto ・静的NATエントリの設定 [コマンド書式] nat descriptor static NATディスクリプタ番号 ID OUTER_IP=INNER_IP [COUNT] [パラメータ] NATディスクリプタ番号 ... NATディスクリプタの識別番号 ・1から21474836までの整数 ID ... 静的NATエントリの識別情報 ・1以上の数値 OUTER_IP ...外側IPアドレス ・1つのIPアドレス INNER_IP ... 内側IPアドレス ・1つのIPアドレス COUNT ... 連続設定する個数 ・個数 (省略すると1) [説明] NAT変換で固定割り付けするIPアドレスの組み合せを指定する。 個数数を同時に指定すると指定されたアドレスと始点とした範囲指定 とする。 [ノート] 外側アドレスがNAT処理対象として設定されているアドレスである 必要は無い。 ・IPマスカレード使用時のrlogin,rcp,sshの使用許可設定 [コマンド書式] nat descriptor masquerade rlogin NATディスクリプタ番号 USE [パラメータ] NATディスクリプタ番号 ... NATディスクリプタの識別番号 ・1から21474836までの整数 USE ・on: 使用する。 ・off: 使用しない。 [説明] IPマスカレード使用時のrlogin,rcp,sshの使用を許可する。 [デフォルト値] off ・静的IPマスカレードエントリの設定 [コマンド書式] nat descriptor masquerade static NATディスクリプタ番号 ID INNER_IP PROTOCOL PORT [パラメータ] NATディスクリプタ番号 ... NATディスクリプタの識別番号 ・1から21474836までの整数 ID ... 静的IPマスカレードエントリの識別情報 ・1から21474836までの整数 INNER_IP ...内側IPアドレス ・1つのIPアドレス PROTOCOL ... 対象プロトコル ・tcp: tcpプロトコル ・udp: udpプロトコル ・プロトコル番号:IANA で割り当てられている PROTOCOL NUMBERS PORT ... 固定するポート番号、または、範囲指定 ・ポート番号、または、ポート番号のニーモニック [説明] IPマスカレードによる通信でポート番号変換をおこなわないように ポートを固定する。 ・NATのIPアドレスマップの消去タイマの設定 [コマンド書式] nat descriptor timer NATディスクリプタ番号 TIME [パラメータ] NATディスクリプタ番号 ... NATディスクリプタの識別番号 ・1から21474836までの整数 TIME ... 消去タイマの秒数設定 ・30から21474836の整数 [説明] 動的に生成されたNAT管理テープルから自動的に消去されるまでの 時間を設定する。 [デフォルト値] 900 ・NATディスクリプタの削除 [コマンド書式] nat descriptor delete NATディスクリプタ番号 [パラメータ] NATディスクリプタ番号 ... NATディスクリプタの識別番号 ・1から21474836までの整数 [説明] 指定されたNATディスクリプタ番号の設定を削除(初期化)する。 ・静的NATエントリの削除 [コマンド書式] nat descriptor static delete NATディスクリプタ番号 ID [パラメータ] NATディスクリプタ番号 ... NATディスクリプタの識別番号 ・1から21474836までの整数 ID ... 静的NATエントリの識別情報 ・1から21474836までの整数 [説明] 静的NATエントリを削除する。 ・静的IPマスカレードエントリの削除 [コマンド書式] nat descriptor masquerade static delete NATディスクリプタ番号 ID [パラメータ] NATディスクリプタ番号 ... NATディスクリプタの識別番号 ・1から21474836までの整数 ID ... 静的IPマスカレードエントリの識別情報 ・1から21474836までの整数 [説明] 静的IPマスカレードエントリを削除する。 ・設定したNATディスクリプタの設定状態表示 [コマンド書式] show nat descriptor config NATディスクリプタ番号 [パラメータ] NATディスクリプタ番号 ... NATディスクリプタの識別番号 ・1から21474836までの整数 [説明] NATディスクリプタの設定状態を書式に従って表示する。 ・動作中のNATディスクリプタのアドレスマップの表示 [コマンド書式] show nat descriptor address NATディスクリプタ番号 [パラメータ] NATディスクリプタ番号 ... NATディスクリプタの識別番号 ・all : 有効なNATディスクリプタのすべて ・1から21474836までの整数 [説明] NATディスクリプタのアドレスマップを表示する。 [デフォルト値] all ・各インタフェース毎にNATのアドレスマップを表示 [コマンド書式] show nat descriptor interface address pp show nat descriptor interface address lan [パラメータ] PP番号 ... o 相手先情報番号 o anonymous o leased [説明] 各インタフェースに適用されているNATディスクリプタのアドレスマップ を表示する。 ・動作中のNATディスクリプタの適用リストの表示 [コマンド書式] show nat descriptor interface bind [パラメータ] なし [説明] NATディスクリプタと適用インタフェースのリストを表示する。 ・NATアドレステーブルのクリア [コマンド書式] clear nat descriptor dynamic NATディスクリプタ番号 [パラメータ] NATディスクリプタ番号 ... NATディスクリプタの識別番号 ・all : 有効なNATディスクリプタのすべて ・1から21474836までの整数 [説明] 指定されたNATディスクリプタのNATアドレステーブルをクリアする。 [ノート] 通信中にアドレス管理テーブルをクリアした場合、通信が一時的に 不安定になる可能性がある。 [デフォルト値] all ・各インタフェース毎にNATのアドレスマップを消去できるようにした。 [コマンド書式] clear nat descriptor interface dynamic pp clear nat descriptor interface dynamic lan [パラメータ] PP番号 ... o 相手先情報番号 o anonymous o leased [説明] 各インタフェースに適用されているNATディスクリプタのアドレス テーブルをクリアする。 [4] キャッチホン・ディスプレイ機能を追加した。 ○概要 本機能は、NTTの電話網で提供されているキャッチホン割り込み電話番号表示 サービス(キャッチホン・ディスプレイ※)と同様の機能をアナログポートで 提供するものである。 (※:通信中(二者)にキャッチホン等による割り込み着信があった場合、   当該割込呼の発信者の電話番号等を通知するサービス) なお、本機能に対応するためにナンバー・ディスプレイ設定コマンドの仕様 が変更された。 ○かんたん設定での操作 [電話設定]の[オプション設定]画面の[その他]の 「ナンバー・ディスプレイ対応機器の接続」において設定をおこなう。 ○コマンド仕様 ・ナンバー・ディスプレイ設定コマンド [コマンド書式] analog arrive number display PORT MODE [パラメータ] PORT ...アナログポート番号(1〜3) MODE : - off ... ナンバー・ディスプレイ、キャッチホン・ディスプレイ を使用しない - on ... ナンバー・ディスプレイを使用する - with-catch-phone ... ナンバー・ディスプレイとキャッチホン・ディスプレイ の両方を使用する [説明] 指定したアナログポートでナンバー・ディスプレイを使用可能にする。 'with-catch-phone'では、話中着信設定が'on'であれば ナンバー・ディスプレイに加えてキャッチホン・ディスプレイも使用 可能にすることができる。 [デフォルト値] off [ノート] キャッチホン・ディスプレイを使用する場合、話中着信設定で話中着信 を許可する設定にする。 [5] ダイヤルアップサーバとして使用するために、接続相手の端末にIPアドレス を付与する設定をかんたん設定のLAN間接続設定に追加した。 なお、ダイヤルアップサーバとして使用する設定と通常のLAN間接続のため の設定を共用させることはできない。 [6] 受信したICMPパケットをログに記録するかどうかを指定できるようにした。 ○コマンド仕様 ・ICMPパケットをログを記録するか否かの指定 [コマンド書式] ip icmp log SW [パラメータ] SW ... スイッチ on ... 受信したICMPをログに記録する off ... 受信したICMPをログに記録しない [説明] ICMPパケットをログを記録するか否かを選択する。 [デフォルト値] off [ノート] debugレベルのsyslogとして出力される。 [7] httpサーバ機能のセキュリティに関して様々な設定ができるようにした。 なお、Rev.3.06.25以前のリビジョンには本機能は実装されておらず 「すべてのホストからのかんたん設定ページへのアクセスを許可する」 という動作であったが、本リビジョンにリビジョンアップをすると 「LAN側TCP/IPネットワーク内のホストからのかんたん設定ページへの  アクセスのみを許可する」 という動作となる。 "httpd host any"と設定することにより、Rev.3.06.25以前と同じ動作と なる。 ○コマンド仕様 ・httpサーバ機能の有無の設定 [コマンド書式] httpd service SW [パラメータ] SW ... スイッチ on ... httpサーバ機能を有効にする off ... httpサーバ機能を無効にする [説明] httpサーバを有効にするか否かを選択する。 [デフォルト値] on [ノート] 変更した設定値は再起動しなければ動作に反映されない。 ・httpサーバ機能のlistenポートの設定 [コマンド書式] httpd listen PORT [パラメータ] PORT ... ポート 1-65535 httpサーバの待ち受け(listen)ポート番号 [説明] httpサーバの待ち受けるポートを指定する。 [デフォルト値] 80 [ノート] 変更した設定値は再起動しなければ動作に反映されない。 ・httpサーバへアクセスできるホストのIPアドレスの設定 [コマンド書式] httpd host any httpd host lan httpd host none httpd host IP_RANGE [IP_RANGE...] [パラメータ] any ... すべてのホストからのアクセスを許可する。 lan ... LAN側TCP/IPネットワーク内のホストのアクセスを許可する。 none ... すべてのホストからのアクセスを禁止する。 IP_RANGE ... httpサーバへアクセスを許可するホストのIPアドレス またはIPアドレス範囲 (IPアドレス範囲は"IPアドレス-IPアドレス"により指定) [説明] httpサーバへのアクセスを許可するホストを設定する。 [デフォルト値] lan [ノート] "lan"を指定した場合、ネットワークアドレスおよびlimited broadcast addressを除くホストアドレスからのリクエストを許可する。 ただし、primary addressおよびsecondary address がどちらもclearと 設定されているならばアクセスは許可されない。 [8] 従来は LAN/PPインタフェースのMTUが1500に固定されていたが、64から1500 の範囲で変更できるようにした。 ○コマンド仕様 ・LAN/PPインタフェースのMTUを変更するコマンド [コマンド書式] ip lan mtu MTU ip pp mtu MTU [パラメータ] MTU ... MTUの値、64〜1500 [説明] 各インタフェースのMTUの値を設定する。 [デフォルト値] 1500 [9] かんたん設定に関して、以下の機能追加をおこなった。 ・[システム管理]の[内部情報]の画面において a) [Config表示]の内容をtext形式で表示してブラウザから簡単に保存 できるようにした。 b) [Config表示]の内容をhtml形式で表示してブラウザから簡単に保存 できるようにした。 c) [Syslog表示]の内容を text 形式で表示してブラウザから簡単に保 存できるようにした。 d) [コマンド入力]からコマンドを入力して実行したときに、実行内容 のログを表示するようにした。 なお、実行内容のログの表示形式は ・横幅(桁数)は"console columns"コマンドの設定値に従う ・文字コードは"console charactor"コマンドの設定値に従う ただし、eucと設定された場合にはsjisで表示される e) 直前のコマンドの実行内容のログを表示することができるようにし た。 f) syslogに記録するログのレベルとsyslogを受けるホストを設定でき るようにした。 g) [Config表示]と[Syslog表示]の表示において、スクロールの有無と スクロール有の場合の表示行数を設定できるようにした。 [10] 前面ボタンの操作により、IPアドレスの設定、DHCPサーバの設定、および、 リビジョンの確認をおこなうことができるようにした。 ■仕様変更 [1] i・ナンバーサービスにおいて1回線で3番号が利用できるようになったこ とに対応した。 ○コマンド仕様 ・ルータで着信するi・ナンバーポート番号の設定 [コマンド書式] isdn arrive inumber-port PORT [PORT] [PORT] [パラメータ] PORT i・ナンバーのポート番号 - none ... 着信しない - 1 ... ポート番号1で着信する - 2 ... ポート番号2で着信する - 3 ... ポート番号3で着信する - all ... すべてのポート番号で着信する [説明] ルータで着信するi・ナンバーサービスのポート番号を選択する。 [デフォルト値] all ・i・ナンバーサービスのポート番号とアナログポートの対応付け [コマンド書式] analog arrive inumber-port PORT all analog arrive inumber-port PORT none analog arrive inumber-port PORT INUM_PORT [INUM_PORT] [INUM_PORT] [パラメータ] PORT ... アナログポートの番号 (1, 2, 3) INUM_PORT ... i・ナンバーサービスのポート番号 (1, 2, 3) [説明] i・ナンバーサービスで網から送られるポート番号を、アナログポート に対応付ける。対応付けたポート番号が送られてきたら、そのアナログ ポートが着信を受ける。'all'を設定したときには、どのポート番号が 送られてきても着信を受ける。'none'を設定したときには、どのポート 番号が送られてきても着信を受けない。 [デフォルト値] i・ナンバーサービスのポート番号と同じ番号のアナログポートが着信 を受ける。 ・アナログダイヤルインと無鳴動着信機能の設定 [コマンド書式] analog arrive incomming-signal PORT NUMBER ADDRESS TYPE SIGNAL DIAL_IN-NUMBER analog arrive incomming-signal delete PORT NUMBER [パラメータ] PORT ... アナログポート番号(1〜3) NUMBER ... 登録番号(1〜) ADDRESS ... アドレス - global .... グローバル着信を登録 - local1 .... 1番目のローカルアドレスを登録 - local2 .... 2番目のローカルアドレスを登録 - local3 .... 3番目のローカルアドレスを登録 - local4 .... 4番目のローカルアドレスを登録 - local5 .... 5番目のローカルアドレスを登録 - inumber1 ... iナンバポート1を登録 - inumber2 ... iナンバポート2を登録 - inumber3 ... iナンバポート3を登録 TYPE ... HLC種別 - tel ... HLCが電話 - fax ... HLCがFAX - none ... HLCがない - all ... 全てのHLC SIGNAL: - modem ... モデムダイヤルイン - pb ... PBダイヤルイン - no-ringing-fax ...無鳴動着信 DIAL-IN-NUMBER ... アナログ機器に送出するダイヤルイン番号 (SIGNALでmodemとpbを指定したときのみ有効) [説明] 指定したPORTに対して、ADDRESSとTYPEの一致する着信があったときに、 SIGNALに相当した着信処理をおこなう。アナログダイヤルインのときには、 DIAL-IN-NUMBERで設定されたダイヤルイン信号を出す。 ・LAN版RVS-COM(ISDN-DCP)で着信するi・ナンバーポート番号の設定 [コマンド書式] isdn-dcp arrive inumber-port PORT [PORT] [PORT] [パラメータ] PORT ... i・ナンバーのポート番号 - none ... 着信しない - 1 ... ポート番号1で着信する - 2 ... ポート番号2で着信する - 3 ... ポート番号3で着信する - all ... すべてのポート番号で着信する [説明] LAN版RVS-COM(ISDN-DCP)で着信するi・ナンバーサービスのポート番号 を選択する。 [デフォルト値] all ○ATコマンド仕様 ・TAで着信するi・ナンバーポート番号の設定 [コマンド書式] ATS102=n [パラメータ] n - 0 ... 着信しない - 1 ... ポート番号1で着信する - 2 ... ポート番号2で着信する - 3 ... ポート番号1,2で着信する - 4 ... ポート番号3で着信する - 5 ... ポート番号1,3で着信する - 6 ... ポート番号2,3で着信する - 7 ... 全てのポート番号で着信する [デフォルト値] 7 ○アナログポートからの設定 [機能番号] 81 [設定動作] 「オフフック」 「*」「#」「8」「1」 「ポート番号(1/2/3/*)」 「i・ナンバーサービスのポート番号(0/1/2/3/*)(複数可)」 「#」 「オンフック」 なお、i・ナンバーサービスのポート番号として「*」を押すと、コマン ドの'all'の意味となる。同様に「0」はコマンドの'none'の意味となる。 ○かんたん設定 ・ルータで着信するi・ナンバーポート番号の設定 [システム管理]の項目で設定する。 ・i・ナンバーサービスのポート番号とアナログポートの対応付け [電話設定]の項目で設定する。 ・アナログダイヤルインと無鳴動着信機能の設定 [電話設定]の[オプション設定]の項目で設定する。 ・LAN版RVS-COM(ISDN-DCP)で着信するi・ナンバーポート番号の設定 [付加機能]-[LAN版RVS-COM]の項目で設定する。 [2] PIAFS プロトコルの起動側を指定する設定値のデフォルト値をbothからcall に変更した。 これにより ・購入直後の状態で使用しているユーザは、"isdn piafs control call"と 設定される。 ・"isdn piafs control both"と設定して使用しているユーザは、 "isdn piafs control both"を改めて入力し直さなければ "isdn piafs control both"とはならない。 ・"isdn piafs control call"あるいは"isdn piafs control arrive"と設定 して使用しているユーザは、何も操作しなくともこれまで通りに "isdn piafs control call"あるいは"isdn piafs control arrive" と設定される。 [3] 静的IPマスカレードの設定コマンドで、任意のプロトコルを設定できるよう にした。従来は'tcp'と'udp'以外は設定できなかったが、'icmp'のような ニーモニックと10進数を指定できるようになる。 [4] 前面ボタンの操作による[DHCPサーバの設定]で[DHCPリレーエージェント]と 設定することができないようにした。 なお、すでに[DHCPリレーエージェント]と設定してある場合には、[OFF]と して表示され、Enterボタンを押すとOFFに設定変更される。 [5] かんたん設定に関して、以下の仕様変更をおこなった。 ・累積料金、累積接続時間、あるいは、累積発信回数の発信制限、および、 認証エラーまたはMP接続エラーの制限により発呼できない状態のときに、 トップページに注意文を表示するようにした。 ・登録可能なプロバイダ情報の最大数を4から30に変更した。 ・[システム管理]の[内部情報]において[コマンド入力]から入力可能なコマ ンドの種類を増やした。 かんたん設定から入力不可能なコマンドを以下に示す。 administrator, cold start, exit, less config [pp], less log, packetdump pp/lan, ping, pp copy, pp default, quit, remote setup, telnet, traceroute ・少ない操作で以下の画面を表示することができるようにした。 a) [電話設定:オプション設定]の画面(TELポートの指定あり) b) [システム管理:内部情報]の画面 c) [システム管理:IPフィルタの設定]の画面 ・ディレクトリアクセスされた場合に、Moved Permanentlyで応答するよう にした。 これにより、例えば、"http://192.168.0.1/kantan"にアクセスした場合 に"http://192.168.0.1/kantan/"が表示されるようになった。 ・パスワードが未設定(工場出荷状態など)の状態で、トップページ以外の ページがアクセスされたときに、パスワードの初期設定画面を表示して パスワードを入力してからアクセスできるようにした。 ・ヘルプ画面を複数の画面に分割して、説明を追加した。 ■バグ修正 [1] TAモードで、再発信規制タイマが動作していなかったバグを修正した。 ある宛先への発信が正常に接続できなかった、あるいは、接続が異常終了し た場合には、その後60秒間はその宛先への発信を拒否するようにした。 [2] MP接続での2B通信中にアナログポートへ着信して通話しているときに、更に ルータまたはTAへの着信があると、アナログでの通話が自分から切断できな くなるバグを修正した。 [3] 自動切断が禁止されている状態で接続を切断したときに、切断の理由および ログが正しく表示されないバグを修正した。 [4] 同じネットワークに属する2つのアドレスをLANインタフェースに設定した のちに、1つのアドレスを変更すると、そのネットワークに対する経路情報 が正しく更新されないことがあるバグを修正した。 [5] 同一LAN内に多数の端末が存在するときに、一部の端末と正常に通信ができ なくなることがあるバグを修正した。 [6] LANインタフェースで短時間に大量のパケットを受信したときに、その後の LANインタフェース動作に問題が発生するバグを修正した。 このバグ修正は Rev.3.06.25 での修正を更に強化したものである。 [7] PIAFSモードでのPP anonymousへの2つ目の着信が失敗するバグを修正した。 Rev.3.06.25でエンバグしている。 [8] ある接続先と接続している状態で、他の接続先への接続契機となるパケット を受信してキューイングしたときに、現在接続している接続先が切断される 前にそのパケットが内部で廃棄された場合でも、その廃棄されたパケットの ために接続をおこなうことがあるバグを修正した。 [9] MSコールバックの着信による折り返しの発信において、累積料金、累積接続 時間、および、累積接続回数の制限が有効とはならないバグを修正した。 [10] 2つ目のPP anonymousに関する累積料金、累積接続時間、および、累積接続 回数がPP anonymous全体の情報に正しく加算されないために ・show pp account anonymous の表示内容が正しくない ・2つ目のPP anonymous の発信制限が有効とはならない となるバグを修正した。 [11] 参照中のルーティングテーブルやNAT関連のテーブルをコマンドで設定変更 するとリブートすることがあるバグを修正した。 [12] i・ナンバー契約の回線に接続しているときに、設定された自己サブアド レスとは異なるサブアドレスを指定する着信に対しても応答してしまうバグ を修正した。 [13] かんたん設定に関して、以下のバグ修正をおこなった。 ・[料金情報]画面でISDN-DCPの料金の[クリア]ボタンを押してもISDN-DCPの 料金がクリアされなかった。 ・一部の画像に ALT 指定がなかった。 ・専用線のネットワーク型プロバイダ接続設定のNAT関連の設定項目で設定 状態が正しく表示されないことがあった。 ・ネットワーク型接続の設定された状態で、接続中に設定を変更しようとし て失敗したときに、次に表示される画面が端末型設定の画面になっていた。 ・[ネットワーク型プロバイダ接続設定]で[専用線]の設定をおこなうと、 [手動接続/切断]の画面に登録していないLAN間接続の状態が表示された。 ・LAN間接続の設定で、[CONN/DISCボタン接続/切断設定]により設定を変更 することができなかった。 ・LAN間接続の設定で使用しているときに、累積料金、累積接続時間、また は、累積接続回数の制限により発信できないと、画面が正しく表示されな いことがあった。 ========================================================================== ○ 既知の問題点 ========================================================================== [1] "ip route"コマンドまたは"ip lan route add"コマンドにより、LANインタ フェース経由となる経路を設定しても、その経路へのパケットが正しく処 理されないことがある。 その状態では、以下のいずれかの現象が発生する。 ・"show ip route"により表示されるその経路へのインタフェースが"LAN1" ではなく"undefined"と表示される。 ・その経路へのパケットがLANインタフェースから送信されずに、RTA52iが 自分宛のパケットとして処理をしてしまう。 ・「ipGetMyAddress: illegal ifNum[0]」というDEBUGレベルのSYSLOGが出 力される。 なお、"ip lan route add"コマンドにより経路を設定した場合には、設定 直後には現象が発生せずに再起動後に現象が発生する。 以上