Revision : 09.01.18 Release : May. 2007, ヤマハ株式会社 RT58i Rev.9.01.18 リリースノート ========================================================================== ○ Rev.9.01.13 からの変更点 ========================================================================== ■ 機能追加 [1] 緊急番号(110、118、119)の処理方式を選択できるコマンドを新設した。 ○緊急番号の処理方式の設定 [書式] analog extension emergency-call-dial type TYPE no analog extension emergency-call-dial type [設定値] TYPE special-number... 緊急番号を特別な番号として処理する normal-number.... 通常の番号として処理する [説明] 緊急番号の処理方式を設定する。 special-numberに設定した場合は、緊急番号(110、118、119)を特別な番 号と認識して、3桁目をダイヤルした時点で一般回線に即時発信されるが、 normal-numberに設定した場合は、3桁目をダイヤルした時点ではダイヤル 桁間タイマが作用して、4桁目以降をダイヤルすることができる。 これにより、normal-numberに設定した場合は、緊急番号(110、118、119) の発信経路をVoIPにすることが可能となる。 カスケード接続の構成で使用する場合は、全ての機器で本コマンドの設定 を同じ設定にしなければならない。 [初期値] special-number [2] 事業所集団電話(ビル電話)、PBX、あるいは、VDSL集合装置にPSTNポートを接 続して使用したときに、呼出信号を正しく検出できずに着信できない現象が発 生することがある。 この問題を解消するための以下の機能を実装した。 ・検出する呼出信号の周波数の上限と下限を変更できるようにした。 ○呼出信号周波数の上限と下限を設定 [書式] pstn ringing signal frequency MINIMUM MAXIMUM no pstn ringing signal frequency [設定値] ・MINIMUM ..... 周波数の下限(10Hz - 15Hz) ・MAXIMUM ..... 周波数の上限(20Hz - 40Hz) [説明] 検出する呼出信号の周波数の上限と下限を設定する。 [ノート] 設定を保存して再起動しなければ、設定は有効にならない。 着信時に、RT58iのLINE LEDが点滅せず、TELポートに接続された アナログ機器が着信鳴動しないという場合は、本コマンドで呼出 信号周波数の周波数範囲を変更する。 [初期値] MINIMUM : 15Hz MAXIMUM : 30Hz [設定例] 初期値の周波数範囲で着信時にLINE LEDが点滅しない場合は まず、周波数範囲の下限を変更する。 呼出信号周波数の周波数範囲を13Hzから30Hzに設定する。 pstn ringing signal frequency 13 30 周波数範囲の下限を変更してもLINE LEDが点滅しない場合は 周波数範囲の上限を変更する。 呼出信号周波数の周波数範囲を15Hzから35Hzに設定する。 pstn ringing signal frequency 15 35 ・呼出信号の信号種別を判定するための鳴動時間を変更できるようにした。 ○呼出信号の種別を判定する閾値を設定 [書式] pstn ringing signal threshold T1 T2 T3 T4 [説明] 鳴動時間により呼出信号の種別を判定する閾値を設定する。 鳴動時間 種別 ------------------------------------------------------ T1〜T2 内線呼出信号 T2〜T3 ナンバー・ディスプレイ用呼出信号 T3〜T4 通常の呼出信号 ------------------------------------------------------ [ノート] 着信時に、RT58iのLINE LEDは点滅するがTELポートに接続された アナログ機器が着信鳴動しない、または、アナログ機器が着信鳴 動するまでに数十秒かかるという場合には、本コマンドで呼出信 号の種別を判定する閾値を変更する。 [初期値] T1 : 200 msec T2 : 400 msec T3 : 700 msec T4 : 1500 msec [設定例] PBXや事業所集団電話(ビル電話)にRT58iを接続して使用している。 接続しているPBXや事業所集団電話(ビル電話)にナンバー・ディ スプレイ、モデムダイヤルイン機能はない、または、機能はある が使用していない。 # pstn ringing signal threshold 200 700 700 1500 [3] ルータ側には存在しないPPPoEセッションを強制的に切断するか否かを設定す るコマンドを追加した。 ○ルータ側には存在しないPPPoEセッションを強制的に切断するか否かの設定 [書式] pppoe invalid-session forced close SW no pppoe invalid-session forced close [設定値] SW on ... ルータ側には存在しないPPPoEセッションを強制的に切断す る off ... ルータ側には存在しないPPPoEセッションを強制的に切断し ない [説明] ルータ側には存在しないPPPoEセッションを強制的に切断するか否かを設 定します。 [初期値] on [4] VoIP機能やカスケード接続で使用するRTP/RTCPの待ちうけポート番号を変更で きるようにした。 ○ RTP/RTCPで使用するポート番号の設定 [書式] audio rtp port PORT no audio rtp port [PORT] [設定値] PORT ... ポート番号 (6000 ... 65000) [説明] RTPおよびRTCPで使用するポート番号を設定する。 設定したポート番号から機器で必要な分のポート数を確保する。 設定できるポート番号は偶数に限る。 他のアプリケーション等で使用するポート番号と重ならないように注意す る必要がある。 また、この設定を変更した場合は、NATやFILTERの設定を見直す必要があ る。 通話中は設定を変更できない。 [初期値] 5004 [5] ISDNのアナログ呼着信時、着サブアドレスに関わらずTELポートに着信できる ようにするコマンドを追加した。 任意の着サブアドレスへの着信をTELポートで受けることが可能となる。 ○サブアドレスにかかわらず着信を許可するか否かの設定 [書式] analog arrive ignore-subaddress permit PORT PERMIT no analog arrive ignore-subaddress permit PORT [PERMIT] [設定値] ・PORT TEL ポート番号 (1-N) ・PERMIT on ... 許可する off ... 許可しない [説明] サブアドレス情報要素にかかわらず着信を許可するか否かを設定する。 analog local address コマンドによってサブアドレスを含むダイヤルイ ン番号を設定している場合は、このコマンドの設定に関わらず、サブアド レス情報要素まで一致した場合に着信する。 [ノート] ダイヤルイン番号を設定して、かつサブアドレス情報要素に関わらず着信 させるためには、ダイヤルイン番号をサブアドレスなしで設定する必要が ある。 [初期値] off [電話機からの設定] 機能番号 47 [*][#][4][7][PORT][SW][#] [PORT] [1] / [2] .. TEL1ポート / TEL2ポート (TEL2ポート機種) [*] .. 設定を行っているTELポート [SW] [0] : off (許可しない) に設定 [1] : on (許可する) に設定 省略: デフォルトに設定 (no コマンドに対応) ■ 仕様変更 [1] USBホスト機能で、USBメモリからファームウェアをリビジョンアップする際に 使用するメモリの量を減らした。 [2] かんたん設定ページの[詳細設定と情報]-[VPN接続の設定]の[PPTPを使用した パスワード認証のリモートアクセスVPNサーバ(PP)]および[PPTPを使用したパス ワード認証のリモートアクセスVPNサーバ(Anonymous)]の設定画面で、設定項目 に[PPTP暗号鍵生成の認証方式]を追加した。 Windows Vistaがクライアントの場合は[MS-CHAP v2で認証する]を選択する必要 がある。 [3] console promptコマンドで指定可能な文字列の最大長を16文字から64文字に変 更した。 [4] anonymous着信でpp user nameコマンドによる双方向でのCHAP認証を行うとき、 送信するCHAPチャレンジのNameフィールドが常にLAN1のIPアドレスであったの を、clidキーワードで発番号認証を併用することにより接続相手が特定できる 場合にはpp user nameコマンドで設定されている自分側のユーザ名とするよう にした。 [5] show status bootコマンドで機種名とリビジョン番号を表示するようにした。 [6] 帯域検出機能と負荷通知機能で、送出するパケットの始点IPアドレスにNATの 外側アドレスを指定したときも連携動作が正しく行われるようにした。 これにより、PPPoEのunnumbered接続でNATを使用する構成にも対応できるよう になる。 [7] イーサネットフィルタ機能でDHCP予約情報を利用する時、任意のイーサネット タイプのパケットを対象にできるようにした。 例えば、以下のようにオフセットバイト列の指定を行うことで、全てのイーサ ネットタイプのパケットをフィルタにマッチするとみなすことができる。 ethernet filter 1 pass-nolog dhcp-bind 1 0 *,* ■ バグ修正 [1] ルータ自身がTCP端点となる複数の通信が同時に行われたときに、動作が不安 定になり、リブートすることがあるバグを修正した。 かんたん設定ページからファームウェアのリビジョンアップを実行したときに リブートが発生することがあった。 [2] IPv6のMLDパケットを送出する毎にメモリリークするバグを修正した。 長時間連続して運用しているとメモリー使用率が上昇して、最終的にリブート していた。 [3] showで始まるコマンドで設定内容または状態を表示したときに、1画面に入り きらない内容を表示するために「つづく」が表示されて入力待ちになっている 状態で、ログインタイマがタイムアウトすると、メモリリークするバグを修正 した。 [4] show status dhcpコマンドを実行したときに、1画面に入りきらない内容を表 示するために「つづく」が表示されて入力待ちになっている状態では、DHCPサ ーバ機能が動作しないバグを修正した。 ログインタイマがタイムアウトすると、その後もDHCPサーバ機能が停止したま まで、その後システム全体がハングアップしていた。 [5] VoIP機能で、DLSRに誤った値を設定してRTCPのSender Reportパケットを送信 するバグを修正した。 [6] RTPパケットで使うポート番号やプロトコルをフィルタ型経路で指定したとき に、RTPパケットが正常に送出されず、片通話になることがあるバグを修正した。 Rev.9.01.13以降のファームウェアで現象が発生する。 [7] usbhost use offと設定して、設定をを保存して再起動すると、USBメモリを認 識してしまうバグを修正した。 [8] console info onと設定している状態でUSBメモリにsyslogを書き込んでいると、 コンソールに表示されるログに余分な空行が付加されるバグを修正した。 [9] 複数のLANインタフェースに同じIPアドレスを重複して設定すると、そのアド レス宛てのパケットに応答できなくなるバグを修正した。 本修正前は、noコマンドでIPアドレスを削除した後に、再度IPアドレスを設定 しなければ正常に動作しなかった。 [10] LANインタフェースのプライマリIPアドレスとセカンダリIPアドレスに同じネ ットワークのIPアドレスを設定すると、その後IPアドレスの設定を変更しても 変更前のIPアドレスにしか応答しなくなるバグを修正した。 [11] 異なるIPアドレスの複数のエントリがARPテーブルに同じMACアドレスで登録 されている場合に、それらのうちの1つのMACアドレスが変更されると、それら すべてのエントリのIPアドレス宛のイーサフレームの宛先MACアドレスに変更後 のMACアドレスが付いて意図しない宛先に送信されることがあるバグを修正した。 例えば、プロキシARP機能を持つ機器が接続されていた場合、通信中にその機器 のプロキシARP機能が停止されてルーターとホストまたはゲートウェイとが直通 に切り替わるような場合に問題となっていた。 [12] lan typeコマンド入力後、ip lan addressコマンドを入力してすぐにsaveコ マンドを入力すると、ip lan addressの設定が保存されない場合があるバグを 修正した。 [13] 起動後にip INTERFACE address dhcpと設定したときに、DHCPサーバ機能がIP アドレスを割り当てなくなるバグを修正した。 このときsyslogには LAN1: Duplicate IP source address(0.0.0.0 to 255.255.255.255) などが記録されていた。 [14] DHCPサーバ機能で、dhcp scope lease typeコマンドでbind-onlyに設定して いると、予約されていないホストからのDHCPINFORMメッセージにDHCPACKを返す バグを修正した。 本修正前は、DHCPINFORMへ応答するためにWindowsのDNSサーバアドレス設定が 上書きされる現象が発生していた。 [15] イーサネットフィルタ機能で、DHCPの予約設定を利用したフィルタリングを 行うとき、同じIPアドレスの予約設定を異なるクライアント識別子で再設定す ると、その予約設定がフィルタリングに利用できないバグを修正した。 [16] DNSリカーシブサーバ機能で、EDNS0に対応したクライアントからの問い合わ せに正しく応答しないバグを修正した。 OPT RRを含むDNS問い合わせに対して、DNS responseではなくDNS requestを返 していた。 [17] dns server select ID pp PP_NUM netvolante-dns SERVERと設定したとき、 pp接続先からDNSサーバのアドレスを取得することができない場合でも、ネット ボランチDNSサーバへDNSクエリを送信しないバグを修正した。 [18] IPマスカレードを適用したインタフェースを経由するTCPコネクションが張ら れているときに、コネクションの終了を示すFINまたはRSTを観測した後にファ ストパスでパケットが転送されると、終了したコネクションのキャッシュがNAT テーブルに最大で900秒残り続けるバグを修正した。 本バグ修正により終了したコネクションのキャッシュは60秒以内に解消される。 [19] 専用線に接続して使用したときに、何らかの理由により相手機器がパケット を受信できない状態になりPPP/LCPネゴシエーションが失敗すると、その異常な 状態が解消しても専用線経由でパケットを送受信できなくなり、その後ハング アップするバグを修正した。 [20] UPnP機能を使用して、IPマスカレードの適用されているインタフェース経由 で通信を行ったときに、使用可能な外側ポート番号が減っていき、IPマスカレ ードを経由した通信が正常にできなくなるバグを修正した。 Rev.9.01.13ではバグが完全には修正されていなかった。 [21] 優先制御を使用し、かつ、NATを適用しているインタフェースからフラグメン トされたパケットを送出するとき、パケットが不当なクラスにクラス分けされ て送出されたり、不当に破棄されるバグを修正した。 [22] 帯域検出機能で、以下のバグを修正した。 - タイムアウト時のログ表示に誤りがある - 一連の測定動作が一度でも完了すると、その後の定期監視動作でエラーにな った場合に正しい間隔でリトライが行われない - limit-rateオプション制限により速度が設定された後に、制限値を越えた測 定を試みてエラーになることがある [23] cooperation bandwidth-measuring remoteコマンドで、登録済みのIPアドレ スを重複して登録できるバグを修正した。 [24] cooperation load-watch goコマンドとcooperation bandwidth-measuring go コマンドで、機能が無効と設定されている状態でコマンドが実行されたときは エラー表示するようにした。 [25] cooperation load-watch triggerコマンドで、LANインタフェース以外のイン タフェースを指定したときに、overflowキーワードを指定してもエラーになら ないバグを修正した。 [26] cooperation portコマンドで、他の機能が使用しているポートを連携機能で 使用するように設定すると、その機能が正常動作しなくなるバグを修正した。 既に使用されているポートを指定した場合には、下記のログを表示して、連携 機能ではそのポートを使用できないようにした。 [COOPERATION] Failed to open the port [27] show status cooperation load-watchコマンドで、設定されていないID番号 を指定されたときにエラー表示しないバグを修正した。 [28] 以下のコマンドで、portオプションで0に指定できる、また、値を指定しない 場合でもエラーとならず0が設定されるバグを修正した。 - cooperation load-watch remoteコマンド - cooperation bandwidth-measuring remoteコマンド [29] cooperation load-watch remoteコマンドで、nameオプションで16文字を設定 しても、15文字までしか登録されないバグを修正した。 [30] mail-check server、mail-transfer serverコマンドで宛先に255文字を指定 するとリブートするバグを修正した。 [31] description INTERFACEコマンドで64文字を超える文字列を登録すると、 show configコマンドを実行したときにリブートするバグを修正した。 description INTERFACEコマンドで設定できる文字列の長さを64文字に制限する ようにした。 これを超える長さの文字列を設定したときには、先頭から64文字を登録して、 それ以降の部分を無視する。 [32] login userコマンドで、最大登録数の32個を超えるユーザを登録できるバグ を修正した。 [33] tunnel nameコマンドで正しく設定値を入力しても、設定に反映されないバグ を修正した。 show configで設定が表示されず、saveしても設定が保存されていなかった。 [34] nat descriptor address outer コマンドで外側IPアドレスに ipcp、primary、 またはsecondaryを指定したとき、その後に任意の文字列を記述してもコマンド エラーにならないバグを修正した。 [35] 不正なパラメータを指定してコマンドを入力すると、入力エラーになるにも 関わらず、設定値がデフォルト値に変更されるバグを修正した。 以下のコマンドで現象が発生していた。 - alarm connection analogコマンド - alarm connection dataコマンド - alarm entireコマンド - alarm intrusionコマンド - alarm mpコマンド - analog arrive another-device permitコマンド - analog arrive global permitコマンド - analog arrive ring while talking permitコマンド - analog arrive without subaddress permitコマンド - analog mp priorコマンド - analog rapid callコマンド - password reenterコマンド [36] 大量のログを保持している状態で、コンソールとtelnetなど複数の方法で同 時にSYSLOGを表示させようとすると、正しく表示されないことがあるバグを修 正した。 - 先のログと同じログにも関わらず,"same message requested XX times"が記 録されずに、先と同じログが表示されてしまう - かんたん設定ページでログを表示しようとしたときに、ログが何も表示され ない という現象が発生していた。 [37] 手動接続、切断後、かんたん設定ページからrestartコマンドを実行すると、 restartせず設定画面にアクセスできなくなるバグを修正。 [38] かんたん設定ページの[詳細設定と情報]-[コマンドの実行]から、1025文字以 上のコマンドを実行するとリブートすることがあったバグを修正した。 [39] かんたん設定ページでSSHホスト鍵を作成している場合に、コンソールに進行 状況が表示されるバグを修正した。 以上