$Date: 2022/06/14 07:57:36 $
ONFS では、ルーターの外部ストレージインタフェースに USB-HDD、microSD カードなどのストレージを接続することでルーターがファイルサーバーになります。このときに外部ストレージ上に構築する ONFS の基盤とも言えるファイルシステムの仕様について説明します。
外部ストレージ (*1) | ||
---|---|---|
インタフェース | USB ポート | USB 2.0/USB 1.1 に準拠した USB メモリ および USB-HDD |
microSD カードスロット | microSD カード および microSDHC カード | |
対応ファイルフォーマット | FAT32/FAT16 | |
容量 | FAT32:最大 2 TB / FAT16:最大 2 GB | |
ファイルサイズ | 最大 4 GB まで使用可能 | |
USB 給電 | USB メモリ | 500mA 以下のバスパワー供給のみで動作するフラッシュメモリ |
USB HDD | AC 電源からのセルフパワーで動作する HDD ※ バスパワー駆動の USB-HDD は使用不可 |
*1 |
... |
要件を満たすすべての外部ストレージの動作を保証するものではありません。external-memory performance-test go コマンドから、事前に使用の可否を確認してください。 |
ONFS で使用するファイルシステムは FAT16/FAT32 フォーマットに対応しており、FAT16/FAT32 でプリフォーマットされているストレージであれば、再フォーマットをすることなくすぐに使用することができます。
ONFS は onfs bind コマンドで設定されたインタフェースにストレージを接続し、onfs reset コマンドを実行することで初めて有効になります。onfs bind コマンドが設定されていないインタフェースに接続したストレージは通常の外部メモリとして扱われます。
外部ストレージを onfs bind コマンドで設定されたインタフェースに接続後、onfs reset コマンドを実行してください。そのときに下記に示す 3 個のフォルダーがルート直下に自動生成され、ルーターが通信可能な状態であればファイル共有機能が起動します。これらのフォルダーはファイル共有機能の共有フォルダーとして固定的に使用されるので、フォルダー名は絶対に変更しないでください。また、同時にストレージの認証パスワードが設定されます。認証パスワードは個々の外部ストレージに設定されるものであり、ミラーリング機能を使用する場合においても、全拠点で使用する外部ストレージでこのパスワードを一致させる必要はありません。
フォルダー名 | 用途 | 初期のアクセス権 |
---|---|---|
system | ルーターが使用するシステムファイルと、下記コマンドで各ファイルの出力先指定パラメータに絶対パスの指定がないときの各ファイルの保存先となる ( 詳細は各コマンド仕様を参照 ) | 常にルーター管理者のみがフルアクセス可能 |
local | ローカル共有フォルダー | すべてのユーザーがフルアクセス可能 |
sync | ミラーリング対象共有フォルダー |
local/sync フォルダーはすべてのユーザーがフルアクセスできるのに対して、system フォルダーはルーターの管理者権限を持ったユーザーのみがアクセスできるように設定されています( 2. system フォルダーのユーザー認証 )。system フォルダーにはルーターが使用する "." ( ドット ) から始まるシステムファイルが隠しファイル属性で保存されます。また、system フォルダーは接続しているルーターの設定ファイルや SYSLOG などの出力先としても利用することもできます。ストレージ内に上記の初期生成フォルダー以外に既存のフォルダーやファイルが存在した場合、それらはファイル共有機能を使用してもネットワーク上の PC から見ることはできません。
onfs reset コマンドの実行時に、本機能で作成したフォルダーではなくても名前が上記と同一のフォルダーがあった場合、そのフォルダーは上記の用途で使用されることになります。なお、当該フォルダー内の既存ファイルを削除するようなことは行いません。
外部ストレージを取り外した後の再接続時やルーターの再起動時に onfs reset コマンドを再実行する必要はありませんが、ルーターもしくは外部ストレージを交換し、ルーターと外部ストレージのペアが変わったときなどは onfs reset コマンドを再実行する必要があります。交換手順は 4. ストレージ/ルーターの交換 を参照してください。
ネットワーク上の PC からは外部ストレージのルート直下にフォルダーを作成したり、ルート直下の公開フォルダーを削除することはできません。公開フォルダーである system/local/sync よりも下位層であれば、ネットワーク上の PC から Windows エクスプローラーを使用してフォルダーを自由に作成/削除することが可能です。
共有フォルダーへのファイルの読み書きでは以下の操作に対応しています。
容量の拡張時など、古いストレージの保存内容をすべてコピーして新しいストレージに交換する場合は次の手順に従ってください。この場合、onfs reset コマンドの実行は不要です。
一方、古いストレージの保存内容をコピーせずに新しいストレージに交換する場合は次の手順に従ってください。この場合、onfs reset コマンドの実行が必要です。
本機能で使用していたストレージを別のルーターへ繋ぎ換える場合は次の手順に従ってください。
ストレージの ONFS 用フォルダーの保存内容はそのまま引き継がれます。ルーターを交換する場合は onfs reset コマンドを使用して旧ルーターで設定していた認証パスワードを新ルーター上で入力する必要があり、パスワードが一致しなければ当該コマンドはエラーとなり、同一のストレージを新ルーターで使用することはできません。
system フォルダー内に保存されている "." ( ドット ) から始まるシステムファイルに変更を加えないでください。変更を加えると正常に動作しなくなる恐れがあります。
onfs reset コマンドの実行が正常に終了しても、LAN / PP インタフェースのうち一つも通信可能なインタフェースがない状態ではファイル共有機能が起動しませんが、LAN / PP インタフェースのいずれかが通信可能な状態になるとファイル共有機能が自動的に起動します。これは ONFS の設定済みのルーターが起動するときも同様です。
複数の外部ストレージインタフェースを使用して、複数の外部ストレージで同時に ONFS を動作させることはできません。また、USB-HUB 接続等により複数の外部ストレージを単一の外部ストレージインタフェースに接続して、複数の外部ストレージで同時に ONFS を動作させることもできません。
ルーターから外部ストレージを抜くときは、USB ボタン または microSD ボタンを 2 秒間押し続けてください。外部ストレージを安全に抜くための処理がルーター側で行われます。アラームが鳴り、LED が消灯したことを確認したら外部ストレージを静かに抜いてください。手順を守らない場合、外部ストレージ内部のデータが破損する恐れがあります。
PORT ... | USB ポート番号 (省略時はすべてのポート番号) |
SWITCH |
|
SWITCH |
|
STORAGE_IF |
|
PASSWORD ... | ASCII 文字列で表したパスワード ( 半角8文字以上32文字以内 ) |
NEW_PASSWORD ... | ASCII 文字列で表した変更後のパスワード ( 半角8文字以上32文字以内 ) |
ONFS の設定が済んでいないストレージに対して初めて本コマンドが実行された場合、PASSWORD パラメータはストレージの認証パスワードに設定され、system フォルダーのユーザー認証用パスワードに適用される。
既に ONFS の設定が済んでいるストレージに対して本コマンドが実行された場合、PASSWORD パラメータがストレージに適用されているパスワードと一致したときだけ本コマンドの実行が成功する。このとき、必要なフォルダーが存在しなければ再生成されるが、既存のフォルダー内のファイルやアクセス権の設定が消去されることはない。
NEW_PASSWORD パラメータは、ストレージに適用されているパスワードを変更する場合のみ指定する。
パラメータをすべて省略した場合は、対話形式で必要なパラメータの入力が求められる。
既に本コマンドを実行済みのストレージとルーターの組み合わせであれば、ストレージを取り外した後の再接続時やルーターの再起動時に本コマンドを再実行する必要はない。ストレージもしくはルーターを交換する場合など、ストレージとルーターの組み合わせが変わる場合は本コマンドを再実行しなければ ONFS は機能しない。ルーターを工場出荷状態に戻したり、ストレージを再フォーマットした場合も本コマンドを再実行する必要がある。
INFO ... | 表示する情報の種類 |
|
[表示例] # show status onfs [file system] 状態: ファイル共有機能が稼動しています 使用インタフェース: usb1 空き容量/全容量: 1949104288k/2000388063744 bytes [sharing] NetBIOS: 稼動中 SMBサーバー: 稼動中 開始日時: 2010/09/16 10:39:06 稼動時間: 2時間40分18秒 ネットワーク設定 コンピューター名: NVR500-FFFFFF ワークグループ名: WORKGROUP 現在のログオンユーザー ユーザー数: 1 ユーザー名 IP アドレス ログオン日時 ----------------- --------------- ------------------- rtadmin 192.168.1.10 2010/09/16 13:19:18 ----------------- --------------- ------------------- ログオン履歴 (直近30件まで表示) 合計ログオン回数: 3 ユーザー名 IP アドレス ログオン日時 ----------------- --------------- ------------------- rtadmin 192.168.1.10 2010/09/16 13:19:18 hoge 192.168.1.49 2010/09/16 11:42:37 hoge 192.168.1.49 2010/09/16 10:39:19 ----------------- --------------- ------------------- [mirroring] 状態: ミラーリング機能は設定されていません
STORAGE_IF |
|
NAME ... | SYSLOG ファイル名 ( 半角64文字以内、 .bak 拡張子を含む名前は指定できない) |
CRYPT ... | SYSLOG を暗号化して保存する場合の暗号アルゴリズムの選択 |
|
PASSWORD ... | ASCII 文字列で表したパスワード ( 半角8文字以上32文字以内 ) |
SIZE ... | SYSLOG ファイルの上限サイズ (MB) ( 1 .. 1024 ) |
NUM ... | バックアップファイルの上限数 ( 1 .. 100 ) |
NAME に .bak 拡張子を含むファイル名は指定できない。また、暗号化しない場合、NAME に .rtfg 拡張子を含むファイル名は指定できない。
CRYPT、および、PASSWORD を指定した場合、SYSLOG は暗号化してから外部ストレージに書き込まれる。暗号化する場合、NAME に .rtfg 拡張子を含めるか、拡張子を省略した名前を指定する必要がある。拡張子を省略した場合、自動的にファイル名に .rtfg 拡張子が追加される。
SYSLOG ファイルが上限サイズに達すると、SYSLOG ファイルのバックアップが行われる。バックアップファイル名は、NAME で指定されたファイル名の後にバックアップを行った日時を表す_yyyymmdd_hhmmss 形式の文字列を付加したものとなる。
yyyy ... | 西暦 (4 桁) |
mm ... | 月 (2 桁) |
dd ... | 日 (2 桁) |
hh ... | 時 (2 桁) |
mm ... | 分 (2 桁) |
ss ... | 秒 (2 桁) |
バックアップファイル数が NUM で指定される上限数に達した場合、もしくは外部ストレージに空き容量がなくなった場合は、最も古いバックアップファイルを削除してから新しいバックアップファイルが作成される。
STORAGE_IF に指定した外部ストレージインタフェースが ONFS で使用されている (onfs bind コマンドで選択されている) 、かつ、NAME にパスの指定がなくファイル名のみが指定されている場合、SYSLOG ファイルは ONFS 機能により作成された system フォルダー配下に保存される。
本コマンドが設定されていないときは SYSLOG は外部ストレージに書き込まれない。
FROM |
|
TO |
|
CRYPT ... | 設定ファイルを暗号化して保存する場合の暗号アルゴリズムの選択 |
|
PASSWORD ... | ASCII 文字列で表したパスワード ( 半角8文字以上32文字以内 ) |
外部メモリに "*" を指定した場合、指定するファイルの検索はまず microSD カードから行われ、指定したファイルがなければ USB メモリが検索される。 filename は絶対パスを使ってファイルを指定するかファイル名のみを指定する。filename にファイル名のみを指定した場合は外部メモリ内から自動検索する。
複数のファイルがある場合、ディレクトリ階層上最もルートディレクトリに近く、アルファベット順に先のディレクトリにあるファイルが選ばれる。
コピー先に外部メモリを指定する場合、filename に絶対パスを使ってファイルを指定する。
外部メモリを対象として暗号化機能を利用することができる。
CRYPTOを指定した場合、設定ファイルを暗号化してから外部メモリにコピーする。暗号化してコピーする場合、ファイル名には.rtfg 拡張子を含めるか、拡張子を省略した名前を指定する必要がある。拡張子を省略した場合、自動的にファイル名に.rtfg 拡張子を追加する。
Rev.10.01 系以降では、パスワードを省略した暗号化を行うことができる