バックアップ/経路変更時のメール通知

$Date: 2023/07/06 20:22:18 $


  1. 目的
    バックアップ回線への切り替え時、またはある経路に対するゲートウェイが変更された時に、変更内容をメールを通知することで管理の利便性を向上させることができます。

  2. 対象
    今回の機能の対象となるバックアップ種別
    1. PPバックアップ(pp backupコマンド)
    2. LANバックアップ(lan backupコマンド)
    3. TUNNELバックアップ(tunnel backupコマンド)
    4. 経路(ネットワークバックアップ)に対するバックアップ(ip routeコマンド)

  3. 対応機種とファームウェアリビジョン

    ヤマハルーターでは以下の機種およびファームウェアで、バックアップ/経路変更時のメール通知機能をサポートしています。

    機種ファームウェア
    vRX VMware ESXi版 すべてのリビジョン
    vRX Amazon EC2版
    RTX3510
    RTX1300
    RTX1220
    RTX830
    NVR700W
    RTX1210
    RTX5000
    RTX3500
    FWX120
    RTX810
    RTX1200
    SRT100
    RTX3000
    RTX1100/RTX1500 Rev.8.03.24 以降
    RT107e Rev.8.03.82 以降


  4. 通知トリガー
    今回の機能のトリガーとなる種別
    1. バックアップの切り替えをトリガーとした場合は次の2種類が該当します。
      • バックアップ切り替え時(PP、LAN、TUNNEL)
      • バックアップ切り戻し時(PP、LAN、TUNNEL)
    2. ある経路に対するゲートウェイが変更された時

  5. メール通知について
    通知対象インタフェースおよび経路情報は複数指定でき、各キーワードは となり、キーワードのあとに、インタフェース番号や経路情報を指定します。
    インタフェース番号は、すべて(*)、カンマおよびハイフンによる複数および範囲指定可能(経路情報は範囲指定不可能)となります。

  6. メールのプロトコルについて
    今回サポートするメール用プロトコル になり、送信時の認証としては、SMTP-AUTH(RFC2554)をサポートします。
    認証プロトコルとしては をサポートします。
    また、送信時の方法として、 を選択できるようにします。

  7. メールヘッダについて
    メールのヘッダは、 を付加します。

  8. メール設定について
    メールの設定については
    1. メールサーバの設定
    2. メール送信時に使用するテンプレートの設定
    3. 各メール用機能の詳細設定
    の3段階によって行います。

    1. メールサーバの設定(mail server xxxコマンド)
      メールサーバの設定では、メールサーバに関する設定を行います。
      • 設定名
      • SMTPサーバの設定(SMTP-AUTH, POP before SMTPも含む)
      • POPサーバの設定(POP3, APOPも含む)
      • メール処理のタイムアウトの設定
      になり、メールサーバの設定はIDによって区別されます。

    2. メール送信時に使用するテンプレートの設定(mail templateコマンド)
      ここでは、どういった内容のメールを送信するかの設定を行います。
      • 使用メールサーバの設定ID
      • メールヘッダの設定
      • 送信時の文字コード
      • バックアップ通知が最初に通知されてから送信するまでの時間
      • 通知系メール送信におけるログの添付の有無
      になり、メール内容の設定はIDによって区別されます。

    3. サービスの詳細設定(mail notifyコマンド)
      サービスの詳細設定はメール内容の設定に基づき各サービス固有の設定を行います。
      (例) バックアップ時のメール通知
      • バックアップ対象の設定(複数可)

  9. 通知情報の集約について
    通知情報は、mail notifyコマンドで指定した設定に応じて、次のタイミングで通知されます。
    大量のメールが送信されないように、設定されたインタフェース群のうち最初のバックアップが開始された後、一定時間内はメールを送信せず、その間に対象インタフェースに対してバックアップに切り替わったならば、その情報をまとめて、一定時間が経過したあとに通知されます。
    この待機時間はユーザが設定することができます(mail templateコマンド)。
    例) メール通知対象インタフェースおよび経路が
    	- PP         1-3
    	- TUNNEL     1,4
    	- ROUTE      192.168.1.0/24
    で、待機時間として30秒と設定しているときに、
    	- 0:00:00 TUNNEL1がバックアップに切り替わる
    	- 0:00:10 PP1がバックアップに切り替わる
    	- 0:00:30 TUNNEL4がバックアップに切り替わる
    	- 0:00:31 ROUTE 192.168.1.0/24に対するゲートウェイが切り替わる
    	- 0:00:33 PP2がバックアップに切り替わる
    となった場合に、最初のメールはTUNNEL1がバックアップに切り替わってから30秒以内に切り替わったバックアップ
    情報はすべて集約されて1通のメールとして送信されます。
    ここでは、TUNNEL1, PP1, TUNNEL4のバックアップ情報が一つのメールとして送信されます。
    また、ROUTE 192.168.1.0/24, PP2のバックアップ情報が一つのメールとして送信されます。
    

    待機時間内に集約する通知情報は最大100件に制限してあります。

  10. メールの内容について
    今回通知されるメール内容は となります。

  11. 実行のキャンセルについて
    メール通知処理のキャンセルとして、メール送信処理までの待機中に、該当する mail server smpt/pop コマンドの削除や、mail templateコマンドの設定を削除すると、その時点で待機処理はキャンセルされます。

  12. 実行時のエラー処理について
    メール送信実行時にエラーにより処理が停止した場合は、mail templateコマンドで設定された送信までの待機時間後に、再び送信処理が実行されます。
    リトライ回数は3回(固定)で、最初の処理を含め、4回処理されることになります。
    最後の処理が失敗すると、メール送信の処理は終了します。
    リトライ中にテンプレートIDに合致するバックアップ/経路変更通知が発生すると、それは別メールの内容として通知されます。
    また、ルータのログを添付する場合も同様です。
    追加のバックアップおよび経路変更通知が発生しても、リトライ回数は更新されず、全体として4回の処理が失敗するとメール送信処理は終了します。
                       最初のメール処理 ---- 失敗
                              |
      バックアップ通知 -----> | <- 新たな別メールとして通知される ... (*1)
                              |
                         リトライ1回目
                              |
      経路変更通知 ---------> | <- (*1)の待機時間内であれば、(*1)のメールに追加される
                              |    (*1)の待機時間後であれば、新たな別メールとして通知される
                         リトライ2回目
                              |
                              |
                              |
                         リトライ3回目
                              |
                              V
                        終了(処理失敗)
    
    なお、mail server timeoutコマンドで設定されたタイムアウト時間は、各リトライ処理毎にリセットされます。

  13. 設定コマンド


  14. 通知されるメールの例
    Model: RTX1500
    Revision: Rev.8.03.61
    Time: 2007/09/13 14:55:08
    Template ID: 1
    
    ID   時刻                   状態     バックアップ時インタフェース情報
    ----------------------------------------------------------------------------
    0001 2007/09/13 14:54:58     切替        LAN3 -> LAN2
    
    ID   時刻                   経路変更情報
    ----------------------------------------------------------------------------
    0001 2007/09/13 14:55:04 [default] に対するゲートウェイが [pp1] に変更
    
    

[EOF]