- 目的
バックアップ回線への切り替え時、またはある経路に対するゲートウェイが変更された時に、変更内容をメールを通知することで管理の利便性を向上させることができます。
- 対象
今回の機能の対象となるバックアップ種別
- PPバックアップ(pp backupコマンド)
- LANバックアップ(lan backupコマンド)
- TUNNELバックアップ(tunnel backupコマンド)
- 経路(ネットワークバックアップ)に対するバックアップ(ip routeコマンド)
- 対応機種とファームウェアリビジョン
ヤマハルーターでは以下の機種およびファームウェアで、バックアップ/経路変更時のメール通知機能をサポートしています。
機種 | ファームウェア |
vRX VMware ESXi版 |
すべてのリビジョン |
vRX Amazon EC2版 |
RTX3510 |
RTX1300 |
RTX1220 |
RTX830 |
NVR700W |
RTX1210 |
RTX5000 |
RTX3500 |
FWX120 |
RTX810 |
RTX1200 |
SRT100 |
RTX3000 |
RTX1100/RTX1500 |
Rev.8.03.24 以降 |
RT107e |
Rev.8.03.82 以降 |
- 通知トリガー
今回の機能のトリガーとなる種別
- バックアップの切り替えをトリガーとした場合は次の2種類が該当します。
- バックアップ切り替え時(PP、LAN、TUNNEL)
- バックアップ切り戻し時(PP、LAN、TUNNEL)
- ある経路に対するゲートウェイが変更された時
- メール通知について
通知対象インタフェースおよび経路情報は複数指定でき、各キーワードは
- バックアップ切り替え時
- PPバックアップ:pp
- LANバックアップ:lan
- TUNNELバックアップ:tunnel
- 経路(ネットワークバックアップ)に対するバックアップ:route
となり、キーワードのあとに、インタフェース番号や経路情報を指定します。
インタフェース番号は、すべて(*)、カンマおよびハイフンによる複数および範囲指定可能(経路情報は範囲指定不可能)となります。
- メールのプロトコルについて
今回サポートするメール用プロトコル
になり、送信時の認証としては、SMTP-AUTH(RFC2554)をサポートします。
認証プロトコルとしては
- PLAIN (RFC2595)
- DIGEST-MD5 (RFC2831)
- CRAM-MD5 (RFC2195)
をサポートします。
また、送信時の方法として、
を選択できるようにします。
- メールヘッダについて
メールのヘッダは、
- From:
- To:
- Subject:
- Data:
- MIME-version:
- Content-Type:
を付加します。
- メール設定について
メールの設定については
- メールサーバの設定
- メール送信時に使用するテンプレートの設定
- 各メール用機能の詳細設定
の3段階によって行います。
- メールサーバの設定(mail server xxxコマンド)
メールサーバの設定では、メールサーバに関する設定を行います。
- 設定名
- SMTPサーバの設定(SMTP-AUTH, POP before SMTPも含む)
- POPサーバの設定(POP3, APOPも含む)
- メール処理のタイムアウトの設定
になり、メールサーバの設定はIDによって区別されます。
- メール送信時に使用するテンプレートの設定(mail templateコマンド)
ここでは、どういった内容のメールを送信するかの設定を行います。
- 使用メールサーバの設定ID
- メールヘッダの設定
- 送信時の文字コード
- バックアップ通知が最初に通知されてから送信するまでの時間
- 通知系メール送信におけるログの添付の有無
になり、メール内容の設定はIDによって区別されます。
- サービスの詳細設定(mail notifyコマンド)
サービスの詳細設定はメール内容の設定に基づき各サービス固有の設定を行います。
(例) バックアップ時のメール通知
- 通知情報の集約について
通知情報は、mail notifyコマンドで指定した設定に応じて、次のタイミングで通知されます。
- バックアップを指定した場合:指定されたインタフェースがバックアップに切り替わった、または切り戻ったタイミング
- 経路を指定した場合:指定した経路に対してゲートウェイが変更されたタイミング
大量のメールが送信されないように、設定されたインタフェース群のうち最初のバックアップが開始された後、一定時間内はメールを送信せず、その間に対象インタフェースに対してバックアップに切り替わったならば、その情報をまとめて、一定時間が経過したあとに通知されます。
この待機時間はユーザが設定することができます(mail templateコマンド)。
例) メール通知対象インタフェースおよび経路が
- PP 1-3
- TUNNEL 1,4
- ROUTE 192.168.1.0/24
で、待機時間として30秒と設定しているときに、
- 0:00:00 TUNNEL1がバックアップに切り替わる
- 0:00:10 PP1がバックアップに切り替わる
- 0:00:30 TUNNEL4がバックアップに切り替わる
- 0:00:31 ROUTE 192.168.1.0/24に対するゲートウェイが切り替わる
- 0:00:33 PP2がバックアップに切り替わる
となった場合に、最初のメールはTUNNEL1がバックアップに切り替わってから30秒以内に切り替わったバックアップ
情報はすべて集約されて1通のメールとして送信されます。
ここでは、TUNNEL1, PP1, TUNNEL4のバックアップ情報が一つのメールとして送信されます。
また、ROUTE 192.168.1.0/24, PP2のバックアップ情報が一つのメールとして送信されます。
待機時間内に集約する通知情報は最大100件に制限してあります。
- メールの内容について
今回通知されるメール内容は
- サブジェクト(ユーザ指定。なければデフォルト値を使用する)
- 本文
- タイトル
- 機種名
- リビジョン
- sysNameの設定名(設定されていれば)
- sysLocationの設定名(設定されていれば)
- 通知時刻(実際にメールを送信したときの日時)
- テンプレートID
- 各インタフェースの切り替え状況(元I/F, 先I/F, 切り替え時刻)
- メール通知をする時刻から前数分間のログ
となります。
- 実行のキャンセルについて
メール通知処理のキャンセルとして、メール送信処理までの待機中に、該当する mail server smpt/pop コマンドの削除や、mail templateコマンドの設定を削除すると、その時点で待機処理はキャンセルされます。
- 実行時のエラー処理について
メール送信実行時にエラーにより処理が停止した場合は、mail templateコマンドで設定された送信までの待機時間後に、再び送信処理が実行されます。
リトライ回数は3回(固定)で、最初の処理を含め、4回処理されることになります。
最後の処理が失敗すると、メール送信の処理は終了します。
リトライ中にテンプレートIDに合致するバックアップ/経路変更通知が発生すると、それは別メールの内容として通知されます。
また、ルータのログを添付する場合も同様です。
追加のバックアップおよび経路変更通知が発生しても、リトライ回数は更新されず、全体として4回の処理が失敗するとメール送信処理は終了します。
最初のメール処理 ---- 失敗
|
バックアップ通知 -----> | <- 新たな別メールとして通知される ... (*1)
|
リトライ1回目
|
経路変更通知 ---------> | <- (*1)の待機時間内であれば、(*1)のメールに追加される
| (*1)の待機時間後であれば、新たな別メールとして通知される
リトライ2回目
|
|
|
リトライ3回目
|
V
終了(処理失敗)
なお、mail server timeoutコマンドで設定されたタイムアウト時間は、各リトライ処理毎にリセットされます。
- 設定コマンド
- 通知されるメールの例
Model: RTX1500
Revision: Rev.8.03.61
Time: 2007/09/13 14:55:08
Template ID: 1
ID 時刻 状態 バックアップ時インタフェース情報
----------------------------------------------------------------------------
0001 2007/09/13 14:54:58 切替 LAN3 -> LAN2
ID 時刻 経路変更情報
----------------------------------------------------------------------------
0001 2007/09/13 14:55:04 [default] に対するゲートウェイが [pp1] に変更