Security Gateway and IPsec release 3


IPsecリリース3 コマンド仕様


作成日2000/May/18
最終変更日2018/Nov/06
文書サイズ 23KB


[ コマンド一覧 ]
ipsec ike pre-shared-key 事前共有鍵(pre-shared key)の登録
ipsec ike remote address 相手側のセキュリティゲートウェイのアドレスの設定
ipsec ike local address 自分側のセキュリティゲートウェイのアドレスの設定
ipsec ike retry 鍵交換の再送回数と間隔の設定
ipsec ike encryption IKEが用いる暗号アルゴリズムの設定
ipsec ike group IKEが用いるグループの設定
ipsec ike hash IKEが用いるハッシュアルゴリズムの設定
ipsec ike local id 自分側のIDの設定
ipsec ike log IKEのログの種類の設定
ipsec ike payload type IKEペイロードのタイプの設定
ipsec ike pfs PFSを用いるか否かの設定
ipsec ike remote id 相手側のIDの設定
ipsec ike send info IKEの情報ペイロードを送信するか否かの設定
ipsec sa policy SAのポリシーの定義
ipsec sa policy delete SAのポリシーの削除
ipsec ike duration ipsec-sa IPsec SAの寿命の設定
ipsec ike duration isakmp-sa ISAKMP SAの寿命の設定
ipsec sa delete SAの削除
ipsec refresh sa SAの管理状態の初期化
ipsec auto refresh SAを自動更新するか否かの設定
ipsec tunnel トンネルインタフェースで使用するSAのポリシーの設定
ip tunnel route add 静的トンネル経路情報の追加
ip tunnel route delete 静的トンネル経路情報の削除
ip tunnel secure filter トンネルインタフェースに対するフィルタリングの設定
ipsec transport トランスポートモードの定義
ipsec transport delete トランスポートモードの削除
tunnel select トンネルインタフェースの選択
tunnel enable トンネルインタフェースの有効化
tunnel disable トンネルインタフェースの無効化


  1. 事前共有鍵(pre-shared key)の登録

    [入力形式]
            ipsec ike pre-shared-key GATEWAY clear
            ipsec ike pre-shared-key GATEWAY text TEXT_KEY
            ipsec ike pre-shared-key GATEWAY BINARY_KEY
    [パラメータ]
            GATEWAY         セキュリティゲートウェイの識別子
                    1 - 10 (RT103i)
                    1 - 20 (RT140/RT200i)
            TEXT_KEY        テキスト鍵 最大32文字まで
            BINARY_KEY = '0x...'        バイナリ鍵 最大32バイトまで
    [説明]
            IKEが用いる事前共有鍵を設定する。
    [ノート]
            相手側のセキュリティゲートウェイでも同じ鍵を
            設定する必要がある。
    [デフォルト値]
            clear
    
  2. 相手側のセキュリティゲートウェイのアドレスの設定

    [入力形式]
            ipsec ike remote address GATEWAY ADDRESS
            ipsec ike remote address GATEWAY clear
    [パラメータ]
            GATEWAY        セキュリティゲートウェイの識別子
                    1 - 10 (RT103i)
                    1 - 20 (RT140/RT200i)
            ADDRESS        IPアドレス
    [説明]
            相手側のセキュリティゲートウェイのIPアドレスを設定する。
    [デフォルト値]
            clear
    
  3. 自分側のセキュリティゲートウェイのアドレスの設定

    [入力形式]
            ipsec ike local address GATEWAY ADDRESS
            ipsec ike local address GATEWAY clear
    [パラメータ]
            GATEWAY        セキュリティゲートウェイの識別子
                    1 - 10 (RT103i)
                    1 - 20 (RT140/RT200i)
            ADDRESS        IPアドレス
    [説明]
            自分側のセキュリティゲートウェイのIPアドレスを設定する。
    [ノート]
            clearを設定したときには、相手側のセキュリティゲートウェイに
            近いインタフェースのアドレスを用いてIKEを起動する。
    [デフォルト値]
            clear
    
  4. 鍵交換の再送回数と間隔の設定

    [入力形式]
            ipsec ike retry COUNT INTERVAL
    [パラメータ]
            COUNT           再送回数(1..50)
            INTERVAL        再送間隔の秒数(1..100)
    [説明]
            鍵交換が失敗した時に鍵交換を繰り返す回数とその時間間隔を
            設定する。
    [デフォルト値]
            COUNT = 10
            INTERVAL = 5
    
  5. IKEが用いる暗号アルゴリズムの設定

    [入力形式]
            ipsec ike encryption GATEWAY ALGORITHM
    [パラメータ]
            GATEWAY          セキュリティゲートウェイの識別子
                    1 - 10 (RT103i)
                    1 - 20 (RT140/RT200i)
            ALGORITHM        暗号アルゴリズム
                    des-cbc
                    3des-cbc
    [説明]
            IKEが用いる暗号アルゴリズムを設定する
    [ノート]
            IKEで始動側として働くときには、このコマンドで設定された
            アルゴリズムを提案する。応答側として働くときは、このコ
            マンドの設定に関係なく、DES-CBCと3DES-CBCを用いることが
            できる。
    [デフォルト値]
            des-cbc
    
  6. IKEが用いるグループの設定

    [入力形式]
            ipsec ike group GATEWAY GROUP [GROUP]
    [パラメータ]
            GATEWAY        セキュリティゲートウェイの識別子
                    1 - 10 (RT103i)
                    1 - 20 (RT140/RT200i)
            GROUP          グループ識別子
                    modp768        
                    modp1024
    [説明]
            IKEで用いるグループを設定する
    [ノート]
            IKEで始動側として働くときには、このコマンドで設定された
            グループを提案する。応答側として働くときは、このコマンド
            の設定に関係なく、MODP768とMODP1024を用いることができる。
            2種類のグループを設定したときには、1つ目がフェーズ1で、
            2つ目がフェーズ2で提案される。グループを1種類しか
            設定しないときは、フェーズ1とフェーズ2の両方で、設定
            したグループが提案される。
    [デフォルト値]
            modp768
    
  7. IKEが用いるハッシュアルゴリズムの設定

    [入力形式]
            ipsec ike hash GATEWAY ALGORITHM
    [パラメータ]
            GATEWAY          セキュリティゲートウェイの識別子
                    1 - 10 (RT103i)
                    1 - 20 (RT140/RT200i)
            ALGORITHM        ハッシュアルゴリズム
                    md5
                    sha
    [説明]
            IKEが用いるハッシュアルゴリズムを設定する
    [ノート]
            IKEで始動側として働くときには、このコマンドで設定された
            アルゴリズムを提案する。応答側として働くときは、このコ
            マンドの設定に関係なく、MD5とSHAを用いることができる。
    [デフォルト値]
            md5
    
  8. 自分側のIDの設定

    [入力形式]
            ipsec ike local id GATEWAY ADDRESS[/NETMASK]
            ipsec ike local id GATEWAY clear
    [パラメータ]
            GATEWAY        セキュリティゲートウェイの識別子
                    1 - 10 (RT103i)
                    1 - 20 (RT140/RT200i)
            ADDRESS        IPアドレス
            NETMASK        ネットマスク
    [説明]
            IKEのフェーズ2で用いる自分側のIDを設定する。
    [ノート]
            clearを設定したときには、IDを送信しない。
            NETMASKを省略したときは、タイプ1のIDが送信される。
            また、NETMASKを指定したときは、タイプ4のIDが送信される。
    [デフォルト値]
            clear
    
  9. IKEのログの種類の設定

    [入力形式]
            ipsec ike log GATEWAY TYPE [TYPE ... ]
            ipsec ike log GATEWAY clear
    [パラメータ]
            GATEWAY       セキュリティゲートウェイの識別子
                    1 - 10 (RT103i)
                    1 - 20 (RT140/RT200i)
            TYPE          出力するログの種類
                    message-info        IKEメッセージの内容
                    payload-info        ペイロードの処理内容
                    key-info            鍵計算の処理内容                
    [説明]
            出力するログの種類を設定する。ログはすべて、
            syslogのdebugレベルで出力される。
    [ノート]
            引数として、clearを設定したときには、最小限のログ
            しか出力しない。引数として複数の種類を設定することもできる。
    [デフォルト値]
            clear
    
  10. IKEペイロードのタイプの設定

    [入力形式]
            ipsec ike payload type GATEWAY type
    [パラメータ]
            GATEWAY          セキュリティゲートウェイの識別子
                    1 - 10 (RT103i)
                    1 - 20 (RT140/RT200i)
            TYPE             ペイロードのタイプ
                    1        Rev.3.01.07〜Rev.4.00.14で使用しているもの
                    2        新規
    [説明]
            IKEペイロードのタイプを設定する。RTの古いリビジョンと
            接続するときには、タイプを1に設定する必要がある。
    [デフォルト値]
            2
    
  11. PFSを用いるか否かの設定

    [入力形式]
            ipsec ike pfs GATEWAY SW
    [パラメータ]
            GATEWAY           セキュリティゲートウェイの識別子
                    1 - 10 (RT103i)
                    1 - 20 (RT140/RT200i)
            SW                スイッチ
                    on        用いる
                    off       用いない
    [説明]
            IKEでPFSを用いるか否かを設定する。
    [ノート]
            相手側のセキュリティゲートウェイと同じように
            設定する必要がある。
    [デフォルト値]
            off
    
  12. 相手側のIDの設定

    [入力形式]
            ipsec ike remote id GATEWAY ADDRESS[/NETMASK]
            ipsec ike remote id GATEWAY clear
    [パラメータ]
            GATEWAY        セキュリティゲートウェイの識別子
                    1 - 10 (RT103i)
                    1 - 20 (RT140/RT200i)
            ADDRESS        IPアドレス
            NETMASK        ネットマスク
    [説明]
            IKEのフェーズ2で用いる相手側のIDを設定する。
    [ノート]
            clearを設定したときには、IDを送信しない。
            NETMASKを省略したときは、タイプ1のIDが送信される。
            また、NETMASKを指定したときは、タイプ4のIDが送信される。
    [デフォルト値]
            clear
    
  13. IKEの情報ペイロードを送信するか否かの設定

    [入力形式]
            ipsec ike send info GATEWAY SW
    [パラメータ]
            GATEWAY           セキュリティゲートウェイの識別子
                    1 - 10 (RT103i)
                    1 - 20 (RT140/RT200i)
            SW                スイッチ
                    on        送信する
                    off       送信しない
    [説明]
            IKEの情報ペイロードを送信するか否かを設定する。
            受信に関しては、この設定に関わらず、すべての情報
            ペイロードを解釈する。
    [ノート]
            このコマンドは、接続性の検証などの特別な目的で
            使用される。定常の運用時はonに設定する必要がある。
    [デフォルト値]
            on
    
  14. SAのポリシーの定義

    [入力形式]
            ipsec sa policy POLICY-ID GATEWAY ah HMAC-ALG
            ipsec sa policy POLICY-ID GATEWAY esp ENCRYPT-ALG [HMAC-ALG]
    [パラメータ]
            POLICY-ID        ポリシーID(1..255)
            GATEWAY          セキュリティゲートウェイの識別子
                    1 - 10 (RT103i)
                    1 - 20 (RT140/RT200i)
            ah               認証ヘッダ(Authentication Header)を示すキーワード
            esp              暗号ペイロード(Encapsulating Security Payload)を
                             示すキーワード
            HMAC-ALG
                    md5-hmac        HMAC-MD5
                    sha-hmac        HMAC-SHA
            ENCRYPT-ALG
                    3des-cbc        3DES-CBC
                    des-cbc         DES-CBC
    [説明]
            SAのポリシーを定義する。
            この定義はトンネルモード及びトランスポートモードの設定に
            必要である。この定義は複数のトンネルモード及びトランス
            ポートモードで使用できる。
    
  15. SAのポリシーの削除

    [入力形式]
            ipsec sa policy delete POLICY-ID
    [パラメータ]
            POLICY-ID        ポリシーID(1..255)
    [説明]
            指定したポリシーIDのポリシーを削除する。
    
  16. IPsec SAの寿命の設定

    [入力形式]
            ipsec ike duration ipsec-sa GATEWAY SECOND [KILOBYTE]
    [パラメータ]
            GATEWAY         セキュリティゲートウェイの識別子
                    1 - 10 (RT103i)
                    1 - 20 (RT140/RT200i)
            SECOND          秒寿命
            KILOBYTE        キロバイト寿命
    [説明]
            IKEで提案するIPsec SAの寿命を設定する
    [デフォルト値]
            28800
    
  17. ISAKMP SAの寿命の設定

    [入力形式]
            ipsec ike duration isakmp-sa GATEWAY SECOND [KILOBYTE]
    [パラメータ]
            GATEWAY         セキュリティゲートウェイの識別子
                    1 - 10 (RT103i)
                    1 - 20 (RT140/RT200i)
            SECOND                秒寿命
            KILOBYTE        キロバイト寿命
    [説明]
            IKEで提案するISAKMP SAの寿命を設定する
    [デフォルト値]
            28800
    
  18. SAの削除

    [入力形式]
            ipsec sa delete ID
    [パラメータ]
            ID
                    整数       SAのID
                    all        すべてのSAを削除する
    [説明]
            指定したSAを削除する。
            SAのIDは自動的に付与されるので、show ipsec saコマンドで
            確認すること。
    
  19. SAの管理状態の初期化

    [入力形式]
            ipsec refresh sa
    [説明]
            管理されているSAをすべて削除して、IKEの状態を初期化する。
    
  20. SAを自動更新するか否かの設定

    [入力形式]
            ipsec auto refresh SW
    [パラメータ]
            SW      スイッチ
                    on        自動更新する
                    off       自動更新しない
    [説明]
            SAを自動更新するか否かを設定する。
    [ノート]
            古いSAを削除せずに新しいSAを生成する。
    [デフォルト値]
            off
    
  21. トンネルインタフェースで使用するSAのポリシーの設定

    [入力形式]
            ipsec tunnel POLICY-ID
    [パラメータ]
            POLICY-ID
                    ポリシーID(1..255)
                    clear        ポリシーをクリアする
    [説明]
            選択されているトンネルインタフェースで使用するSAのポリシーを
            設定します。
    [デフォルト値]
            clear
    
  22. 静的トンネル経路情報の追加

    [入力形式]
            ip tunnel route add NET-HOST DESTINATION/MASK METRIC
    [パラメータ]
            NET-HOST
                    net        destination がネットワークの時に指定する
                    host        destination がホストの時に指定する
            DESTINATION        送り先のホスト/ネットワークIP アドレス
                    xxx.xxx.xxx.xxx (xxx は十進数)
                    default
            MASK        送り先がネットワークである時のネットマスク
                    xxx.xxx.xxx.xxx(xxx は十進数)
                    0xに続く十六進数
                    マスクビット数
            METRIC        送り先に到達するまでのゲートウェイの数
    [説明]
            経路情報テーブルにトンネルインタフェースに対する経路情報を追加する。
    [ノート]
            既に経路情報テーブルにdestination が存在する時は追加されない。
    
  23. 静的トンネル経路情報の削除

    [入力形式]
            ip tunnel route delete DESTINATION
    [パラメータ]
            DESTINATION        送り先のホスト/ネットワークIP アドレス
                    xxx.xxx.xxx.xxx (xxx は十進数)
                    default
    [説明]
            経路情報テーブルから指定したトンネルインタフェースの経路情報を
            削除する。
    
  24. トンネルインタフェースに対するフィルタリングの設定

    [入力形式]
            ip tunnel secure filter DIRECTION FILTER-LIST
    [パラメータ]
             DIRECTION
                    in        トンネル側から入ってくるパケットのフィルタリング
                    out       トンネル側に出ていくパケットのフィルタリング
            FILTER-LIST
                    空白で区切られたfilter_number の並び(100 個以内)
                    clear (フィルタリングしない)
    [説明]
            ip filter コマンドによるパケットのフィルタを組み合わせて、
            トンネルインタフェースを通るパケットの種類の制限を設定する。
    [デフォルト値]
            clear
    
  25. トランスポートモードの定義

    [入力形式]
            ipsec transport ID POLICY-ID [PROTO [SRC-PORT-LIST [DST-PORT-LIST]]]
    [パラメータ]
            ID                トランスポートID(1..255)
            POLICY-ID         ポリシーID(1..255)
            PROTO             プロトコル
            SRC-PORT-LIST     UDP、TCPのソースポート番号列
                    ポート番号を表す十進数
                    ポート番号を表すニーモニック
                    *(すべてのポート)
            DST-PORT-LIST     UDP、TCP のデスティネーションポート番号列
                    ポート番号を表す十進数
                    ポート番号を表すニーモニック
                    *(すべてのポート)
    [説明]
            トランスポートモードを定義する。
            定義後、proto, src_port_list, dst_port_list パラメータに合致する
            IPパケットに対してトランスポートモードでの通信を開始する。
    
  26. トランスポートモードの削除

    [入力形式]
            ipsec transport delete ID
    [パラメータ]
            ID        トランスポートID(1..255)
    [説明]
            定義してあるトランスポートモードを削除する。
    
  27. トンネルインタフェースの選択

    [入力形式]
            tunnel select INTERFACE
    [パラメータ]
            INTERFACE
                    インタフェース番号
                    none
    [説明]
            トンネルインタフェースを選択する
    
  28. トンネルインタフェースの有効化

    [入力形式]
            tunnel enable INTERFACE
    [パラメータ]
            INTERFACE
                    インタフェース番号
                    all
    [説明]
            トンネルインタフェースを有効にする
    
  29. トンネルインタフェースの無効化

    [入力形式]
            tunnel disable INTERFACE
    [パラメータ]
            INTERFACE
                    インタフェース番号
                    all
    [説明]
            トンネルインタフェースを無効にする