VPN拡張ライセンス(YSL-VPN-EX1、YSL-VPN-EX3)

$Date: 2023/08/04 12:03:05 $

  1. 1. 概要
  2. 2. 対応機種とファームウェアリビジョン
  3. 3. 注意事項
  4. 4. 詳細
    1. 4-1. 拡張される機能
    2. 4-2. コマンドの拡張
    3. 4-3. ライセンスのパスワード
    4. 4-4. ライセンスのインポート
    5. 4-5. ライセンスの削除
    6. 4-6. ライセンスの確認
    7. 4-7. 他筐体のコンフィグの適用
    8. 4-8. 設定の初期化
  5. 5. SYSLOGメッセージ
  6. 6. コマンド
  7. 7. 関連情報

1. 概要

拡張ライセンス(YSL-VPN-EX1、YSL-VPN-EX3)はヤマハルーターのVPN、および外部接続に関する機能を拡張するためのライセンスです。

拡張される機能の内容は品番ごとに異なります。詳しくは「4-1. 拡張される機能」を参照してください。

拡張ライセンスはヤマハルーターとシリアル番号で紐づけられています。

拡張ライセンスと紐づくヤマハルーターであれば、初回購入後、以降は更新費用なしで無期限でライセンスを利用できます。オンライン認証は行わないため、インターネットに接続されていない環境でもライセンスを利用できます。

初回購入費用については製品ページを参照してください。


2. 対応機種とファームウェアリビジョン

ヤマハルーターでは以下の機種、およびファームウェアで、拡張ライセンスをサポートしています。対応機種は品番ごとに異なります。

品番 機種 ファームウェア
YSL-VPN-EX1 RTX830 Rev.15.02.22以降
YSL-VPN-EX3 RTX3510 すべてのリビジョン

3. 注意事項


4. 詳細

4-1. 拡張される機能

ヤマハルーターにインポートできる拡張ライセンスの最大数、および拡張ライセンスによって拡張される機能は品番ごとに異なります。

インポートできる拡張ライセンスの最大数

品番 インポートできる最大数
YSL-VPN-EX1 1
YSL-VPN-EX3 4

拡張ライセンスによって拡張される機能

コマンドの拡張

機能拡張にともない、関連するコマンドのパラメータの上限値などが拡張されます。詳しくは「4-2. コマンドの拡張」を参照してください。

4-2. コマンドの拡張

拡張ライセンスをインポートすると、コマンドのパラメータの上限値などが拡張されます。

拡張ライセンスによって拡張された機能を使用する場合は、ライセンスをインポートしたあとに設定を追加してください。

各コマンドの詳細についてはコマンドリファレンスを参照してください。

拡張ライセンスによって拡張されるコマンドは品番ごとに異なります。

対象コマンド 拡張内容 品番
上限値
(ライセンス本数ごと)
なし 1本 2本 3本 4本
トンネル番号(tunnel_num)を指定するコマンド(※1) トンネル番号(tunnel_num)の上限値が増加 YSL-VPN-EX1 20 100 - - -
YSL-VPN-EX3 1000 1500 2000 2500 3000
セキュリティゲートウェイ番号(gateway_id)を指定するコマンド(※2) セキュリティゲートウェイ番号(gateway_id)の上限値が増加 YSL-VPN-EX1 20 100 - - -
YSL-VPN-EX3 1000 1500 2000 2500 3000
PP番号(peer_num)を指定するコマンド(※3) PP番号(peer_num)の上限値が増加 YSL-VPN-EX1 30 100 - - -
YSL-VPN-EX3 150
auth user
auth user attribute
auth group
auth group attribute
ipsec ike eap request
ipsec ike xauth request
ユーザーID(userid)、グループID(groupid)の上限値が増加 YSL-VPN-EX1 1000 - - -
YSL-VPN-EX3 1000 1500 2000 2500 3000
bridge member ブリッジに収容できるインターフェース(interface)の最大個数が増加 YSL-VPN-EX1 2 10 - - -
YSL-VPN-EX3 30 50
dhcp client client-identifier pool
dhcp client hostname pool
dhcp client option pool
アドレスプール番号(pool_num)の上限値が増加 YSL-VPN-EX1 32 101 - - -
YSL-VPN-EX3 1041 1541 2041 2541 3041
ip pp remote address pool プールできるIPアドレス(ip_address)の最大個数が増加 YSL-VPN-EX1 32 101 - - -
YSL-VPN-EX3 1041 1541 2041 2541 3041
ipsec transport template ipsec transport コマンドの設定を展開するトランスポートID(id)の最大個数が増加 YSL-VPN-EX1 20 100 - - -
YSL-VPN-EX3 1000 1500 2000 2500 3000
tunnel multipoint limit tunnel multipoint limit コマンドが設定できるようになる YSL-VPN-EX1 設定不可 設定可能 - - -
YSL-VPN-EX3 設定可能
tunnel type マルチポイントトンネルのロール(role)にサーバー(server)が設定できるようになる YSL-VPN-EX1 設定不可 設定可能 - - -
YSL-VPN-EX3 設定可能
(※1)ip route、ipv6 route、pp bind、tunnel enable、tunnel select、tunnel template など
(※2)ipsec ike local address、ipsec ike pre-shared-key、ipsec ike remote address、ipsec sa policy など
(※3)ip route、ipv6 route、pp enable、pp select など

4-3. ライセンスのパスワード

拡張ライセンスをインポートするためには、ライセンス発行時に提供されたパスワードをヤマハルーターに登録する必要があります。

パスワードの登録方法は品番ごとに異なります。

注意事項

4-4. ライセンスのインポート

import ex-license key コマンドで拡張ライセンスをインポートすることができます。

以下の手順で拡張ライセンスをインポートします。

  1. (1)ライセンスキーを用意する
    ライセンスキーはライセンス発行時に提供されたCSVファイルのライセンスキー項目に記載されています。
  2. (2)パスワードを登録する
    ライセンスのパスワードはライセンス発行時に提供されたCSVファイルのパスワード項目に記載されています。
    パスワードの登録手順は品番ごとに異なります。
    • YSL-VPN-EX1
    • ex-license password コマンドでライセンスのパスワードを登録します。
      # ex-license password <パスワード>
      ex-license password コマンドを実行したあと、save コマンドでコンフィグを保存します。
      # save
    • YSL-VPN-EX3
      register ex-license password コマンドでライセンスのパスワードを登録します。
      # register ex-license password
      New_Password:
      New_Password(Confirm):
      /yamaha_sys/ex-license_pwd.txtにパスワードを保存しました。
      パスワードを登録するとルーターのRTFSの yamaha_sysディレクトリ内に パスワードファイル(ex-license_pwd.txt)が保存されます。パスワードファイルの手動での編集、削除は行わないでください。
  3. (3)ライセンスをインポートする
    import ex-license key コマンドでライセンスをインポートします。
    import ex-license key コマンドを実行すると、ライセンスキーの入力を求められます。
    # import ex-license key
    ライセンスキーを入力してください:
    ライセンスキーはコピー&ペーストで入力できます。
    ライセンスキーを入力すると、インポートするライセンスの品番が表示されます。内容をご確認のうえ、問題がなければ Y を入力してください。
    以下のライセンスをインポートします。
    YSL-VPN-EX1
    
    ライセンスのインポートを続けますか? (Y/N)
    import ex-license key コマンドに続けてライセンスキーを指定することもできます。
    この方法では対話的な入出力は行われず、ライセンスキーが正しければ自動的にインポートされます。
    # import ex-license key ysl300abcdefghijklmnopqrstuvwxyzabcdefghijklmnopqrstuvwxyzabcdefghijklmnopqrstuvwxyz
    ライセンスをインポートするとルーターのRTFSの yamaha_sysディレクトリ内に ライセンスファイル(ex-license_vpn.lic)が保存されます。ライセンスファイルの手動での編集、削除は行わないでください。
    ルーターが再起動したときは自動的にライセンスが有効になります。再度ライセンスをインポートする必要はありません。
  4. (4)ライセンスがインポートできていることを確認する
    show status license コマンドで拡張ライセンスがインポートされていることを確認します。詳しくは「4-6. ライセンスの確認」を参照してください。

4-5. ライセンスの削除

clear ex-license コマンドで拡張ライセンスを削除することができます。

以下の手順で拡張ライセンスを削除します。

  1. (1)ライセンスを削除する
    clear ex-license コマンドでライセンスを削除します。
    clear ex-license コマンドを実行すると、削除するライセンスの品番が表示されます。内容をご確認のうえ、問題がなければ Y を入力してください。
    # clear ex-license
    以下のライセンスをクリアします。
    YSL-VPN-EX1
    
    ライセンスをクリアするとルーターが再起動されます。
    ライセンスをクリアしますか? (Y/N)
    ライセンスを削除すると RTFS の yamaha_sys ディレクトリからライセンスファイル(ex-license_vpn.lic)が削除され、ルーターが自動的に再起動します。
    再起動後、ライセンスが無効になります。
    ルーターが再起動したとき、拡張ライセンスがある場合のみ有効な設定はコンフィグに反映されません。設定によっては再起動後に tunnel template コマンドや ip route コマンドなどが反映されなくなるため、必要に応じて再設定を行ってください。
  2. (2)ライセンスが削除できていることを確認する
    show status license コマンドで拡張ライセンスが削除されていることを確認します。詳しくは「4-6. ライセンスの確認」を参照してください。
  3. (3)パスワードを削除する
    パスワードの削除手順は品番ごとに異なります。
    • YSL-VPN-EX1
    • no ex-license password コマンドでライセンスのパスワードの設定を削除します。
      # no ex-license password
      no ex-license password コマンドを実行したあと、save コマンドでコンフィグを保存します。
      # save
    • YSL-VPN-EX3
      unregister ex-license password コマンドでライセンスのパスワードを削除します。
      # unregister ex-license password
      /yamaha_sys/ex-license_pwd.txtを削除しました。
      パスワードを削除すると RTFS の yamaha_sys ディレクトリからパスワードファイル(ex-license_pwd.txt)が削除されます。

4-6. ライセンスの確認

ログイン、show environment コマンド、show config コマンド

拡張ライセンスがインポートされている場合、ルーターにログインしたときやshow environment コマンド、またはshow config コマンドを実行したときにライセンスの品番が表示されます。

show status license コマンド

show status license コマンドで拡張ライセンスの状態を確認することができます。

show status license コマンドを実行すると、現在有効となっているライセンスの品番が表示されます。

# show status license
===============================================================
品番                  状態                         有効期限
---------------------------------------------------------------
YSL-VPN-EX1           有効                         -
===============================================================

4-7. 他筐体のコンフィグの適用

ライセンスがインポートされていない状態でヤマハルーターを起動したとき、拡張ライセンスがある場合のみ有効な設定はコンフィグに反映されません。そのため、以下のようなケースで、拡張ライセンスがある場合のみ有効な設定が含まれるコンフィグを適用する場合には、コンフィグ適用先のルーターに拡張ライセンスをインポートしてから他筐体のコンフィグを適用してください。

拡張ライセンスがある場合のみ有効な設定については「4-2. コマンドの拡張」を参照してください。

注意事項

4-8. 設定の初期化

cold start コマンドで設定の初期化を行うとき、拡張ライセンスによる拡張を維持するか否かを選択することができます。

拡張ライセンスによる拡張を維持した場合は、設定の初期化が完了したあとも引き続きライセンスが有効になります。

cold start コマンドで設定を初期化

  1. (1)拡張ライセンスによる拡張を維持するか選択する
    cold start コマンドを実行すると拡張ライセンスによる拡張を維持するか否かを問う質問メッセージが表示されます。設定の初期化が完了したあとも引き続きライセンスを利用する場合は Y、設定の初期化と併せてライセンスを削除する場合は N を入力して下さい。なお、拡張ライセンスがインポートされていない場合は質問メッセージは表示されません。
    # cold start
    Password:
    拡張ライセンス(Ex-license)による拡張を維持しますか? (Y/N)
    設定の初期化が完了するとルーターが自動的に再起動します。

注意事項


5. SYSLOGメッセージ

以下のSYSLOGメッセージが出力されます。

レベル 出力メッセージ 意味
INFO [EX-LICENSE] License is activated. 拡張ライセンスが有効になった
INFO [EX-LICENSE] License is expanded. 拡張ライセンスが追加でインポートされた
INFO [EX-LICENSE] License is deactivated. 拡張ライセンスがクリアされた

注意事項


6. コマンド


7. 関連情報


[EOF]