$Date: 2022/04/14 00:54:30 $
拡張ライセンス(YSL-VPN-EX1)はヤマハルーターのVPN、および外部接続に関する機能を拡張するためのライセンスです。
以下のインターフェースの数が増加します。
以下の機能の最大対地数が増加します。
マルチポイントトンネルのサーバーとして利用できるようになります。
拡張ライセンスはヤマハルーターとシリアル番号で紐づけられています。
拡張ライセンスと紐づくヤマハルーターであれば、初回購入後、以降は更新費用なしで無期限でライセンスを利用できます。オンライン認証は行わないため、インターネットに接続されていない環境でもライセンスを利用できます。
初回購入費用については製品ページを参照してください。
ヤマハルーターでは以下の機種、およびファームウェアで、拡張ライセンスをサポートしています。
機種 | ファームウェア |
---|---|
RTX830 | Rev.15.02.22 |
本節では拡張ライセンスによって拡張される機能を示します。
以下のインターフェースの数が増加します。
インターフェース | ライセンスなし | ライセンスあり |
---|---|---|
トンネル | 20 | 100 |
PP | 30 | 100 |
PP Anonymous | 32 | 101 |
インターフェースの数の増加にともないVPNの最大対地数が増加します。
機能 | ライセンスなし | ライセンスあり |
---|---|---|
IPsec | 20 | 100 |
IPIP | 20 | 100 |
L2TPv2/IPsec | 20 | 100 |
L2TPv3, L2TPv3/IPsec | 1 | 9 |
マルチポイントトンネル | 20 | 100 |
データコネクト | 6 | 8 |
合計(※) | 20 | 100 |
(※)VPN全体での合計の対地数。例えばIPsecとL2TP/IPsecを併用するとき、それぞれの接続数の合計がVPN全体の最大対地数をこえて接続することはできない。
マルチポイントトンネルのサーバーとして利用できるようになります。マルチポイントトンネルの設定についてはマルチポイントトンネルの技術資料を参照してください。
上記の機能拡張にともない、関連するコマンドのパラメータの上限値などが拡張されます。詳しくは「4-2. コマンドの拡張」を参照してください。
拡張ライセンスをインポートすると、コマンドのパラメータの上限値などが拡張されます。
拡張ライセンスによって拡張された機能を使用する場合は、ライセンスをインポートしたあとに設定を追加してください。
各コマンドの詳細についてはコマンドリファレンスを参照してください。
対象コマンド | 拡張内容 | ライセンスなし | ライセンスあり |
---|---|---|---|
トンネル番号(tunnel_num)を指定するコマンド(※1) | トンネル番号(tunnel_num)の上限値が増加 | 20 | 100 |
セキュリティゲートウェイ番号(gateway_id)を指定するコマンド(※2) | セキュリティゲートウェイ番号(gateway_id)の上限値が増加 | 20 | 100 |
PP番号(peer_num)を指定するコマンド(※3) | PP番号(peer_num)の上限値が増加 | 30 | 100 |
bridge member | ブリッジに収容できるインターフェース(interface)の最大個数が増加 | 2 | 10 |
dhcp client client-identifier pool
dhcp client hostname pool
dhcp client option pool |
アドレスプール番号(pool_num)の上限値が増加 | 32 | 101 |
ip pp remote address pool | プールできるIPアドレス(ip_address)の最大個数が増加 | 32 | 101 |
ipsec transport template | ipsec transport コマンドの設定を展開するトランスポートID(id)の最大個数が増加 | 20 | 100 |
tunnel multipoint limit | tunnel multipoint limit コマンドが設定できるようになる | 設定不可 | 設定可能 |
tunnel type | マルチポイントトンネルのロール(role)にサーバー(server)が設定できるようになる | 設定不可 | 設定可能 |
import ex-license key コマンドで拡張ライセンスをインポートすることができます。
ライセンスをインポートするにはルーターのRTFSに空き容量が 約500byte、作成可能エントリ数が 2 以上必要です。空き容量や作成可能エントリ数が不足している場合は不要なファイルを削除してください。RTFSの空き容量や作成可能エントリ数は show status rtfs コマンドで確認できます。RTFSについてはRTFSの技術資料を参照してください。
拡張ライセンスをインポートする手順を以下に示します。
# ex-license password <パスワード>
# import ex-license key ライセンスキーを入力してください:
以下のライセンスをインポートします。 YSL-VPN-EX1 ライセンスのインポートを続けますか? (Y/N)
# import ex-license key ysl300abcdefghijklmnopqrstuvwxyzabcdefghijklmnopqrstuvwxyzabcdefghijklmnopqrstuvwxyz
clear ex-license コマンドで拡張ライセンスを削除することができます。
拡張ライセンスを削除する手順を以下に示します。
# clear ex-license 以下のライセンスをクリアします。 YSL-VPN-EX1 ライセンスをクリアするとルーターが再起動されます。 ライセンスをクリアしますか? (Y/N)
拡張ライセンスがインポートされている場合、ルーターにログインしたときやshow environment コマンド、またはshow config コマンドを実行したときにライセンスの品番が表示されます。
RTX830 Rev.15.02.21 (XXX XXX XX XX:XX:XX XXXX) Copyright (c) 1994-2021 Yamaha Corporation. All Rights Reserved. To display the software copyright statement, use 'show copyright' command. ac:44:f2:01:23:45, ac:44:f2:67:89:ab Memory 256Mbytes, 2LAN Ex-license: YSL-VPN-EX1
# show environment RTX830 BootROM Ver. 1.01 RTX830 FlashROM Table Ver. 1.02 RTX830 Rev.15.02.21 (XXX XXX XX XX:XX:XX XXXX) main: RTX830 ver=00 serial=XXXXXXXXX MAC-Address=ac:44:f2:01:23:45 MAC-Address=ac:44:f2:67:89:ab Ex-license: YSL-VPN-EX1
# show config # RTX830 Rev.15.02.21 (XXX XXX XX XX:XX:XX XXXX) # MAC Address : ac:44:f2:01:23:45, ac:44:f2:67:89:ab # Memory 256Mbytes, 2LAN # main: RTX830 ver=00 serial=XXXXXXXXX MAC-Address=ac:44:f2:01:23:45 MAC-Address=ac:44:f2:67:89:ab # Ex-license: YSL-VPN-EX1
show status license コマンドで拡張ライセンスの状態を確認することができます。
show status license コマンドを実行すると、現在有効となっているライセンスの品番が表示されます。
# show status license =============================================================== 品番 状態 有効期限 --------------------------------------------------------------- YSL-VPN-EX1 有効 - ===============================================================
拡張ライセンス対応機種に他機種のコンフィグを適用する場合、当該コンフィグをそのまま使用すると「4-2. コマンドの拡張」に記載したコマンドが正しく反映されない可能性があります。
拡張ライセンス対応機種に他機種のコンフィグを適用する手順を以下に示します。WebGUIでコンフィグをインポートする方法とTFTPでコンフィグをPUTする方法があります。
C:\Users>tftp <コンフィグ適用先のルーターのIPアドレス> put <コンフィグファイル名> config
# save
項目 | 説明 |
---|---|
品番 | ライセンス製品の品番。 |
状態 | ライセンスの状態。 |
有効期限 | ライセンスの有効期限。"年/月/日"形式で示す。 |
状態 | 説明 |
---|---|
有効(Active) |
|
更新猶予期間(Renew grace period) | LMS クライアントが取得したライセンスでのみ表示される。
有効期限を過ぎている状態。
この状態より一定期間経過すると対応するアプリケーションを使用できなくなるため、ライセンスの購入手続きが必要となる。 |
認証猶予期間(Authentication grace period) | LMS クライアントが取得したライセンスでのみ表示される。
一時的にライセンス認証が猶予されている状態。
ヤマハネットワーク機器が有効なライセンス情報を保持している状態で再起動し、その後 LMS サーバーと通信できない場合にこの状態となる。
対応するアプリケーションを使用することはできるが、ディアクティベートまでの時間が経過するまでにライセンス認証を行う必要がある。ディアクティベートまでの時間は show status license authentication コマンドで確認することができる。 |
# show status license =============================================================== 品番 状態 有効期限 --------------------------------------------------------------- YSL-DPI1 有効 2022/08/31 YSL-VPN-EX1 有効 - ===============================================================
[EOF]