無線LANコントローラー機能
$Date: 2017/11/16 09:05:28 $
概要
注意事項
対応機種とファームウェアリビジョン
用語定義
詳細
設定・操作方法
設定例
SYSLOGメッセージ一覧
WLX202の無線LANコントローラー機能は、別途外部機器を使用することなく、複数のWLX202の制御・管理を行うことができる機能です。
本機能は、使用するWLX202の中から1台をコントローラーとして設定し、使用します。
コントローラーとして設定されたWLX202は、最大15台のアクセスポイントをグループとして登録し、管理をすることができます。
本機能は、設定の一元管理やチャンネルの自動設定、送信出力の自動設定が行えるため、かんたんに無線LANシステムを設定し、運用することが可能になります。
Controller-APとMember-APは同一機種の組み合わせのみお使いいただけます。
WLX202から制御・管理ができるのはWLX202のみです。
無線LANコントローラー機能の通信はアクセスポートを使用して行われます。
そのため、必ず有線LANで接続してください。
無線LANコントローラー機能を使用する場合は、全てのWLX202のファームウェアを同一リビジョンにしてください。
同一でない場合は、正しく動作しない可能性があります。
Controller-APから制御するMember-APは同一のネットワークに存在している必要があります。
1台のController-APで制御できるMember-APは最大15台です。
Member-APにはController-APが作成したコンフィグファイルが送信されます。
その際、Member-APで個々に行っていた設定は全て消去され、Controller-APが作成したコンフィグで上書きされます。
WDS(Wireless Distribution System:無線でアクセスポイント同士を接続する機能)を使用するAPは、無線LANコントローラーのグループに追加しないでください。
WDSを使用するAPで無線LANコントローラー機能を使用しないに設定すると、Controller-APから対象外と認識されます。
ヤマハルーターのスイッチ制御機能またはLANマップとの同時使用は可能です。
ただし、設定送信と反映が行われている最中に他方から設定送信が行われた場合はエラーとなります。設定送信後に他方から設定送信が行われた場合は、後から送信された設定が反映されます。
ヤマハルーターによるスイッチ制御機能またはLANマップと併用する場合、Controller-APと全てのMember-APがヤマハルーターのスイッチ制御/LANマップ画面に表示されます。
以下のファームウェアで、無線LANコントローラー機能をサポートしています。
機種
ファームウェア
最大Member-AP数
WLX202
Rev.16.00.04以降
15
Controller-AP
Member-APを制御するアクセスポイント。無線LANコントローラー機能を動作させるアクセスポイントがこれに当たります。
Member-AP
Controller-APによって制御されるアクセスポイント。
グループ
Controller-APとController-APに制御されるMember-APを合わせてグループと呼びます。管理はグループ単位で行います。
1台のコントローラーAPが管理できるグループは一つです。
ただし同一セグメント内に複数グループが存在することができます。
16台以上のAPを制御したい場合は、コントローラーAPを複数設定してください。
代替Controller-AP
グループ内の1台のMember-APを代替Controller-APとして指定することができます。
代替Controller-APは役割をController-APに変更することで、Controller-APの動作を引き継ぎます。
AP間通信
Controller-APは同一ネットワーク内の全AP対して、30秒毎に状態確認の通信を行います。
Web設定画面の状態表示は、上記で確認した状態を参照し表示します。
設定の一括管理
Controller-APに設定されている内容をコピーしMember-APに一括で送信します。
ただし、以下にあげる設定は個々のMember-AP毎に設定することが可能です。
IPアドレス設定
チャンネル設定
送信出力設定
名称
設置場所
これにより複数のWLX202を使用している環境でも、VAP(Virtual Access Point)の追加やMACフィルタリング設定、
内蔵RADIUSサーバーで使用するユーザーの追加・削除などを一括で設定することができます。
代替Controller-APの指定機能
グループ内の1台のMember-APを代替Controller-APとして指定することができます。
代替Controller-APとして指定されたMember-APには、Controller-APが持つ代替Controller-AP以外のMember-APの設定が全てコピーされます。
Controller-APが故障などの理由により使用できなくなった場合は、代替Controller-APの役割をController-APに設定することで、無線LANコントローラーによる一括管理環境にかんたんに復帰することが可能になります。
代替Controller-APからController-APへの移行はオペレーターの操作で行います。
管理されるController-APの制限
Controller-APから一度設定を受信すると、そのController-APおよび代替Controller-AP以外からの制御を制限します。
そのため、オペレーションミス等により他のController-APに制御を奪われてしまう心配はありません。
WLX202のグループ化と制限事項
制御下に置くWLX202でグループ化を行い、グループを一括して管理します。
本機能は、独自のLayer2プロトコルを使用してWLX202の制御を行います。
そのため、グループ化を行うController-APとMember-APは同一のネットワークに存在している必要があります。
[無線コントローラー] - [基本設定]
無線LANコントローラー機能を使用するか否か、および役割を設定することが可能です。
また、役割が"Member-AP"の場合は、制御されるController-APを指定することができます。
[無線コントローラー] - [グループ定義]
グループとして取り扱うMember-APの定義を行います。また、同時に代替Controller-APを設定することが可能です。
発見されたWLX202をグループのMember-APとして登録する場合は、『追加』欄にあるチェックボックスにチェックを入れ、『設定』を行ってください。
Member-APの設定で、制御されるController-APに他Controller-APを指定していた(他Controller-APの制御下にある)場合は、発見したAP一覧に表示されません。
役割がMember-APである場合、本ページの設定を行うことはできません。
[無線コントローラー] - [AP情報設定]
グループに追加したMember-APの名称、設置場所、IPアドレスを設定することが可能です。
また、表の最上段にはController-APの情報も合わせて表示され、Member-APと同時に設定を変更することも可能です。
設定された内容は[無線コントローラー] - [設定送信]ページで設定を送信した際に、初めて各APに適用されます。
役割がMember-APである場合、本ページの設定を行うことはできません。
[無線コントローラー] - [無線設定]
グループに追加したMember-APのチャンネル、送信出力をそれぞれ設定することが可能です。
また、表の最上段にはController-APの情報も合わせて表示され、Member-APと同時に設定を変更することも可能です。
設定された内容は[無線コントローラー] - [設定送信]ページで設定を送信した際に、初めて各APに適用されます。
役割がMember-APである場合、本ページの設定を行うことはできません。
チャンネル
「自動」を設定したときの自動チャンネル変更は[無線設定]-[2.4GHz 基本]/[5GHz 基本]の設定に従います。
[無線設定]-[2.4GHz 基本]/[5GHz 基本]のチャンネル設定が「自動」以外の場合は、自動チャンネル変更の動作設定で「使用しない」を選択したときと同等になります。
チャンネル幅/制御用チャンネルの表示は[無線設定]-[2.4GHz 基本]/[5GHz 基本]の設定に従います。
送信出力 Controller-AP
下段に送信出力自動変更の基準時刻を表示します。時刻は[無線設定]-[2.4GHz 詳細]/[5GHz 詳細]の送信出力自動変更設定に従います。当該の設定がされていない場合は、2時00分を基準とします。
「自動」以外に設定したときに、送信出力自動変更の時刻設定の削除は行いません。それにより、Controller-APの送信出力を「自動」以外にしたまま、Member-APの変更時刻を設定したい場合は、[無線設定]-[2.4GHz 詳細]/[5GHz 詳細]で送信出力を一旦「自動」にし、送信出力自動変更の時刻を設定した上で、本ページにて、Controller-APを「自動」以外に変更することで、Member-APの自動変更の時刻を指定できます。
送信出力 Member-AP
「自動」を選択すると送信出力自動変更の時刻を表示します。Controller-APの時刻を基準として2分から30分の時間差が設けられます。
送信出力自動変更の時刻設定は[無線コントローラー] - [設定送信]ページで設定を送信したときに行います。
[無線コントローラー] - [設定送信]
グループに追加されているMember-APに設定を送信します。
設定を送信したいMember-APのチェックボックスにチェックを入れ、『設定』をクリックすると順次設定が送信されます。
役割がMember-APである場合、本ページの設定を行うことはできません。
[無線コントローラー] - [AP情報表示]
グループに追加されているMember-APのシステム情報、および無線の情報を表示します。
Member-APの状態を取得するまで最大30秒必要です。即時反映はされません。
接続状態がNGの場合は対象Member-APはグレー表示になります。その際の表示内容は最後に確認した値になります。
役割がMember-APである場合、本ページを表示することはできません。
機器情報
[無線コントローラー]-[AP情報設定]で入力された値を表示する。
IPアドレス
動作中のIPアドレス。dhcp指定ならばIPアドレスに続けて"(dhcp)"を表示する。
一度も接続が確認できない場合は"--.--.--.--"を表示する。
接続状態
表示
説明
OK
正常
NG
60秒以上接続が確認できない
-
一度も接続が確認できない 制御が制限されている
詳細情報
各Member-APのシステム情報ページへのリンク。
『表示』をクリックするとMember-APのシステム情報ページへ移動する。
接続状態がNG、もしくはIPアドレスが確認できない場合に、『表示』ボタンは無効になる。
チャンネル
動作中のチャンネル。自動指定ならば続けて"(auto)"を表示する。
次の状態の場合は"--"を表示する。
一度も接続が確認できない
制御が制限されている
モジュールが使用されていない
送信出力
動作中の送信出力。自動指定ならば続けて"(auto)"を表示する。
次の状態の場合は"--"を表示する。
一度も接続が確認できない
制御が制限されている
モジュールが使用されていない
接続端末台数
無線接続している端末台数。
構成
WLX202を3台用意し、それぞれの役割をController-AP/Member-AP(代替Controller-AP)/Member-APとします。
Member-APをController-APのグループに登録し、Member-APに設定送信を行うことで、Controller-APで行った無線LANコントローラー機能以外の設定もMember-APにコピーされます。
以下の例ではController-APの[無線設定]-[SSID管理]の内容がコピーされるため、グループ内のAPでローミングが行われるようになります。
設定手順
設定手順は以下の通りとなります。
Controller-APとなるAPを1台選定して、有線LANで接続する
Controller-APの基本的な設定を行う
操作例は『無線LAN接続設定 』を参考にしてください。
LANポート設定
初期値では本製品のIPアドレスは「192.168.100.240」に設定されています。
Web設定画面を使用する際のIPアドレスの競合を避けるため、ここでは「192.168.100.200」に設定します。
[Web設定画面よる設定]
設定後はアドレス「192.168.100.200」で画面を開き直してください。
無線LANを設定する
必要に応じて無線設定、VAP(セキュリティ)の設定、簡易RADIUSサーバ機能など無線LANコントローラー機能以外の設定を行ってください。
これらの設定をController-APで行うことで、後に説明する設定送信でMember-APにも設定内容が反映されます。
[Web設定画面よる設定]
画面では、認証方式に"WPA2-PSK"、暗号化方式に"AES"を使用する設定を行っています。
クライアントの接続確認
上記設定を行った段階でクライアントが接続できるか確認できます。接続方法は『無線LAN接続設定』を参考にしてください
[Web設定画面よる確認]
役割を"Controller-AP"に設定する
[Web設定画面よる設定]
無線LANコントローラーに追加するMember-APを、全て有線LANで同一ネットワーク内に接続する
Member-APの設定を行う
初期設定の状態のままであれば特に設定を行う必要はありません。
Controller-APの設定を行う前に無線LANコントローラー機能の設定を初期設定に戻しておく
[Web設定画面よる設定]
必要であれば名称/設置場所の設定を行う
この後Controller-APでオペレーションを行う際は、Member-APの識別をMACアドレスとシリアル番号で行うことになります。識別を容易に行うために事前に名称/設置場所を設定しておくことをお勧めします。
Controller-APのWeb設定画面からグループ追加した場合、名称/設置場所/IPアドレスはMember-AP側で設定した内容が適用されます。
グループにMember-APを追加する
Controller-APがMember-APの状態を取得するまで最大30秒必要です。
Web設定画面の表示には即時反映されません。
[Web設定画面よる設定]
グループに追加するAPのチェックボックスにチェックを入れ、『設定』を行ってください。
名称/設置場所/IPアドレスはMember-AP側で設定されていた内容が適用されます。この画面はController-APのIPアドレス以外は未設定の状態です。
代替Controller-APを指定する
代替Controller-APが必要なければ不要です。
[Web設定画面よる設定]
代替Controller-APとするMember-APを選択し、『設定』を行ってください。
各Member-APのAP情報を設定する
[Web設定画面よる設定]
各Member-APの無線設定を設定する
グループ追加直後はチャンネル/送信出力共に自動となっています。
Web設定画面からMember-APを追加した場合、チャンネル幅/制御用チャンネルはController-APの内容が適用されています。
[Web設定画面よる設定]
Member-APに設定送信を行う
[Web設定画面よる設定]
設定送信を行うMember-APのチェックボックスにチェックを入れ、『設定』を行ってください。
Controller-APの無線設定の反映も行います。
設定送信が正常に終了した場合は、次のメッセージが表示がされた後、画面が再表示されます。
途中異常が発生しても処理は継続され、メッセージと設定画面が表示されます。
この画面は、(00:a0:de:c1:b6:18)の有線LANを抜いて設定送信を行った例です。
以下の文書を参照してください。
[EOF]