$Date: 2013/12/19 01:47:01 $
電波出力の設定にあたっては、本来設置環境に固有な様々の因子を考慮して設定値を決める必要があります。
例えば無線LANのサービス範囲をWLX302単体で賄っている場合、無線ステーションの接続性の観点では、
無線出力は強い方がサービス範囲の隅々まで電波が届くという点で有利になります。
一方で無線出力が強すぎると、WLX302から出力される電波は理想的な見通し距離であれば100m以上到達するので、
例えばオフィスの外で通信を傍受することが可能になる場合があり(暗号化されているとは言え)セキュリティ上の懸念が生じます。
従って電波出力は、高すぎても低すぎても使用環境によって異なる不都合がそれぞれ考えられます。
本機能はこれらのうち主に高すぎる方を抑制する機能です。
必要最小限と思われる送信出力値を自動的に設定し、電波の飛びすぎを防止することを目的としています。
WLX302では、以下のファームウェアで 電波出力の自動調整機能をサポートしています。
機種 | ファームウェア |
---|---|
WLX302 | Rev.12.00.11以降 |
送信出力は2.4GHz/5GHzの周波数帯(無線モジュール)毎の設定です。 無線モジュール毎の「送信出力」設定に"auto"を設定することで、当該モジュールを自動調整の対象とすることができます。
調整範囲は最大で50%から100%の範囲で調整します。
すなわち、送信出力を固定値で指定する場合の下限は5%からですが、auto設定の場合の下限は50%になります。
起動後最初の自動調整を実行するまでは下限の50%となります。
1日1回、Web設定ページから設定した任意の時刻に自動調整することができます。
またコンソール操作に限っては、airlink transmit power adjustコマンドを実行することにより任意のタイミングで自動調整を実行することができます。
さらにairlink transmit power adjustコマンドをschedule atコマンドによりスケジュール実行することも可能です。
ただし自動調整タイミングであっても、以下の場合は調整が実行されません。
[無線設定] - [2.4GHz 詳細設定] または [無線設定] - [5GHz 詳細設定]画面で設定します。
送信出力の項目に「自動」を選択すると送信出力の自動調整対象となります。
そして一日一回、自動調整を実行する時刻を送信出力自動変更の項目で設定します。
設定値 | 説明 |
---|---|
5,10,15,20,25,30,35,40,45,50, 55,60,65,70,75,80,85,90,95,100 |
送信出力の割合(%) |
設定値 | 説明 |
---|---|
module1 | 無線モジュール1 |
module2 | 無線モジュール2 |
省略 | 省略時は両方のステータス情報を表示する |
それぞれの無線モジュールで送信出力を自動調整の対象とし、自動調整を実行する時刻を 2.4GHz帯では午前2時、5GHz帯では午前3時に設定します。
[設定例]
airlink select module1 airlink mode 11b+g+n airlink channel 1 airlink transmit power rate auto #...(1) airlink max client 1 airlink enable module1 airlink select module2 airlink mode 11a+n airlink channel 40 airlink transmit power rate auto #...(2) airlink enable module2 schedule at 2 */* 02:00 airlink module1 airlink transmit power adjust #...(3) schedule at 3 */* 03:00 airlink module2 airlink transmit power adjust #...(4)
[解説]
(1) | 2.4GHz帯の送信出力を自動調整対象とする |
(2) | 5GHz帯の送信出力を自動調整対象とする |
(3) | 午前2時に2.4GHz帯の送信出力の自動調整を実行する |
(4) | 午前3時に5GHz帯の送信出力の自動調整を実行する |
レベル | 出力メッセージ | 意味 | |
---|---|---|---|
DEBUG | 自動調整の実行 | (X) Power next: V | 自動調整により決定された送信出力設定値がV%だった。 (X)はモジュール番号 |
(X) No adjustment for xmit power because of no RSSI data. | 有効な判定データが無いので自動調整を実行しなかった。 (X)はモジュール番号 |
||
(X) No adjustment for xmit power because of insufficient RSSI data. | 判定データの数が不十分なので自動調整を実行しなかった。 (X)はモジュール番号 |
[EOF]