$Date: 2013/12/19 01:54:14 $
自動チャンネル変更機能とは、電波状態が悪いときにチャンネルを自動的に変更する機能です。
電波状態は、無線LAN見える化で収集した情報を基に判断します。また、電波状態はヤマハ独自の基準で判定します。
本機能には、即時モードと定時モードがあります。
WLX302では、以下のファームウェアで 自動チャンネル変更機能をサポートしています。
機種 | ファームウェア |
---|---|
WLX302 | Rev.12.00.11以降 |
無線設定時や再起動、configure refresh実行時に、他APが送信したビーコンの電波強度とノイズレベルを基に使用するチャネルを決定します。
その後、自動チャンネル変更機能が電波状態が悪いと判断したときにチャンネルを変更します。
過去に使用したチャンネルは履歴を保存し、未使用のチャンネルから変更先のチャンネルを選択します。
全てのチャンネルを使用した場合は、最後に使用したチャンネルで固定されます。
過去に使用したチャンネルの履歴は、[無線設定] - [2.4GHz基本]または[5GHz基本]-[自動チャンネル変更]-[チャンネル使用履歴]、もしくはclear airlink channel historyコマンドで削除できます。
[無線設定] - [2.4GHz基本]または[5GHz基本]の設定ボタンを押下、または、[無線設定] - [2.4GHz詳細]または[5GHz詳細]の設定ボタンを押下した場合も、過去に使用したチャンネルの履歴は削除されます。
[自動チャンネル変更]-[ステーション接続中の動作]で[チャンネルを変更しない]を選択すると、チャンネル変更時に接続中のステーションが存在する場合はチャンネル変更しないようにすることができます。
チャンネルを変更できなかった場合は、次のタイミングでチャンネルを変更します。
即時モードでは、電波状態が悪いと判断した場合、即時にチャンネルを変更するため、1分毎にチャンネルを変更する可能性があります。
定時モードは、1日に1回チャンネルを変更します。チャンネルを変更する時刻は設定できます。設定した時刻にチャンネルを変更できなかった場合は、次のタイミングでチャンネルを変更します。
電波状態は、無線LAN見える化ツールで収集したCRCエラーと端末の再送率および電波強度から判断します。 同じ時刻(1分以内)に次の条件が全て一致した場合、「電波状態が悪い」と判断します。
自動チャンネル変更機能は、[無線設定] - [2.4GHz基本]または[5GHz基本]の[基本設定]タブにある[チャンネル]を"自動"に設定すると[自動チャンネル変更]の項目が表示されます。
[自動チャンネル変更]の項目では、[使用しない]、[即時]、[定時]の何れかを選択できます。
5GHzの場合は、[移動先チャンネル]で[W52のみ使用する]を選択できます。
[定時]を選択した場合は、自動チャンネル変更機能を動作させる時刻を設定してください。
また、ステーションが接続しているときにチャンネル変更をしないようにする場合は、[自動チャンネル変更]-[ステーション接続中の動作]で[チャンネルを変更しない]を選択してください。
即時モードおよび定時モードでチャンネル変更が行われたとき、それまで使用していた(電波状態が悪化した)チャンネルは使用履歴として記憶され、それ以降使われませんが、
チャンネル使用履歴の削除を行うことにより、使用済みのチャンネルを再び使用できるようになります。
この項目では、[削除しない]、[定期的に削除する]のどちらかを選択できます。
[定期的に削除する]を選択した場合は、チャンネル使用履歴を削除する日時を設定してください。日時は「毎週 日曜日〜土曜日」、「毎月 1日〜28日」の中から選択できます。
自動チャンネル変更機能の即時モードと定時モード、およびチャンネル使用履歴の削除機能は、各機能を実行するコマンドを"schedule at"コマンドによってスケジュール登録することで実現しています。
そのため、手動で"schedule at"コマンドを設定することで、Web設定画面で可能な設定とは異なるスケジューリングを行うことができます。
手動での設定によってWeb設定画面で設定できる方式とは異なるスケジュールを設定していた場合は、それらの設定は無視され、Web設定画面には表示されません。
この状態で設定ボタンを押してスケジュールを登録した場合、既存のスケジュールと新しく登録したスケジュールの両方の設定が存在することになります。
各機能のスケジュール設定が複数存在する場合、Web設定画面ではスケジュールIDが最も小さいコマンドが表示されます。
設定値 | 説明 |
---|---|
condition | 電波状態が悪い場合にチャンネルを変更する。 |
station-none | ステーション接続中はチャンネルを変更しない。 |
w52-priority | チャンネル変更時はW52のチャンネルのみ使用する。(5GHz帯域のみ) |
設定値 | 説明 |
---|---|
none | 除外しない。 |
current | 変更するときに使用していたチャンネルを除外する。 |
used | 無線設定以後、使用したことがあるチャンネルを全て除外する。 選択できるチャンネルがなくなった場合、それ以降は無線設定を再設定するまでチャンネル変更は行われない。 |
無線のチャンネルを切り替えます。
"condition", "station-none" パラメータを省略した場合は、強制的にチャンネルを切り替えます。
"condition", "station-none" パラメータを指定した場合は、指定した条件を1つ以上満たしている場合に限り、チャンネルを変更します。条件を満たしていない場合は、何もしません。
"w52-priority" を指定した場合、チャンネルを変更するときにW52のいずれかのチャンネルに変更します。
除外するチャンネルを省略または "none" を指定した場合、"airlink channel range" コマンドと "w52-priority" によって指定されたチャンネルを使用します。
"current" を指定した場合、チャンネル変更時に使用していたチャンネルを選択対象から除外します。
"used" を指定した場合、無線を設定("airlink configure refresh" コマンドを実行)してから今までに使用した全てのチャンネルを選択対象から除外します。
airlink select コマンドで無線モジュールを選択した状態では、選択した無線モジュールのチャンネルのみ変更します。
それ以外の場合では、全てのモジュールのチャンネルを変更します。
無線の自動チャンネル変更機能で使用したチャンネルの履歴を消去します。
airlink select コマンドで無線モジュールを選択した状態では、選択した無線モジュールのチャンネル使用履歴のみ消去します。
それ以外の場合では、全てのモジュールのチャンネル使用履歴を消去します。
[設定例]
airlink select module1 airlink mode 11b+g+n airlink channel auto bandwidth=20 airlink enable module1 airlink select module2 airlink mode 11a+n airlink channel auto bandwidth=40 primarry=lower airlink enable module2 airlink select 1 airlink ssid wlx302_VAP1 airlink vlan-id 1 airlink bind module1 moudule2 airlink auth wpa2-psk aes airlink psk-key soundnet airlink enable 1 schedule at 1 */* *:* airlink module1 airlink channel change condition exclude=used # ... (1) schedule at 2 */sun 03:00 airlink module1 clear airlink channel history # ... (2) schedule at 3 */* *:* airlink module2 airlink channel change condition w52-priority exclude=used # ... (3) schedule at 4 */sun 03:00 airlink module2 clear airlink channel history # ... (4)
[解説]
[設定例]
airlink select module1 airlink mode 11b+g+n airlink channel auto bandwidth=20 airlink enable module1 airlink select module2 airlink mode 11a+n airlink channel auto bandwidth=40 primarry=lower airlink enable module2 airlink select 1 airlink ssid wlx302_VAP1 airlink vlan-id 1 airlink bind module1 moudule2 airlink auth wpa2-psk aes airlink psk-key soundnet airlink enable 1 schedule at 1 */* 2:00 airlink module1 airlink channel change condition station-none exclude=used # ... (1) schedule at 2 */sun 03:00 airlink module1 clear airlink channel history # ... (2) schedule at 3 */* 2:30 airlink module2 airlink channel change condition station-none w52-priority exclude=used # ... (3) schedule at 4 */sun 03:00 airlink module2 clear airlink channel history # ... (4)
[解説]
自動チャンネル変更機能において出力されるSYSLOGメッセージを以下に示します。
出力されるメッセージには"[airlink]"というプレフィックスが付加されます。
レベル | 出力メッセージ | 意味 |
---|---|---|
INFO | Change <module1 or module2> channel (<変更前チャンネル> -> <変更後チャンネル>) |
チャンネルが変更された。 |
INFO | Not selectable channels by DFS. | チャンネル移動先が全てDFSのレーダー検波により 使用不可能であるため、チャンネルを変更できない。 |